ブログトップ

ヴェネツィア ときどき イタリア

fumiemve.exblog.jp

トリエステ

Trieste

a0091348_206260.jpg


建物の外の手すり。あ、あった!
イタリア最東端のこの町は、冬にボーラという強風が吹くことで知られている。急な坂道で、突風に吹き飛ばされることのないように、「建物に手すりがついている」と聞いていたものの、何度か来ても実際に目にしたことがなかった。坂の上に見晴らしのいいお城があったはず、と坂をぐんぐんと上っていたら、目の前に突然、何の気なしに「てすり」が現れた。ほんとだ。真夏のことで、吹き飛ばすほどの風は吹いていないが、急坂を上る助けになるかと思って触れてみると、鉄製の手すりは灼熱の太陽にさらされて、熱い。

トリエステの魅力はなんといっても海の色。ヴェネツィアから電車で2時間、ずっと、真っ平らな、のどかな住宅街や農地の間を走っているのに、突然、両側にゴツゴツした岩肌が見え始めたら、あと15分ほど。トンネルを抜けると目の前、いや、下に真っ青な海が広がる。
土曜日のお昼、真夏の好天とあって、町の中は閑散としている。いや、ちょうどセールが始まったらしいショッピング街あたりだけは賑わっていたが。あとはみな、仕事も食事もそこそこに、我先にと海に繰り出しているのだろう。地元の人々が泳ぎに行くのは、中心街から、郊外のミラマーレ城に向かう道沿い。砂浜なんて存在しない。ガードレールの向こうは切り立った崖、かろうじて海の家が張り付いている。そんなわけで、いきなりどぶん、と深いらしい。でもだから、水はほんとに澄んでいてきれい。泳いでいても魚もたくさん見えるらしい。
今日は残念ながら、そちらへ向かう余裕がない。

日本人の私たちは、「トリエステ」というと須賀敦子さんのエッセイを思い出すが、トリエステに実際に来てみていつも思うのは、この町であの情緒を求めるのが非常に困難だということ。前回来たのは、やはり夏で、強い陽射しに圧倒された。その前は冬で、ボーラ一歩手前、という風が吹いていた。気象状況の厳しさに、思考能力が完全にストップしてしまう。

a0091348_20102212.jpg
そして、思っているより(特にヴェネツィアなどから来ると)、町並みが新しく、それでいて、どこか微妙にさびれている。この雑多な感じは、ジェノヴァなどにも共通する、港町独特の空気なのかもしれないが、気候が温暖なジェノヴァは、同じような坂道の町でも、また別の雰囲気をかもし出している。

海と街を一気に見下ろす、眺めが抜群のはずのサン・ジュスト城は、目の前で扉が閉ざされていた。午前中のみの開館、だったらしい。

a0091348_20111197.jpg


7 lug 07
[PR]
by fumieve | 2007-07-08 08:04 | ほかのイタリア
<< Venezia Suona 2007 2007 Miniartextil >>