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ヴェネツィア ときどき イタリア

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「ブルーノ・ムナーリ」展、ローマ

「ブルーノ・ムナーリ」展、ローマ_a0091348_1092967.jpg


アラパキス博物館
2009年2月22日まで

Bruno Munari
Museo dell’Ara Pacis
9 ottbre – 22 febbraio 2009
www.arapacis.it/mostre_ed_eventi/mostre/bruno_munari

昨年、ヴァレンティノのすばらしい展覧会があった、ローマのアラパキス博物館(イタリア語ではアラパチス)で、ブルーノ・ムナーリの展覧会が開かれていると聞いて、ぜひ行きたいと思っていた。

「ブルーノ・ムナーリ」展、ローマ_a0091348_10112813.jpg

ムナーリって誰?・・・とあらためて聞かれると、実は答えが非常に難しい。
「役に立たない機械」を真剣に作り上げた、ちょっと変わったアーチストであり、今でも断然有効な、イタリアン・モダン・デザインの草分け的存在であり、日本の文化にも造詣の深い人であり・・・。そしてまた、言葉にたよらない、ジェスチャーも含めた、主に視覚的な人間の意識的・無意識的なコミュニケーションについて、理論的な体系づけを試みた人でもある。

博物館のサイトには「ミラノ出身のマルチ・アーチスト(彫刻家、イラストレーター、グラフィックデザイナー、デザイナー、かつ児童教育への情熱を持ち合わせる)」とあって、なるほど、と思った。結局のところ、ムナーリはムナーリであって、ほかのどんな言葉でも、とても一言では言い表せない。

昨年2007年が生誕100周年だったこともあって、日本でもイタリアでも、企画展が続いている。が、「ムナーリの展覧会は1つとして同じものにならない」と今回の導入にも明言されていた通り、確かに、私が続けて見た、日本、イタリア、どちらの企画展ともまた違った作品が展示され、違った視点からのムナーリ展であった。

「ブルーノ・ムナーリ」展、ローマ_a0091348_10134367.jpg


非常にイタリア人的な人であり、同時にまた、すごく一般イタリア人から遠い人だと思っていた。だが、天才的なひらめきや、アイディアの独創性が非常にイタリア人的であるなら、一方でこの、一見不要なこと、無駄なことに対するこだわりや執着、しつこさもまたイタリア人的ではないか?
遊びと合理性。矛盾するようでいて、一方があってこそ、もう一方が生きる。そのバランスがずば抜けてよかった人、それがブルーノ・ムナーリと言う人に違いない。
見るたびに何かと新しい発見をさせてくれる、やっぱりムナーリの展覧会は見逃せない。

「ブルーノ・ムナーリ」展、ローマ_a0091348_10125726.jpg


16 novembre 2008
by fumieve | 2008-11-17 10:08 | 見る・観る
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