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ヴェネツィア ときどき イタリア

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ヴェネツィア映画祭・3 コンペの迷走

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The burning Plain(米、110’)コンペ参加作品
監督 Guillermo Arriaga
出演 Charlize Theron, Kim Basinger, Joaquim de Almeida

映画、特にアメリカの映画をもともとたくさん見る方ではないので、あまり断定的なことは言えないが、アメリカの映画というと、NYなどの大都会を舞台にした男女もの、あるいは、見渡す限りの畑または砂漠、その中に生きる家族をテーマにしたもの、ジャンルに関わらず、背景はこの2種類に大きく分類できるような気がする。
この映画は、その後者にあたる。
どこでどう「運命の出会い」をしてしまったのか、不倫の関係にある男女と、それぞれの家族。2家族の話、「その後」の話が、時間軸をバラバラにして、ジグゾーパズルのように提示される。そのほかに、メキシコの父子の話、そして、全体から少し浮いているのは、高級レストランを経営しているらしき、美しい女性。
3つの、時と場所と人の違う物語が並行して語られ、そのつながりがなかなか見えない。
が、ストーリーのカギとなる、悲惨な事件や事故にかかわらず、すべてがつながったところでああそうか、と納得できる。ドキドキ感と、全体のバランスのよさが、いかにも映画らしい映画だが、言いかえればどこにでもありそうな映画。

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Inju, la bête dans l’ombre(陰獣)(仏、105’)コンペ参加作品
監督 Barbet Schroeder
出演 Benoît Magimel, Minamoto Lika, Shun Sugata, Maurice Bénichou, Ryo Ishibashi

自著の翻訳出版の記念に日本へやってきたフランス人推理小説作家。謎の推理小説家に迫ろうとしたところ、逆にその毒矢にかかる。
江戸川乱歩「陰獣」を題材にした作品。
確かに、細かいところに目をつぶれば、日本的な風景はそれなりに美しい。
が、なんというのだろう・・・あまりの荒唐無稽ぶりに、まったくついていけない。いや、映画だから、お話だから、なんだったって多かれ少なかれ荒唐無稽なのだが(たとえば上記、The burning plainにしたって)、それにしてもちょっとあんまり。ミステリー仕立てのはずなのだが、あまりにも奇妙な展開に笑ってしまったり。
出会う日本人のほとんどが、フランス語を流暢に話すところは、最大見逃すことにして、(少女マンガではよくあること)、それにしても途中、見ていていたたまれない気分にさえさせられる。
日本趣味、ゲイシャ趣味(プラス、エロ嗜好)はわかった、が、それ以外いったい何が残るのか・・・?申し訳ないけど、これは好きになれなかった。

公式上映前、レッド・カーペットの上に現れた、仏在住のモデルで女優という源利華さんに、「キレイね~」の声がしきりにあがっていたのが(同じ日本人としてせめてもの)救いか・・・。
一方、スーツ姿をびしっと決めて現れた石橋稜さんは、映画の中の役とはうって変って、にこやかにエレガントに、サインの求めに応じていた。

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29 agosto 2008
by fumieve | 2008-08-30 08:03 | 映画
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