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ヴェネツィア ときどき イタリア

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聖母サルーテ祭

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Festa della Madonna della Salute

17世紀、猛威をふるったペストの終焉を感謝し、奉納のために建てられた聖母サルーテ教会(Chiesa di S.Maria della Salute、サルーテは「健康」の意)。1681年に、「聖母マリアの奉献の日」、すなわち11月21日の祝祭の日、ヴェネツィア総督も参列した宗教行列のために、大運河に船を並べて橋のように渡っていけるようにした。現在は船でなく、この数日間、いかだをつなげた仮の橋ができる。
7月第3日曜日のレデントーレ祭(教会の由来も、橋ができるのも同じ)と並んで、ヴェネツィア市民の祭日で、この日は学校をはじめヴェネツィア市内は祝日扱いとなる。

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サンタ・マリア・デル・ジリオ(Santa Maria del Giglio)前、ホテル・グリッティ・パレス(Gritti Palace)の横、いつもなら渡し舟の乗り場になっているところから、今日のために架けられた仮の橋を使って大運河を渡る。大聖堂にたどりつくまでに、何人か、お供え用の蠟燭売りがいる。もちろん、大聖堂前の広場にも。さすがに人が多い。聖堂の中は身動きできないほどの人だった。今日は、毎時ミサをやっているのだが、ゆっくり散歩がてらお参りに来る人には、午後の遅めの時間がちょうどいいのだろう。
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信者でない私にとってこのお祭りの楽しみは、教会の晴れ姿。正面祭壇のマリア像の後ろに大きな赤い天幕が飾られ、堂内の白い大理石の柱が赤いビロードで覆われる。丸い堂内をぐるりと囲む柱は、赤の濃淡(実際は1色なのだが、ビロードの毛足の高さを変えて模様を出している)でより厳かに。周囲を取り囲んでいる祭壇の柱は、多色使いのビロードでより華やかに。今日はきっと人が多いだろうと、これは昨日のうちによく見ておいて正解。
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信者でないものにも、信者のみなさんにもこのお祭りのもう1つの楽しみは、屋台(のはず)。日本のお祭りのように、といっても、教会から出てすぐ近くの、ほんの数百メートルほどのカッレ(calle、小道)に屋台が並ぶ風船だの、子供用の妖しげなおもちゃなども売ってたりするのだが、メインは食べ物。アーモンドを炒って、砂糖がけにしたもの、またはカラメルで固めて板状にしたもの。マジパンでつくった色鮮やかな果物の形のお菓子。リコッタ・クリームを詰めた、筒状のカンノーリ。そう、実はすべて、シチリアの名物とされるお菓子たちで、ふだんからヴェネツィアにあるもの、ないもの、いろいろだが、それぞれの屋台が「シチリアの味」とか「シチリア名物」とか看板を出しているから、屋台=シチリアみたいな伝統というか、そういうものなのかもしれない。綿あめ、フルーツの水あめがけ、といった、日本の屋台みたいなものもある。
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日本の屋台と違うのは、どれもこれもすべて甘いものだということ。やきそばとか、とうもろこしとか、焼き鳥、そういう塩っ気のものもあるとますます食欲がわくのに・・・と思ったりするが、ないものはない。
惹かれるものはいろいろあるが、この日に絶対に食べなくてはならないのは、フリッテッレ(Frittelle)。カーニヴァルの時に食べるFrittelleは、ころっと丸い形に挙げたドーナツに、クリームなどがはさんであるのだが、同じ名前で、ここで出てくるのは、顔よりも大きい平たい円盤状、ちょうどフリスビーくらいのものを目の前で揚げて、その揚げたてのところにグラニュー糖を両面にぎゅうぎゅう押しつける、というもの。どちらかというと、揚げパン。カロリーが異常に高そうな爆弾的な代物ながら、なにしろしんしんと冷える寒さ、適度に歩いて(ミサに立ったまま参加して)小腹が空いているところにこの匂い。とても避けきれるものではない。実際に、フリッテッレの大鍋の前には一段と人だかりがしていて、一目でそれとわかる。で、やっぱりおいしい。
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すぐ近くにあるグッゲンハイム美術館は、毎年この日までの1週間の間、ヴェネツィア市民祭として住民に無料開放するのも既に定着しているようだし、今年は、やはり同じエリアにあるアッカデミア美術館も今日は1日、市民は入場無料にした(らしい)。
また、昨日・今日は、近くの広場でのみの市をやっていて、特に古いものを含め、ガラスのビーズなどがたくさん出ていた。自分で何か作れれば楽しいだろうな・・・と思いつつ、1つ2つ買ってみたりする。a0091348_6535220.jpg
毎年、この日は必ずしんしんと体が冷える寒さになる。が、お祭りならではの、こんな「おまけ」も結構嬉しくて、やはり待ち遠しい。
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21 novembre 2007
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by fumieve | 2007-11-22 06:49 | ヴェネツィア
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