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ヴェネツィア ときどき イタリア

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第71回ヴェネツィア映画祭・8〜少年たちよ

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美人姉妹の三角関係を描いた「3 coeurs」ですら、その間にいたのはごく普通の、ちょっと疲れた中年男性だったが、ともかく今回は徹底的に男性が、それもバリバリのヒーローではなく悲哀や苦悩に満ちたおじさんが映画祭(コンペ部門)を占拠している。
そして、「おじさん」以外、いや、ある意味それ以上に活躍したのは、思春期にさしかかる前後の少年たちだった。




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海岸のトレーラーハウスに住む母と息子。母親はどうやら癌を煩っているらしい。父親やオーケストラの指揮者で、町のオペラハウスに戻ってきた彼に、少年は接触を試みる。母思いで、学校の勉強もよくできるらしい少年は、サッカーでも頭角を表しスカウトの目に止まっている。そして音楽にもまた、父親の血を受け継いで繊細な感性を見せるのだった・・・。
こうして書くと、劇的要素満載なのだが、映画は実に淡々と流れていく。
ま、人生なんてそんなものかもしれない。これまでに観てきた数奇で劇的な人生なんて「事実は小説より奇なり」ではなくあくまでもスクリーンの中のお話に過ぎない。・・・と思わせる、フランス映画らしいフランス映画。

Le dernier coup de marteau、仏、82’
Alix Delaporte監督
Romain Paul, Clotilde Hesme, Grégory Gadebois, Candela Peña, Tristán Ulloa

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子どもと動物を出しておけば間違いなし、と思うは日本だけではないらしい。
場所は変わって、トルコのアナトリア地方。羊飼いの家庭に育つ11歳のアスランは、学校で今度のお祭りに上演する劇「白雪姫と七人の小人たち」で、自分がやりたかった王子役を友だちの取られてしまい、面白くない。くさくさした彼の心を捉えたのは、一匹の犬だった。
ほんとうは違法らしい、男達が方々から集まって楽しむ闘犬。負けた犬は瀕死の状態でその場で捨てられる。大人たちにまじって見に来ていたアスランはその犬を連れて帰ることに成功する。
だがやはり、闘犬は闘犬。大人達の論理では「みなそれぞれ、生まれついた役割というものがある。」その言葉はそのまま、アスランやその周りの大人たちのことをも示唆している。
小学校の友達以外、ほとんど女性が出てこない。そして出演者の全員が俳優でなく、素人だというのにビックリ。
そして、 言葉こそ違えど、これが南イタリアを舞台にした映画と言われても違和感がない。

Sivas、トルコ・独、97’
Kaan Müjdeci監督
Dogan Izci, Çakir, Ozan Çelik, Muttalip Müjdeci, Ezgi Ergin, Hasan Özdemir, Furkan Uyar, Okan Avci, Hasan Yazilitas, Banu Fotocan

5 set 2014
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by fumieve | 2014-09-06 01:06 | 映画
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