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ヴェネツィア ときどき イタリア

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だまし絵ばんざいっ!・・・ヴェローナのドォーモ

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イタリアの教会は、それがとくに大きくて重要なものになればなるほど、数世紀にわたり増改築が重ねられ、外観もそうなのだが、中に入ったとたん、うわ〜っ(ごちゃごちゃー!!!)ということがよくある。歴史的な建築家が設計していたり、有名な芸術家の作品があったりしても、基本は、どんどん新しい装飾、いやそれどころか礼拝堂や墓標を次々に付け加えていってしまうためで、それぞれが重要だということはわかっていても、正直、質素な日本人的感覚からすると、ごちゃごちゃが過ぎると感じることが多い。



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ヴェローナのドォーモ(大聖堂)も、基本は変わらない。

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肉厚だが形はシンプル、ファサードも全体はシンプルで、ただし正面入口のみレリーフで飾ったアーチの柱はライオンの背に乗っかっている、そんな外観は典型的な北イタリアのロマネスク様式。もともとは8-9世紀に建てられたものだが、12世紀に地震で大きな被害を受けたのち、現在の建物となったらしい。

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中に入ると、(外観とうってかわって)縦の高さを強調したゴシック様式。

そして両側廊には、「だまし絵」によるルネサンス様式の礼拝堂。
とくにこの礼拝堂の部分が、たいがいはそれぞれ違う時代に、それぞれの当時のはやりの様式で作られることが多く、したがって全体に「ごちゃごちゃ」という印象になりやすいのだが、ここでは、多少あとからの追加もあるものの、左右両壁、それぞれ3つずつ、ほぼ同じスタイルの、しかも「だまし絵」礼拝堂が並んでいるため、全体に、まさにルネサンス時代の邸宅内のような統一感があってすっきりと美しい。

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しかもこの「だまし絵」がほんとに見事。

正面に向かって左側の壁2つめの礼拝堂は、15世紀後半、アントニオ・バディーレ(Antonio Badile)によるもの。

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どこが絵でどこが立体(彫刻)か、こうして真下から写真に撮っても、まだだまされてしまいそうなくらい。

正面に向かって右側、現在の入口のすぐ脇は、1503年にジョヴァンニ・マリア・ファルコネット(Giovanni Maria Falconetto)により描かれたもの。

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いずれも、古代建築風の「額縁」に聖人やその彫像(のだまし絵)を配した構図は、すぐ近くの、サン・ゼノ大聖堂にある、マンテーニャの祭壇画を思わせる。
さらに、このヴェローナで生まれ、ヴェネツィアで大人気を博する16世紀の巨匠、パオロ・ヴェロネーゼもまさにこの、ヴェネツィア出身の画家たちとはまた違った、建築的要素をふんだんに取り入れ、遠近法をフル活用しただまし絵を得意とした。

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そして、こちらはだまし絵でなく、ホンモノのオルガン。

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だが、オルガンのフタに描かれた絵はやはり「だまし絵」。絵の中のバルコニーの曲線が、まるで建物の一部のようにつながっている。

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ヴェネツィアと緯度はほとんど変わらないものの、ずっと内陸にあたるヴェローナは、ヴェネツィアに比べてずっと夏暑く、冬は寒い。そのくっきりとした気候の影響もおそらくあるだろう、だがとくに、ローマ時代に建設され、ローマ時代の遺跡を町の中にごろごろと要するヴェローナという町の伝統と実力をばーんと示された気がした。

Cattedrale S. Maria Assunta, Verona

(・・・そういえば大好きなパオロ・ヴェロネーゼの、大好きなサン・セバスティアーノ教会にもずいぶんごぶさたしている。久しぶりに行ってみなくては・・・。)

20 maggio 2014
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by fumieve | 2014-05-21 06:05 | ほかのイタリア
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