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第14回建築ビエンナーレ〜9・町中編、香港&マカオ

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W杯やオリンピックと違い、ビエンナーレは「国」別参加はあくまでも「国」単位なので、国(地域)別ではなく、公認の並行イベント扱いなのだが、アルセナーレの出入口前の一等地は例年、香港とマカオのリザーヴ席のようになっている。




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どちらかというと、最新の設計案などで直近または「未来」の展示が多くなりがちな建築展で、夢を語る前にまず、過去をきちんと評価し直そうよ、と、”Absorbing Modernity: 1914-2014”というテーマを共通テーマとして提案したのが総合ディレクターのレム・コールハース氏なら、香港館ではそれをあえて、84年から2044年という、今をはさむ60年にシフト。香港島を囲むデルタ地帯の開発・変化をレポートした。

だが、このパビリオンで最も衝撃的だったのは、Rest is Pending 安居、という映像作品。

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はじめはごく普通の、子ども連れの若い夫婦が、新築の分譲住宅を見学にきているかのように見える。ところがそれは、分譲住宅ならぬ、新築の分譲霊園だった。いや、墓地というよりも、骨壺のアパートと言ったほうがいいだろうか。豪華な建物の中は、壁を埋め尽くすようにびっしりと棚、あるいは扉つきの「納骨ロッカー」が並ぶ。
もともと小さな「島」である上、人口が超過密状態の香港では、納骨が深刻な社会問題になっているらしい。いや、同じ「島」であるヴェネツィアでもあることはあるし、日本でも地域により共通の問題があるだろう。だが、おそらく比較にならないレベルでの不足。
映像では、父親の遺骨を安置できる場を求め、右往左往する男性とその家族の様子が描かれる。分譲の順番(抽選?)を待ち、たくさんのDMの中から、これと思った「霊園」を見に行くと、そこでは、遺骨の入った黄色い袋に名前をマジック書きし、本棚のような棚にぎゅうぎゅうと押し込めてあるだけ。これはあくまでも仮措置だから、と自分を納得させ、次にようやく見つけた、少なくとも1人1ボックスの「霊園」は、入ったとたんに追い出される。妻に嫌な顔をされながら、とりあえず自宅に持ち帰る。飛行機で内地へ、広大な「霊園」を見に行く。妻は気に入るが、彼は、香港から出たことのない父親の遺骨を、そこへ安置する気がしない・・・。
18分強のヴィデオだが、私にしてはめずらしく、全部見てしまった。これだけで1本映画ができそう。

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そうしてふとその横に並ぶ模型をあらためて見ると、一見、ふつうの集合住宅のようだが、実はこれぞまさに、巨大な「霊園」。

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人の終の住処、こうしてまた大きな建造物になっているのも現実なのに、これまで果たして、この建築ビエンナーレのような場で、展示されたことがあっただろうか?

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Fundamentally Hong Kong? Delta Four 1984-2044
Arsenale, Castello, 2126 (Campo della Tana)
Organizzatore: The Hong Kong Institute of Architects; Hong Kong Arts Development Council

一方、名実ともにお隣のマカオでは、4人の建築家がそれぞれ、「幸せ空間」とは何か?を表現した。

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“Happiness Forecourt”=”Largo da Felicidade”=”開心前地”
Arsenale, Castello, 2126/A (Campo della Tana)
Organizzatore: Istituto Cultural do Governo da R.A.E. de Macau (I.C.M)

15 giu 2014
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by fumieve | 2014-06-15 21:20 | 建築ビエンナーレ2014
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