言ってみれば、街道沿いのラーメン屋。トラックの運転手が腹ごなしに立ち寄る、そんな感じだろう。ヴェネツィアの大型駐車場トロンケット(Tronchetto)、大型観光バスの停車場と、水上バスの停泊所との間の、なんとも言えない仮設のお土産屋通りの片隅。バスやモーターボートの運転手ら、地元の仕事人で賑わうこれも仮設のバールのパニーノが、どかちん食堂らしくてすばらしい。
まず、サルシッチャ(salsiccia、粗挽きソーセージ)を半分に割り、たたいて平たく延ばして鉄板へ。
こちら、パン。
・・・とうかつにも気を取られている間に、卵が鉄板に割り入れられていた(写真冒頭)。黄身を丸々と残さずに、あえてちょこっとつぶしておくのがコツ。
半熟になってきたころに、うまく白身でたたみこんで・・・
(あっいつの間にか、お肉も裏返っている!)
じゅうじゅうー・・・
その間、半分にスライスしたパンは、ふつうにパニーノをあたためるホットプレイヤー(というのか?)で温めておく。
これまた、気をとられている間に、チーズを数枚スライス。もちろん、既成のスライスチーズではなく、大きな塊からここで切るのだが、これをなんと、卵の上に!
・・・とろ〜り・・・とろ〜り・・・
と溶けてきたところで、大胆にもひっくり返して・・・(えっ?チーズが鉄板にくっつかないの???)
さらに、じゅう〜〜〜
そして、お肉を縦に半分に割り、卵も同じように。
お肉、卵&チーズの順にパンに乗っけて、
マヨネーズ、ケチャップはお好みで。ほかに、ホット・ソースなどもあり。
きゅっとはさんで、はいっできあがり!
・・・さっと手渡されてしまって、おまけに「ほらここ、ちゃんと押さえていないとばらばらになるよ」と。
テーブルすらないので、うまくできあがりの写真を撮れなかったのだが、まさに肉体仕事派のパワーランチ。そしてこれが、想像していたよりもかなりおいしい。
こういう、お肉をその場でじゅーっと焼いてパンにはさんでくれるようなパニーノは、スポーツ競技場や何かのお祭りのときにしか食べられないものかと思っていたが、まさかヴェネツィアで食べられるとは!
サルシッチャの代わりに、鶏のムネ肉というのもアリらしい。
雰囲気こそ、サンマルコ広場やリアルト橋とは似ても似つかないけれど、サンマルコからなら2番の水上バスに乗って30分くらい。
・・・もっとも、ヴェネツィアに観光に来て、わざわざ食べるものでもないかもしれないけど。
・・・お店の名前も、もちろん電話もわからない・・・。
10 lug 2014