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ヴェネツィア ときどき イタリア

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拝啓 イタリア国鉄さま


いつもお世話になっております。
本日はいつもに増して、みなさまのすばらしい仕事ぶりおよび協力体制を垣間見せていただき、ぜひとも感謝の言葉をお伝えすべく、こうして筆をとった次第です。

まず、今朝3月30日(月)、6:40にペルージャ駅からフィレンツェに向かって急行(ICP)に乗るつもりだった私に、あなたがたは、列車到着前からさっそく「5分遅れ」と、今から思えば今日一日の事態を十分予測できる情報を正確に与えてくださいましたね。
そうして、実際は10分ほど遅れて出発した電車は、まだペルージャの郊外に出たばかりのところでガックリと止まり、「路線上に問題があり、いつ発車できるかわかりません」と明確な情報をアナウンスしていただきました。
この時点で既に、すべてをあきらめかかった私を励ましたのは、再び動きだしたときのアナウンス、「20分遅れですが、走行中にできるだけ取り戻します」という前向きなお言葉でした。
ところが、列車はそのあとも不定期に止まったり、徐行したり。フィレンツェの駅で20分の待ち合わせでヴェネツィア行きの特急に乗るはずだった私はかなり焦りました。途中、検察に来た車掌さんAに、大丈夫かと尋ねると、彼はおそらく、自分の列車のみに意識を集中しているのでしょう、乗り継ぎがあることを全く知らなかったばかりか「今、がんばって走っているから・・・」と、大丈夫とも大丈夫でないとも明言を避けられました。彼の仕事の正確性を見る思いでした。

ようやくフィレンツェが近づいてきます。みなを必要以上に怒らせないためでしょう、ここへきて全くアナウンスはありません。ヴェネツィア行き特急のフィレンツェ中央駅発車は8:37。すでに8:30を回って、どきどき感は増し、また、同じ特急に乗る他の乗客たちとのニワカ連帯感が生まれます。あかの他人であるはずの人々と、親しく会話ができたのも、すべてこの列車の遅れのおかげです。
8:40、ゆるゆると一段と慎重にホームに入ります。そういえば、特急などに乗っていると、ときどき「待ち合わせの電車が遅れているため」といって発車が遅れることがよくあります。このくらいの差なら、きっと待っていてくれることを確信しました。いざ、ホームに入ると、ちゃんと隣に特急の車両が止まっているではありませんか!!!

同士たちと、急行から駆け降り、特急に乗り換えようと近寄った途端・・・まさに私たちの鼻先をかすめて、ヴェネツィア行きの特急は旅立っていきました。そうです、その特急もすでに発車時刻を過ぎていたのですから、これ以上遅らせるわけにはいかなかったのでしょう。

責任ある行動に感心しつつ、ついつい大声で、そこに立っていた「特急乗客担当係」の駅員Bに苦情を申し立てたところ、「それは、もとの列車の車掌に言っておかないと」と、もちろんこちらはちゃんと言っておいたことを、改めて思い出させてくれました。
Bさんは、われわれの苦情に落ち着いて首をふるばかり。そして「次のヴェネツィア行きは10:37。」と親切にも教えてくれました。が、残念ながら、早朝に起きてこの急行に乗ってきたのは、私のみならず、みんな、急いでいる人ばかり。2時間も待っていられません。
するとBさんは苦笑いのまま「今、乗ってきた急行(ミラノ行き)でボローニャまで行き、そこで鈍行に乗り換えたら・・・」。この、言葉尻の「・・・」が、あとから思うと、またその後のすべてを暗示していたようです。ここに気がつかなかった私が愚かでした。

一向にフィレンツェから発車しそうにない急行、別の車掌さんCに尋ねると、「もうしばらくしたら出ます。ボローニャからヴェネツィアは『たくさん』電車があるから大丈夫、正午くらいには着けますよ」。調べもせずに自信を持っての前向きな回答に、これまたずいぶんと励まされました。
結局、フィレンツェを出たのは30分以上遅れていたようです。さらに、相変わらず、まるでしゃっくりのように変なところでガクガク止まります。フィレンツェからボローニャは通常、急行なら約1時間ほど。ようやく、あと10分でボローニャに着くだろうか、という小さな駅で再び止まります。車内のイライラ・ムードも最高潮に達していたところに入ったアナウンスは、「機関士の到着を待つため、しばらく止まります」。
???・・・列車の故障???それならもう、いつ発車するかわからない・・・今度こそあきらめの境地です。でも、故障ならどうにもなりません。

同じコンパートメントにいたシニョーラが、確認に行きました。そしてわかったのは、これまでの遅れのため、運転士の労働時間が終了したこと、したがって交代要員を待たねばならない、ということ。
そうでした、イタリア国鉄は、労働者の権利を最大限に守る、すばらしい会社であることを改めて思い出しました。

15分ほど止まったでしょうか。ボローニャに到着したころには、1時間近く遅れていました。ですがここでも、「フィレンツェを出てからボローニャまで1時間15分かかった」のだから、遅れは「15分」とする考え方を示されたのは、まさに目から鱗でした。
どんなときでも、できる限り自分に都合のいい解釈をしなくてはならない、という教訓が身にしみました。

ボローニャに着いてわかったのは、ヴェネツィアに向かうには、結局フィレンツェを「2時間後」に出た特急に乗るのが、よもやこの時点で一番早いということ。
自分のジタバタを深く反省し、今度こそおとなしくその特急に乗り、予定通り2時間遅れでヴェネツィアに到着しました。

そのままお客様窓口に直行します。特急・急行の指定券は30分以上遅れると「ボーナス」という名の一種の払い戻しがありますが、今日の私の場合、急行も特急も、それぞれは30分以上遅れていません。が、私としてはこのままではおさまりません。
いつもお世話になっているため既に顔なじみの苦情、もといお客様窓口では、ガチャガチャとコンピュータで何やら調べた結果、「この場合は『ボーナス』でなく普通の払い戻しにあたるので、この書類を書いて切符売り場の窓口へ行ってください」と親切に対応されました。
そうして切符売り場窓口へ行くと、「これは『ボーナス』だから、お客様窓口へ」。
忘れかかっていた、イタリア式「たらいまわし」の儀式も、ここで思い出させていただきました。ですが、窓口にしがみつかんばかりにして、大げさに嘆き、半べそ顔で粘った私は、あまり好ましい顧客だったとは思えません。再びそのまま10分くらい待たされ、結局、「払い戻し?または『ボーナス』?」と書き込みつつ、そこで受理してくれた駅員さんにはいくら感謝してもしきれないものがあります。
・・・あとは、その書類を受け取る部署で、いつもの通りきちんと処理をしてくれることを祈るばかりです。

今日の乗客の中には、電車の利用に懲りて、やはり車のほうがいい、とひょっとすると自動車を購入する人も出てくるでしょう。世界経済不況、とくに落ち込みの激しい自動車業界に、確実に前向きな影響を与えているに違いありません。残念ながらとても自家用車を持つ余裕のない私は、役に立てない悔しさでいっぱいです。

ちなみに私はこうして今日の午後の仕事に間に合わず、おかげさまで、今日1日のできごとをよく反芻しつつ、自宅でゆっくり休息できたことも追加でお知らせしておきたいと思います。
すっかり長くなってしまいました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
敬具

Fumie
30 marzo 2009
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by fumieve | 2009-03-31 23:30 | 日常生活
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