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ヴェネツィア ときどき イタリア

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第14回建築ビエンナーレ〜4・ロシア、フランス、カナダ

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昨年(アート)は金貨の降ってくる「ダナエ」で、一昨年(建築)はQRコードのドームで、アイディア、センスとも抜群の力を見せ、ここ数年絶好調の感のあるロシア。今年もまた、他に類を見ない、かつ楽しい展示に唸らされた。




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一言で言えば、「見本市ごっご」。受付で首からぶらさげるパスを受け取り、会場内に入ると、建築、インテリア関連のブースが所狭しと(ほんとに会場が狭いので)並んでいる。一歩足を踏み入れれば、それらしい格好のお姉さんやお兄さんに、美しい笑顔で”Hello! Can I help you?... Are you interested in xxx...” と声をかけられる。うっかりうなずいてみようものなら、それらしいキレイごとを、美しい英語でぺらぺら、ぺらぺら と並べたてられる。理想的な家。理想的な建材に理想的なリサイクル。理想的なファイナンスまで。

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現代の商業主義のパロディ、これを、仮にもヴェネツィア・ビエンナーレという国際的な展覧会の場で実現させてしまうんだ、と多いに感心したが、「人」が配置されていたのは、一般公開前の内覧会期間のみだったらしい。つまり、本来の展示は「見本市ごっこ」でなく「見本市パロディー」。まあ、展示だけでも十分凝っているとはいえ、やはり効果は半減以下でかなり残念。

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同じように模型や図面を並べても、いつもなぜかなんとなく洗練されて見えるフランス館。
入った最初の部屋は、ジャック・タチ監督の「ぼくの伯父さん」(1958年)の舞台となったヴィッラの模型を中央に。

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取り囲む映像は、50-70年代の、大型公団住宅のプロモーション・ヴィデオに上記タチの映画、そしてゴダール監督の「彼女について私が知っている二、三の事柄」(1966年)から、関連部分をモンタージュ。それに工事現場の音を重ねた。

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そのおしゃれな展示でずばり、建築の近代化の意義と功罪をさらりと、だがシニカルに問いかけているのはさすが。

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カナダは、同国北部、ヌナヴト準州(Nunavut)の建築事情を紹介。

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古来よりイヌイットの住む土地であった同地は、1993年に(ようやく)カナダ連邦政府との協定締結、99年に準州として認定された。ヌナヴトはイヌイット語で「我らが大地」を意味する。
もともとは定住の文化を持たない彼らは、この100年の間に、近代国家の多くの「事情」により、移住・定住を強いられ、住居や店舗などの近代建築物を「与えられて」きた。その中には、軍事基地や調査センターなど、国の施設も含む。

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およそ2,000,000kmq のテリトリー、25のコミュニティーに別れて住む住民は現在は約33,000人、地球上でももっとも人口密度の低い地域の1つ、らしい。
植生北限に位置し、少なくて120人、多くて7000人の住民のいるコミュニティー同士を結ぶ道路は存在せず、長い冬は完全に氷に閉ざされる。その中で、生活と建築がどう近代化に適応しているのか。
知られざる、だが現存するコミュニティーでの暮らしを見せた、とくに模型とプロジェクターを使った展示が秀逸。

日本館を取り囲むように建つ、この3館。今回のビエンナーレでそれぞれ「特別表彰」(Special Mention、佳作)を得たのも納得の内容だった。

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Russia
Fair Enough: Russia’s past our Present
Commissario: Semyon Mikhailovsky
Curatori: Strelka Istitute for Media, Architecture and Design

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Francia
Modernity: promise or menace?
Commissario: Istituto Français, Ministère de la CUlture et de la Communication, ecc.
Curatore: Jean Louis Cohen

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Canada
Arctic Adaptation: Nunavut at 15
Commissario: Barry Johns
Commissario aggiunto: Sascha Hastings
Curatori Aggiunti: Lateral Office

11 giu 2014
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by fumieve | 2014-06-11 19:39 | 建築ビエンナーレ2014
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