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ヴェネツィア ときどき イタリア

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アルベロベッロ

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Alberobello

その名も「美しい木」という名前の町。ところが、この町を有名にしているのは「木」ではなくてその独特な建物、トゥルッリ。(Trulli, これは複数形。単数形はtrullo、トゥルッロ)ずんどうな白いしっくいに石を積み上げた屋根、小人の家のような「かわいい」建物が、急な坂道をはさんでびっしりと立ち並ぶさまは、ほんとうに、おとぎの国に迷い込んでしまったかのような気分にさせられる。
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といっても、もっとも多くトゥルッリが密集するリオーネ・モンテ(Rione Monte)地区は、そのほとんど全てが、お土産物屋か観光客目当てのレストランなどになっている。夏休みの時期で人も多かったのだろう、日中から夜遅くまで観光客がぞろぞろといて、まるでテーマパーク。お土産が、いかにもお土産っぽいものばかりなのが少々残念で、お店の中に入ってみるといいものもあったりするのかもしれないが、うーん、もうちょっと気の利いたものはできないのだろうか?
圧倒的によかったのは、朝。日帰り観光客がたどり着く前、お店が軒を広げる前は人もほとんど見かけず、静かで、ただトルッリが並んでいる様子そのものを堪能した。

トルッリは、もともとアルベロベッロに限ったものではなく、この地方一体で広く使われていて、現在も、一部改装・変更を加えたものなども含めるとあちこちに点在する。が、これだけ密集して、そのままの外観が保存されているのが、この町のすごいところ。
現在もそこに住んでいる人もいる、というとびっくりするかもしれないが、「ヴェネツィアに住んでいる」というと「あんなとこに住んでいる(人がいる)んですか!?」とびっくりされるのと同じだろう。電気・ガス・水道を通して、室内こそ現代的に整えれば十分快適に暮らせるだろう。
実際、Trullideaというホテル(宿泊施設)では、そのトゥルッロ1つを1つをホテルの部屋として提供している。

http://www.trullidea.it/

実際は部屋というよりは、寝室、バスルームにミニ・キッチンもついているから、ミニ・アパートといったところ。大きさもいろいろあるらしく、家族や友人同士で泊まったら楽しいだろう。朝食が予め用意されているスナック類とコーヒーまたは紅茶と簡素だが、冷蔵庫にはジュース、ヨーグルトもあり。一通りの鍋・食器類は揃っているから、お昼や夜に調理して食べることも可能。

ところで聞いた話では、このアルベロベッロ、かつてはヴェネツィア共和国とも深い関係があったという。町は内陸の丘陵地帯にあるが、やはり同じアドリア海文化圏のこと。アルベロベッロ市内に、ヴェネツィアのある総督の直轄の牧場があり戦闘馬を育てていたらしい。また、市内で伐採される良質のオークが、造船用としてヴェネツィアに送られていた、とか。
そういえば、この町の人の言葉、話し方、はあまりいわゆる「南」っぽくなく、むしろ北のアクセントに近いように感じる。

印象的だったのは、人のよさ。上記ホテルの各スタッフもだが、会う人会う人、あちこちで言葉を交わした人がみな親切で丁寧。完全に観光に依存したこの町で、その中でも日本人は大切なお客様であることも誰もが認めつつ、嫌味なく、温かいもてなしを受けているように感じた。ヴェネツィアを始め、イタリアのほかの町で、こんなことがあり得るだろうか?
おとぎの国は、見た目だけではないようだ。

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18 ago 2007
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by fumieve | 2007-08-19 06:41 | ほかのイタリア
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