Dangkou (Plastic City)(ブラジル、中国、香港、日本、118’) コンペ参加作品
監督 Nelson Yu Lik-wai
出演 オダギリジョー、Anthony Wong, Huang Yi, Jeff Chen
今年のヴェネツィア映画祭は、日本の作品が3本、コンペに入ったのも快挙なのだが、その3本以外にも日本の俳優さんが出演しているのが特徴で、昨日の「陰獣」に続き、香港の監督によるこの作品にも、オダギリジョーさんが出演している。
・・・が、オダギリさんは次の作品を撮影中とかで、ヴェネツィア入りせず・・・。ヴェネツィアには縁があるのか、よっぽど相性がいいのか、
昨年、
一昨年に続き3回目だったのにちょっと残念。
肝心の映画は、というと、香港マフィア・ギャング映画を、そのままブラジルのサンパオロに移した、といったところ。国籍やグループ別の対立や裏切り、政治家の腐敗。オーソドックスなテーマに、中国人による組織的偽ブランド品づくり、という現代的な要素が加わる。
そして親子間の葛藤。
都市の暗黒部、というのは似たようなものなのかもしれない。実はわざわざブラジルで撮影した割には、香港と言われえばそう思えてしまいそうだ。しいていえば、ポルトガル語、中国語が人によって、あるいはちゃんぽんで使われているから、その点が「国際的」な内容であることを思い出させてくれるぐらい。ただそれが、元々かなりごちゃごちゃな映画を、さらに難解にしているともいえる。
後半はだんだんと超現実的になっていき、最後は煙に巻かれてしまう・・・。
ここ数年は、中国の監督が金獅子賞を続けてとっていることからもわかるように、中国語圏の映画の数がとても多かったのだが、今回、中国からのコンペ参加作品はこれだけ、というちょっとさびしいくらいになった。
Un giorno perfetto(完璧な1日)(伊、95’) コンペ参加作品
監督 Ferzan Ozpetek
出演 Valerio Mastandrea, Isabella Ferrari, Stefania Sandrelli, Nicole Grimaudo
この映画は、元・夫によるストーカーまがいの行為から始まる。よりを戻したい夫と、二度とごめんだという妻。夫の側からすれば、報われない愛情、妻から見たら完全な暴力。それがやがて、とんでもない悲劇を引き起こすことになる。
ローマ市内のびっくりするような豪邸に住む、「大人」たちの恋愛の愛憎のどろどろ、例によっていつものごとく、イタリアのTV用メロドラマかと思ったら全然違った。あまりにも苦い結末に、言葉を失うばかり。
イタリアで暮らして、ニュースを見ていると、金目当ての強盗殺人は外国人による犯行が多いのだが、イタリア人同士では、(元)夫婦や恋人間の愛憎劇の果て、みたいな殺人・暴力事件が非常に多いような気がする。この映画はまさにそんなイタリア現代社会をそのまま映したものと言えよう。同名のベストセラーの映画化。
人間というこの恐ろしい生物に、救いはあるのだろうか?
30 agosto 2008