ブログトップ

ヴェネツィア ときどき イタリア

fumiemve.exblog.jp

ヴェネツィアにコカ・コーラ上陸?

a0091348_0314376.jpg


今週に入って、「ヴェネツィアとコカ・コーラ」が話題になっている。
というのも、ヴェネツィア市は、およそ5,000,000ユーロと引き換えに、米コカ・コーラ社に市内42カ所に同社の自動販売機の設置を許可する、と発表したため。
日本では全国隅々当たり前の清涼飲料水の自動販売機、イタリアではほとんど普及していない、といっていい。観光地などで、各社の自販機がずらりと並んだ様子は、キッチュな日本的な典型的な姿として、しばしば日本を紹介する記事などに写真がついていたりするくらい。
最近になって、駅や、あるいは学校や図書館などの公共施設内などにようやく、ミネラル・ウォーターやスナック、軽食類の自販機が置かれるようになったが、まだまだ少数派。それも、盗難防止のためだろうか、ものすごくごっつい、かなり大げさなものがほとんど。

この発表が全国レベルでニュースになったのは、1つは景観を乱す恐れがあるため、そしてもう1つは、既存の小売店舗の競合問題。なにしろコンビニの存在しない国、営業時間等、きびしい規制がいっぱいの店舗にとって、24時間対応の自販機はメイワクそのもの。

世界の観光都市ヴェネツィアが、非難轟々を承知の上で、あえてその壁を超える決断をしたのは、とにもかくにも資金確保。文化的・歴史的遺産を多く抱え、それも補修や修復の緊急を要する案件がてんこもりのヴェネツィアは、市だけでは到底その費用をまかないきれず、国はもうとっくにあてにできない。ならば、私立企業の「スポンサー」を募るしかないではないか、というのがその言い分で、実はすでに、大手企業によるスポンサーシップは数年前から始まっている。サン・マルコ広場にあるパラッツォ・ドゥカーレやマルチャーナ図書館をはじめ、カナル・グランデに面したいくつもの歴史的建造物に、巨大な広告が出ているのがそれで、企業は、修復工事の費用提供と引き換えに、その広告を出している。これまでも、新しい広告が張り出されるたびに、いちいち、議論になってきた。

a0091348_034381.jpg


確かに、景観をおおいに乱しているのは事実。広告の内容は、良識の範囲にまかせる、程度の無言の圧力はあるのだろうが、出すほうだって私企業だし、お金を出すからにはそれなりの効果を狙うのが当然だと思う。では、それを拒否して、文化遺産が資金不足のために朽ち果てていくのを指をくわえて眺めているべきなのか?いや、だまって対岸で朽ち果てていくだけならまだいいかもしれないが、実際は、しばしば突然上から石が落ちてきて、観光客が怪我をしたりしていることも忘れてはならない。

「身売り」だと主張する反対派も、といって有効な代替案があるわけではない。もっとも、今回は広告という「見た目」だけでなくて、既存の小売業者を圧迫する(可能性がある)というところが問題になっているのだが。

実のところ、私はコーラ類全般、全く好きでないのでとりあえず個人的には自販機ができたところであんまり関係がない。どっちにしても、イタリアでは基本的に機械はあんまり信用していない。よほどせっぱ詰まらない限り、無人のところで自販機にお金を入れたりするのはなるべく避けたいというのが本音。

さて、果たしてどうなることやら・・・。

a0091348_0352661.jpg


27 febbraio 2009
[PR]
by fumieve | 2009-02-28 08:26 | ヴェネツィア
<< アンティーク風名刺を手に入れる... 和辻哲郎「イタリア古寺巡礼」 >>