毎年、第一日曜日に行われるこのお祭りは、たいてい映画祭と重なるため、ここ数年はまともに見学できたことがなかった。今年はカレンダーの関係で映画祭が一足早く終了。
来年から、映画祭もレガッタも日程を変更するという話も出ており、いずれにしてもまたどうなるかわからないから、今年はしっかり見なくては!と、はりきって出かけた。
「歴史的レガッタ」(Ragata storica)と名のついたお祭り、実は大きく2つの部分に分けられる。前半が、歴史行列(Corteo Storico)、昔ながらの舟に、昔の衣装をつけた人々が乗って、サン・マルコ湾からカナル・グランデ(Canal Grande、大運河)を水上行列をするというもの。後半はいわゆるレガッタ、カナル・グランデを漕ぐのは一緒だが、こちらは部門別の真剣勝負。
15世紀末、ヴェネツィア共和国の養女としてキプロス王と結婚したのち、そのキプロス領をヴェネツィアに寄付した、カテリーナ・コルナーロ。この歴史行列は、もともと1489年に行われた、彼女の帰還歓迎行列に由来するという。
そのためなのだろうか。ドージェ(Doge, 総督)は、Serenissima(セレニッシマ、静謐なる、の意で、ヴェネツィア共和国の別称)と呼ばれる赤い舟には乗らず、その後ろのふつうのゴンドラに夫人とともに乗っている。
その後ろに続く貴族さまたちも同様。
そして、そのあとにさまざまな豪華な舟たち、変わった舟たちが続く。
今年に限っての例外は、地元のオリンピック・メダリストたちが、紹介されたこと。つまり、一種の凱旋パレードなのだろう。
オールを上げるのは、敬礼のしるし。
目で見ていると、ゆったりのんびり進んでいるように見える舟だが、思っているより速いスピードで進んでいて、写真を撮るのが案外難しい。それでも、ほとんどピンボケ、とわかっていながら、ついつい撮り続けてしまう・・・。
(レガッタ編に続く)
7 settembre 2008