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ヴェネツィア ときどき イタリア

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第71回ヴェネツィア映画祭・12〜ああ、アメリカ

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今年の、Glory to the FIlmmaker Award を受賞したジェームス・フランコ監督。
授賞式の際、丸坊主の後頭部にタトゥー、と不思議な出で立ちで現れたと思ったらなんと、レッドカーペットと招待上映の会場を「ジャック」。70年代を舞台にした次作の一部分として使用する映像を撮っていたというのだからビックリ。具体的には、77年の第35回映画祭がそのシーンとして登場するらしい。

ここ最近、すっかりヴェネツィア映画祭常連になりつつあるフランコだが、これで来年もまた招待間違いなし!?




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作品は、ウィリアム・フォークナーの小説「響きと怒り」(The Sound and the Fury)を映画化したもの。

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20世紀初めのアメリカ南部、裕福な、だが没落直前の一家の子どもたち。4人兄弟の中でたった1人の女の子キャディは、美人で賢く、おまけにおてんば、兄弟の世界は、彼女を中心に回っている。映画では、いや、原作もそうらしいのだが、3人それぞれから見たキャディの姿を軸に家族の歴史が描かれる。第1章は、知的障害を持つベンジーをフランコ自身が熱演。第2章は、長兄で頭のいいエリート、クィンティン、第3章は家を継いだ次男ジェイソンの視点から、時間や場所が前後しながら、それぞれ語られていく。
名作の映画化が難しいのは常、原作が好きな人にはどうかわからないが、読んだことのなかった私は逆に、ぜひ原作を読んでみたいと思った。

The Sound and the Fury、米、101’
James Franco監督
James Franco, Scott Haze, Tim Blake Nelson, Joey King, Ahna O'Reilly, Seth Rogen

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3、2、1、0、射程到達時間10秒、・・・グッド・キル(Gook Kill)。
彼らはミサイルが標的に命中したとき、そういう言い方をするらしい。
(ちなみに、イタリア語では、Bel corpo(命中くらいの意味)と訳されていた)

アフガニスタンだろうが、ヨルダンだろうが、今やアメリカ空軍による空爆は、現地で行なわれているわけではない。操作しているのは、ラスベガス近くの空軍基地内に置かれた、コンテナ型の操縦室。砂漠のど真ん中にある、といってもアメリカンなこぎれいな住宅街から毎日車で通勤、一日の仕事が終わればもちろん、毎日自宅へ帰って家庭サーヴィスにつとめる。子どものお迎えにも行けば、休日にはバーベキューで肉を焼く。
仕事はといえば、はるか10,000km離れた地でうごめく「怪しい」と指定された人物に上空から焦点を合わせ、プチっとボタンを押すだけ。プレイステーションのゲームと全く変わらない。
妻はブロンドに青目の美女、職場にやってくる研修生は有色人種のエリート美女でこちらも最初から色目遣い。
少なくとも空を飛ぶ、緊張や非常事態への恐怖にもさらされず、ボタン1つで毎日人を殺していることに、任務とはいえ心の葛藤を覚える夫。詳細を知らず、そんな夫の苦悩が理解できない妻は、ボディコン(死語?)にマイクロミニで浮気。・・・やれやれ・・・。

あまりにも凡庸、あまりにも短絡的で、あまりにもつまらない映画だった。今回のコンペ部門の中で、個人的にダントツのワースト1。

Good Kill di Andrew Niccol - Usa, 100'
v.o. inglese - s/t italiano
Ethan Hawke, Bruce Greenwood, January Jones, Zoë Kravitz, Jake Abel

8 set 2014
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by fumieve | 2014-09-08 22:05 | 映画
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