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ヴェネツィア ときどき イタリア

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ヴェネツィア映画祭・13   金銀の獅子たち

第65回 ヴェネツィア国際映画祭、最高映画賞に値する金獅子賞は、Darren Arnofsky監督のThe Wrestlerに決まった。

各賞、受賞後の会見で印象に残ったことばを少しずつ紹介したい。

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Leon d’oro(金獅子賞、最高映画賞):
The Wrestler(Darren Aronofsky監督)(米)



(主演のMickey Rourke、レッド・カーペットに抱いて現れた犬について聞かれて)
あれはもう16歳で、犬としてはかなりの年だからもう先は長くない。(Aronofsky監督が横から「先日17歳になったところで、しかも手術をしたばかり」と注釈)だから、できるだけ多くの時間を彼女と一緒に過ごしていたいから。


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Leon d’argento(銀獅子賞、最高監督賞):
Bumažhny Soldat (Paper Soldier) のAleksey German Jr. 監督(ロシア)


(審査委員長のヴェンダースに、ロケット発射の場面はどう撮ったのか?と聞かれて)
不思議なことに、我々がああいうシーンをとると、こういう質問がある。我々だってコンピューターは持っているのに。


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Premio Speciale della Giuria(審査員特別賞):
Teza(Haile Gerima監督)(エチオピア、ドイツ、フランス)


映画の中で、「イタリア(からの独立)戦争」を用いたのは、決して否定的な意味でではない。が、自分にとってはこれは忘れることのできない事実だ。なぜなら、私の父が第二次世界大戦を戦っているから。
(この写真のみ、映画祭公式HPより引用)



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Coppa Volpi(ヴォルピ杯、最高男優賞):
Silvio Orlando, il Papà di Giovanna(Pupi Avati監督)(イタリア)


(カンヌに続く快挙で、イタリア映画界の黄金年かと聞かれ)
イタリア映画界で30年やってきたが、悪い時代を乗り越えてようやく結果が出始めたという気がする。特に、このAvati監督をはじめ、新世代の活躍が目覚ましくなってきたのは重要なことだ。



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Coppa Volpi(ヴォルピ杯、最高女優賞):
Dominique Blanc, L’autre(Patrick Maril Bernard, Pierre Trividic監督)(フランス)

(自分の頭をかなづちで殴るシーン、ヴェンダース審査委員長に、あれはほんとのかなづち?と聞かれて)
Yes, of cource! (もちろん!)あの日は朝から8時間、ずっとあれで頭を殴り続けていたわ。家に帰って、母に「今日はどんな仕事をしたの?」と聞かれ、「1日中、かなづちで頭を殴っていたの」と言ったら「大変な仕事ねえ~・・・」と。


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Premio Marcello Maestroianni(マルチェッロ・マエストロヤンニ賞、最高新人賞):
Jennifer Lawrence, The Burning Plain(Guillermo Arriaga監督)(米)



もっとも嬉しい18歳の誕生日プレゼントになった。これが将来へ幸運を運ぶ鍵となるよう、また次の機会があるよう、祈っています。


Osella(オゼッラ賞、最高技術賞):
Bumažhny Soldat (Paper Soldier) のAlisher Khamidhodjaev, Maim Drozdov


Osella(オゼッラ賞、最高脚本賞):
TezaのHaile Gerima(監督兼任)

そのほかに、
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Leon Speciale (特別獅子賞)として、40年来進め続けてきた、粘り強く革新的な仕事全般をたたえて、Werner Schroeter監督に。


また、65回を記念して、
Premio Luigi de Laurentiis(ルイージ・ラウレンティス賞、初作品賞)として、別途Abdellatif Kechicheを審査員長とする審査委員により、
Gianni di Gregorio監督のPranzo di Ferragosto(8月15日の昼食)(コンペ外)が選ばれた。

11日間にわたった映画祭、今年もこうして無事に終了した。

6 settembre 2008
by fumieve | 2008-09-07 15:21 | 映画
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