ブログトップ

ヴェネツィア ときどき イタリア

fumiemve.exblog.jp

新名所なるか? カナル・グランデに「憲法橋」開通

a0091348_17102599.jpg


そろそろ、と言われていた。昨年夏に設置工事の始まった、カナル・グランデにかかる4番目の橋、鉄道駅(Venezia Santa Lucia)と、バス・ターミナルになっているローマ広場(Piazzale Roma)を直線で結ぶ。
(昨年の設置工事の様子は、2007年7月28日29日30日、および8月8日12日の当ブログ参照。)
これまでは、設計したスペイン人建築家の名をとって、カラトラヴァ橋と呼ばれていたが、正式名称も数日前に発表された。その名も「憲法橋」(Ponte della Costituzione)。現在のイタリア共和国憲法の制定から、今年が60周年記念にあたるため。
日本の新しい建物の、たいていはカタカナの不思議な名前には違和感を感じるが、これもまた、ずいぶんカタすぎないだろうか・・・?

最初は同年のクリスマス前開通?なんて言われていたが、そんなに早くできるはずはやっぱりなかった。
いよいよここへきて、当初は、来週9月18日に、ヴェネツィアにイタリア大統領が来ることになっているため、その日に開通式を行おう、という話になっていた。
ところが、橋が車いす対応になっていないために、障害者やその支援者たちから抗議の声が挙がっており「祝祭を行うなら、抗議活動を行う」と宣戦布告が。また、コストが莫大にオーバーしたことなどから、野党を中心にデモ活動などが想定されたため、ヴェネツィア市は、一切の祝祭を行わない、ひいては、開通日も事前に発表しない、という奇策に出た。
今日、12日(金)と予測されていたのは事実。ところが、それを待たずに昨夜、11日23:44、市長と担当評議員ほか、点検のふりをして橋を渡り、そのままハイ!っとオープンしたらしい。まさに夜襲というのかなんというのか・・・。
今朝の新聞の、地方面には出ていたということは、彼らはなんとかそれをつかんだのだろう。

私は朝から仕事で出かけていたので、帰ってきた午後4時ごろ、渡ってみようと思ったらあいにくの雨。・・・なんとも幸先のいいスタート。
橋の姿そのものは、もう1年も前からそこにあったこともあり、すでにあまり違和感を感じない。それどころか、橋を上り始めるところは、まったく「新しい建築物」を感じさせない。

a0091348_1712466.jpg
足もとの石と縁の大理石の組み合わせが、ほかのヴェネツィアの大小の橋と一緒だからだろう。
途中からガラスと合金に変わる。











a0091348_17125461.jpg


それにしても、そもそも全面階段になっているのはちょっと意外。車いすはもちろん、大きなスーツケースやショッピング・カート、ベビーカーにとって、ヴェネツィアで何が大変かって、いくつもの橋の階段なのに。21世紀になって新しく作る橋に、半面とは言わないが、左右どちらかに1m弱の幅でスロープが、もうてっきりついているものだと、私はなぜか思いこんでいた。車椅子に関する抗議は、その幅が実用的でないとか、勾配が急すぎて1人では上がれないとか、何かもう少し細かい、つまりほんとうに使う人でないとわからない問題が露呈してしまったのかと思っていた。
そう思っているそばから、大きな荷物をひきずった人たちが、仕方なしにガンガンとそのまま階段をひきずり歩いている。・・・ほかの橋同様、あっという間に縁石が痛みそうだ。いや、ほかの橋よりも段差がうんと低い分、もっと簡単にみんなガタガタ無理やり引いていくに違いない。
そしてその低い階段が、ところどころフェイントになる。見慣れぬ景色にみとれて、ぼやぼや歩いていると何度もつんのめってしまう。そう思っている横を、白い杖の人がおそるおそる通りがかる。目が見えていても騙されるこの不規則なリズムは、彼らにとってまたずいぶんやっかいなのではないか?
真ん中の部分は、ゆるーくまるーく、段差なしで弧を描いている。慣れないせいもあるが、ガラスのスロープは雨に濡れて滑りそうで怖い。(実際は、私が渡り始めてすぐに、真後ろでスッテンコロリンした人がいた。)

a0091348_17353058.jpg


美しい、とは思う。そして、ゆるい階段は確かに、たとえば駅前のスカルツィ橋と違って、上り降りに疲れない。
だが、なんとなく、この中途半端感はなんだろう?

私のように、とりあえず「渡ってみに」きた人もたくさんいる。が、ローマ広場にバスがつくたびに、たくさんの人が橋を渡ってくる。付近の人の流れを変えたことは確かだろう。

「早急に」車いす用のレールが取り付けられることになっている。だが、ベビーカーのママや、ショッピング・カートの老人は?
もうできてしまったものは仕方がない。だが、建築はアートであってほしいが、アートだけであっては困る、と思う。

(写真ここまでは、駅→ローマ広場。ここから下は、ローマ広場→駅)

a0091348_17361972.jpg


a0091348_17363939.jpg


a0091348_17222956.jpg


a0091348_1722532.jpg


a0091348_17205231.jpg


a0091348_17185395.jpg


a0091348_171913100.jpg


雨がやんだので、もう一度、駅→ローマ広場

a0091348_1727752.jpg


a0091348_17273293.jpg


a0091348_1727547.jpg


12 settembre 2008
[PR]
by fumieve | 2008-09-13 08:08 | ヴェネツィア
<< 金獅子はポーランド 第11回 ... シンポジウム「源氏 光輝く天子... >>