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ヴェネツィア ときどき イタリア

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「和モード 日本女性、華やぎの装い」展

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サントリー美術館
2008年1月14日まで

Wa mode, japanese female mode : traditional costume & make up
Suntory Museum of Art, Tokyo
http://suntory.co.jp/sma/

23 dicembre 07 – 14 gennaio 2008

新しく六本木ヒルズの中にできたサントリー美術館は、壁や床には天然色と木の風合いを生かし、全体にすっきりと余計な飾りのないものの、あたたかく落ち着いた空間。先日行ったここから徒歩5分の国立新美術館の内部とも似た雰囲気だが、新・和風ともいうべきこのスタイルは、昨今の建築・インテリアの国際的な潮流の一つなのだろう。

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この展覧会では、日本の女性の美と装いの変遷を、絵とモノを使ってたどる。
中国から装いも「輸入」していた奈良時代から変わって、日本独自の服装が生まれる平安時代。「十二単」と後世になって呼びならわされるように、幾重にも重ねた衣の色合いを楽しんだ時代から、当初は下着的なものであった小袖がやがて一般の服装として独立して着られるようになるまで。数知れずのヴァリエーションを生み出すことになった小袖の、技術や意匠。
生き生きとした人々の生活と、したがってあらゆる場面での服装を写し取った風俗画の描かれた屏風。化粧道具に化粧マニュアル。
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十二単以来、結い上げずに長く後ろに伸ばした「垂髪」が基本だった日本女性に髪形革命が起こったのは江戸時代から。髪を梳くだけでない、飾りのための櫛、笄、かんざしが作られるようになるのもこのころからである。柘植、銀細工、べっ甲はもちろん、蒔絵、漆、象牙・・・と材質も技術もさまざま。
そして、明治以降の、ポスターの中に見る女性の髪形と服装。
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最後に「和風クリスマス」、年中行事を描いた屏風、お正月向けらしき縁起物の器など。
もともと「モノ」好きの私にとって、すばらしい工芸品をたくさん所有するこのサントリー美術館の展覧会はいつも楽しみなのだが、新しく移転して初めて行ったこの展覧会は、期待以上に楽しめた。個人的には、今年前半に取り組んだ卒論の内容とかぶる部分もあり、いいおさらいになったということもあるが、そうでなくても誰にでも親しめるよう、まず説明がいい。屏風や浮世絵な
どの絵の中の「見どころ」はもちろん、着物や工芸品のテクニックや文様なども、とてもわかりやすく説明されている。そして、展示品の数、種類の多さに加え、全体の構成のよさ。
いい日本の「もの」をたくさん見て、何かちょっとすてきなお正月の飾りなど、用意してみたくなった。

クリスマス・イヴの六本木。振り替え休日で連休ということもあって、昼間から大変な人出だったが、展覧会を見終えて出てきたときには身動きがとれないほどの人になっていた。

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24 dicembre 2007
by fumieve | 2007-12-24 23:56 | 日本事情
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