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ヴェネツィア ときどき イタリア

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第71回ヴェネツィア映画祭・11〜アジアの(非)日常

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今回、メインのコンペティション部門には、日本の映画は塚本晋也監督の「野火」1本だたが、中国も1本、韓国、台湾、香港などもなく、アジア的にはややさびしいラインアップだった。




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そのコンペ部門ではなく、オリゾンティ部門で出品されたホン・サンス監督、加瀬亮さんの主演の作品。

日本での仕事を辞めて、かつて住んでいたことのあるソウル(?)にやってきた、加瀬さん演じるモリ。「自分にとって大切な人」という女性を探しにきたらしい。「いつもの喫茶店にいる」と手紙を残すが、彼女はなかなか現れない。
それが淡々と、棒立ちで、しかもかなりブロークンな英語の会話で展開する。おそらく、そういう演技、演出なのだろうと思うが、表情もジェスチャーも、声のトーンの上下も激しく大げさな世界の多くのほかの映画の中で見ると、まるで学芸会のように見えてしまう。いや、大げさなものが必ずしもいいとは思わないし、それこそが個性であり特徴なのだろうけれど、正直のところまったくもってよさが理解できなかった。

Jayueui onduk (Hill of Freedom)、韓国、66’
HONG Sangsoo監督
Ryô Kase, Moon Sori, Younghwa Seo, Kim Euisung

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夫に先立たれて1人暮らしの初老の女性。結婚して子どももいる長男と、経営者なのか彼女からすると「あやしい店」(といってもエステだのマッサージだののお店のようだが)の上に住む次男の家を、しばしば訪ねていっては台所で料理を作っている。ところがどちらもその母を、自分たちの生活を管理し、邪魔をしにきているうっとうしい存在くらいにしか思っていない。
映画は、母の家にときどきかかってくる無言電話から始まる。

おそらく世界中のどこにでもある核家族の問題を扱っているのかと思いきや、そのごく普通の家族たちの間に、少しずつ不気味な見え隠れするようになる。どうやら、それぞれがちょっとずつ抱える秘密があるらしい。やや、宮部みゆきの小説のような感じ。
やがて起きる殺人事件。
そして事態は思わぬ方向へと急展開する。平和でそこそこ裕福な、北京で中の上の生活を営む彼らも、大きな歴史の傷の一部なのだった・・・。

今回、20本の映画の中で、女優さんが主演だったのはわずか2本。当然のことながら、母親役の Lü Zhong は最優秀女優賞の有力候補だったが、残念ながら受賞を逃した。

Chuangru zhe (Red Amnesia)、中国、115’
WANG Xiaoshuai監督
Lü Zhong, Feng Yuanzheng, Amanda Qin, Qin Hao, Shi Liu

8 set 2014
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by fumieve | 2014-09-08 16:05 | 映画
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