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ヴェネツィア ときどき イタリア

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ヴェネツィアは「虚脱状態」

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週末はほぼ1年中、観光客でいっぱいのヴェネツィアも、たいていこの時期、カーニヴァルの後、復活祭の前までは一段落という感じになる。週末は比較的落ち着く一方、だいたい3月に入るくらいから平日にどっと増えるのが、学校の遠足や修学旅行。これが、はっきり言って、生活しているものにとっては、なかなか頭が痛い。

観光客のみなさんは、団体であれ、個人であれ、たいていは好きで来てるし、好奇心や興味があるから、ふらふら、きょろきょろしていても、ある意味、だいたい行動が読める。その合い間をぬい、巨漢の下をくぐりぬけ、こちらはアメーバのように体を上下左右しながら、狭い路地で彼らを追い抜くのにもいいかげん慣れてきた。
が、学校の生徒さんたちはほんとうに困る。だいたい、人数が多い。
知り合いは、「昔は、せいぜい高校生だけだったからよかったけど、今はオムツのとれないのまで来るからね~」と嘆いていたが、言わせてもらえば、小さいお子さん、幼稚園や小学校の低学年のクラスのほうがずっとまし。彼らはたいてい、2人ずつ手をつないで、きっちり2列になって歩くよう「命令」されていて、ちょっとでも列を乱すとすぐに先生やら、つきそいの親たちに注意される。立ち止まって説明をきくにも、どこかに座って「課題」の絵を描くにも、その年代はまだみんな一生懸命だから、見ていても微笑ましい。
それが中学、高校ともなるともうお手上げ。立ち止まっても、歩いていても、見学よりも自分たちのおしゃべりに夢中だからダンゴのように固まり、ずるずる・だらだら、それがほかの人の迷惑になっていることにはもちろん気がつかない。歩きたばこの子も混じっていたりするから、すれ違ったり追い越したりするのも、要注意。

「今どきの若者は・・・」と嘆くだけでは済まない場面に出会うこともある。
先日、駅の近くで、ちょうどクラス全員で集合写真を撮っている場面に出くわした。これから帰るところなのだろう、みんなで写真を撮ろうというのだから、楽しく過ごしたのだろう・・・と見守っていたら、写真を撮り終わった後、横に20人くらい並んで肩をくんだり手をつないだりしたその格好のまま、なんとそのまま「花一もんめ」(古い?)のような遊びをしながら、駅に向かって歩き始めた・・・。横20人一度に並べるのは、ヴェネツィアではかなり広い路地と言っていい。その道を完全にふさいで、夕方の人通りの多い駅近辺で花一もんめ・・・。そしてそれを笑って見守る先生・・・。

「あああーーーもうっ!!!!!」と叫びたくなったのは私だけではなかったらしい。先週、ヴェネツィア市長は、教育大臣に提案要請を出した。ここからが、いかにもイタリア。
「ジータ・スコラスティカ」(gita scolastica)、厳密にいうと、修学旅行という概念はないから、つまり、日帰りであれ、宿泊つきであれ、学校またはクラス単位の遠足、旅行、社会見学のこと。なんと、これをずらすよう何とかせよ、という要請。
観光都市ヴェネツィアは、財政上での特別措置を以前から要求してのは知られているが、そんなことまで国に要請するのか・・・とビックリ。が、そこは何でも主張したもん勝ちのイタリア。ひょっとしたらうまくいくかもしれないし、だいたい、言ってみなければわからない。しかも、著作も多く、文化人として全国区で有名な現市長がそんな提案をすれば、すぐにマスコミに取り上げられる。ダメでもともと、それでも、少しでも理解を示し、協調してくれる人・団体があれば・・・というのが本音かもしれない。
本日の新聞によると、教育相の回答は、まだ公式でないものの次の通り。
「それは市が解決すべき問題であり」(まあ、それはそうかもしれない)「教育省には、学校単位の旅行に関して一切何の権限・責任もない」。(そうでしょうともーーー!!!)
そして、「我が国の子供たちは、教育を受け、知識を得る権利があるし」(もちろん)「ヴェネツィアのような美術都市は、中でも欠かせない。」(そうでしょうとも。)
「でも、受け入れはあくまでも市の責任。」

なるほど。では、せめて個々のお行儀、もう少し何とかならないものでしょうか?あ、もちろん、それだって教育相のご担当ではありませんよね?

17 marzo 2008
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by fumieve | 2008-03-18 05:12 | ヴェネツィア
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