Picasso, la joie de vivre, 1945-1948
Venezia
Palazzo Grassi
Dal 11 novembre al 11 marzo 2007
www.palazzograssi.it
ピカソ、生きる喜び、1945-48
ヴェネツィア、パラッツォ・グラッシ
11月11日-2007年3月11日
南仏ニースにほど近い、アンティーブという小さな町の岩の頂点に聳える古い城。1920年代のはじめ、すでに度々このあたりに通っていたピカソは、夏の居住地としてこの城を購入した。一端は本人が手放し、国の考古学博物館として公開されたりしたが、1966年よりピカソ美術館として、一般に公開されている。
なぜまた、あっちもこっちもピカソ?と思ったら、2006年の今年は、生誕125周年にあたるらしい。
今回は、このアンティーブのピカソ美術館所蔵品を中心に、個人蔵のものなどを合わせた作品展となっている。油彩、ブロンズ、スケッチ、とさまざまだが、終戦後に、アンティーブで過ごした、平和で最も幸福な時期だった、この数年間の作品に絞られている。
面白かったのは、一連のデッサン。「雄牛」(“le taureau”)は、1945年の12月5日から翌年1月17日まで、11枚の絵が並んでいる。「ピカソな」絵は、最初からいきなりぶっとんでできるわけではない。リアルな、現実を忠実に再現したデッサンから、試行錯誤を重ねて抽象画にいたるまでの変化の様子が見てとれる。
また、ケンタウロ(半人・半馬)の彫刻のためのデッサン。1枚目は、人間の腕、足、馬のそれ、と、組み立て前のロボットのように、ばらばらになっているものの、それぞれの形は、やはり精密なデッサン。一つ一つを、紙の上で丁寧に組み立てる。少しずつ、動かす。弓を持つ腕を上げ、ひざを曲げ・・・走り出す。じっと見ているとコマが並んだアニメーションのごとく、ほんとうにケンタウロが紙から走り出していってしまうかのように見える。
カナル・グランデに面した広く明るい部屋に出る。展示の最後を飾るのが、作品「生きる喜び」(”La joie de vivre”)。太陽であり、花である恋人フランソワーズを真中に、音楽を奏でる神話の登場人物たち。
題材も時期も、お隣の小さな町、モリアーノ・ヴェネトで開催中の、リトグラフを中心としたピカソ展と重なるので、あわせてみると断然面白いだろう。
9 novembre 2006