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ヴェネツィア ときどき イタリア

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イチゴという名の・・・

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fragolino

イタリア語でいちごはフラゴラ(fragola)。だから、フラゴリーノ(fragolino)というと本来は、小さいイチゴ、とか、いちごちゃん、みたいな意味になる。野イチゴのようなもともと小さい種類のイチゴのことを総称して使うこともある。

この写真のぶどうは、この時期、イタリアでもおそらくこのあたりだけで見られるもので、その名も「フラゴリーノ」。
艶消しの、黒に近い濃い色の皮、中は透明~うすい緑、ジューシーでものすごく甘い。日本の「巨峰」に色と味は近いかも。だけど、これは粒がうんと小さくて、日本の種なしぶどうくらい。だけど、種は必ず、1つ2つ入っていて、その周りがちょっと酸っぱくて、アクセントになっている。イタリア人はふつう、ブドウをむかずにそのまま皮ごと食べるからか、ほかのブドウはたいてい皮が薄くて身に張り付いていて、むいて食べようと思うと苦労するが、このフラゴリーノはするり、とむける。
見た目も味も、どこからどうしても完全にブドウなのに、なぜまた「小いちご」なんて名前がついてしまっているのかは、調べていないので謎。

それがさらに誤解を招くのは、このブドウで作ったワインがあって、それもそのまま「フラゴリーノ」。「いちごのワイン」と紹介されてしまっているのも見たことがあるが、それは大きな誤解、正真正銘の、ブドウのワインなのでお間違えなく。
気候の問題なのか、もともとブドウ自体の生産がヴェネツィア近郊だけに限られているからワインの製造量もうんと少ないこと、それと、確かワインとしてはアルコール度が低すぎるからと聞いたことがある気がするのだが、ともかく基本的には一般に流通していない。
流通しないからプレミアムがついて高いとかそういうことではなくて、要するに地元の人だけが飲む、ハンパものと言ったらいいだろうか?ヴェネツィアの、たいていのバカロ(bacaro、立ち飲み居酒屋)ならグラスで飲める。
白も赤もあるのだが、お勧めは断然、白!香りが高く、ちょっととろっとして甘いのだが、不思議と重くなくて飲みやすい。だから食後はもちろん、食前でもOK。ともかく、冷たく冷やしておくことが大切。アルコール度が低く、口当たりがいいので、お酒はあまり得意じゃないけど、ほんの少し味わいたい、という人もぜひ。ちなみに赤は、甘めの軽い若いワイン、といったところ。

ワインは一応1年中あるけど、ブドウはほんとに季節ものなので、この時期ヴェネツィア近郊へお越しの際はぜひこちらもお試しを。メルカート(mercato、市場)はもちろん、最近はスーパーでも見かけるようになった。うんと熟していて、すでにワインのような香りをぷんぷん漂わせているから、それだけでいい気分になれるかも。

21 set 2007
by fumieve | 2007-09-22 07:37 | 飲む・食べる
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