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ヴェネツィア ときどき イタリア

fumiemve.exblog.jp

世にも珍しいできごと


月に半分ほど、超・長距離通勤で仕事をしていることは、前にも書いたと思う。
今朝、そうして電車に乗って、半分と少しまで来たところで、それまで順調だった電車がばったりと止まってしまった。5分・・・くらいはまあよくあること・・・10分・・・うーん、今まで行きに大幅に遅れたことはほとんどないのに・・・(1回は1時間以上遅れた)。ところがなんと、この先で人身事故があり、運行再開の見通しは不明、と。・・・あああ・・・。
どうにもならないと思いつつ、一度電車から降りて情報を集めに行くも、もちろんそれ以上は何も。しかも、ヴェネツィアの家を出たときにはそれほど寒くなかったのに、なぜか小雨がぱらついていて、寒い。しばらくうろうろしつつ、仕方がないから車内で待とうか・・・と、一旦お手洗いだけ行って出てくると、なんと次のターミナル駅までの代行バスを手配していて、1人4ユーロ、50名まで乗れる、という。
びっくりしたのは、そんなことはハナからあてにできない国鉄の手配ではなく、一個人がマイクロバス会社に交渉して呼んでいた、ということ。しかも、50番までの即席整理券を配っているうちに、バスがやってきた。電車が当面動かない、とわかってから、30分強。
その場を見て、50名なら集まるだろうという判断と機転に、ただただ感心してしまった。たまたま、すぐに動けるマイクロバスとその運転手がいたのもラッキーだったと思う。が、こんなの、イタリア生活8年で初めて。ふつうなら、みんな口ぐちに電車の遅れをなげき、ぶーたれ、ケータイで大声で遅刻の言い訳をし・・・結局、そのままなのだ、ほんとに。そして、大声で文句をまくしたてていたかと思うと、急に、「あ!家族が迎えにきたから」と、1人、2人、車で去っていってしまう。
日本なら、状況を見て、JRが代行バスなどを用意するのかもしれない。
今日の人たちは、そのどちらでもなかった。バスに乗ってから、まず、誰かがマイクで、「発案者に盛大な拍手を!」というともちろん大拍手。それから1人1人集金。「なんだか、遠足みたいね」なんて声も上がっていたが、結局みんなともかく根っこは真剣。「我々は仕事に行かなければいけないんだから」と。え!?・・・ここはほんとにイタリア???
この行動力こそが、イタリアNord-Est(ノルド・エスト=北東部)の産業・経済を発展させて原動力なんだろうか・・・と、ちょっと大げさなことを、ぼんやりながら考えてしまった。

バスの到着した駅から、さらに先に行かねばならなかった私は、結局そこで電車が復旧するのを待つはめになってしまったのだが・・・。

帰りも大幅にダイヤが乱れているのだろうか?と心配したが、幸いなことに、ほぼ時間どおりにやってきた。
ところが、しばらく乗って、うつらうつら・・・しかけたところで、電車が突然ガタガタガタ・・・キュ!っと言って止まってしまった。駅と駅の間の、畑のまっただ中。金曜日の午後、特に下宿先から自宅に帰る大学生たちでいっぱいの車内に、ふと、「!」という空気が流れた。
・・・ひょっとして、これは・・・今朝、事故のあったあたり・・・???。
乗ったときには晴れていて暑いくらいだったのに、外を見ると、また雨がパラついている。それも、日が照ったままの不思議なお天気雨。
放送も何もないまま、5分ほど止まって、再び動きだしたときには、雨もやんでいた。

ヴェネツィアには定刻通り到着した。

3 ottobre 2008
by fumieve | 2008-10-04 08:27 | 日常生活
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