ローマ、サンタ・チェチリア音楽院
Concerto finale della Masterclass di contrabbasso del Maestro Thierry Barbè
Conservatorio di Musica “S.Cecilia”, Sala dei Madaglioni
Mozart: Concerto in la magg. per c.basso e piano. (I mov)
Bottesini: Elegia per c.basso e piano
Bottesini: Nel cor più non mi sento. per c.basso e piano
Gliere: 4 pezzi. oer c.basso e piano
Lancen: Concerto per c.basso e piano (I mov)
Barbè: Nior, Nicar, Occimental per c.basso e piano
所用のためにローマに来たところ、ここの音楽院でコントラバスの演奏会があるからこないか、というお世話になっている友人のその友人のお誘い。コントラバスの演奏とは珍しい!と喜んでお誘いに乗ることにした。
ローマの音楽院に入るのだってこちらは初めてなので興味津々。なんとあのスペイン広場からすぐ近く、週末で観光客のごったがえすコルソ通りから1つ入ったところに、何気なくある建物の1つだった。中はさすがに大きくて、きれい。階段が広くて曲がっていない、とか、廊下がまっすぐ・・・とか、ヴェネツィアの音楽院に何度か潜入したことのある身からするとさすがローマという感じ。芝生の青々とした中庭には椰子の木がすくっと1本。
プログラムを見て、友人と作曲家の名前もモーツァルトしか知らないね~と言っていたのだが、ボッテジーニというのはまさにコントラバスの作曲家なのだそう。確かに、モーツァルトはやはり最初に持ってきただけあって、モーツァルトらしい、きれいで美しい曲だがまあ想像できる範囲というか、あまりびっくりするものではなかった。
その後からが、ほんとうに驚嘆の連続。オーケストラならボン、ボン、と最も地味に一番下の音階を、ジャズでもせいぜい階段を上り下りしているくらいの動きを(多少ソロがあったりするが)、あくまでも「ベース」の役割のコントラバスが、実はここまでの表現力を備えていたとは。美しい旋律から軽快なリズム、それもまさに大は小を兼ねる・・・なのだと思ったのは、その音程の広さ。本来のベースの部分はもちろん、あるときはチェロ、あるときはヴィオラ、ヴァイオリンまではわずかに届いていないようだが、自由自在な音程をその大きな体で深い響きにして聴かせる・・・。楽器が大きい分、細かい動きを弾きこなすのはそれだけ難しくなるそうだが、弦楽器の魅力をたっぷり詰め込んだコントラバス、これからちょっと気になってしまいそう・・・。
本日の演奏会は、ここで行われていたコントラバスのマスター・クラスの最終日で、そのマエストロ、Thierry Barbè氏によるもの。もちろん知らないと来られないが、来るもの拒まずというか、パリ・オペラ座のソリストで、パリ高等音楽院教授という方の演奏が一般に無料で公開されているのはすばらしい。
友人と、その友人と、そのご主人に感謝!!!
26 aprile 2008