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ヴェネツィア ときどき イタリア

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マリア・ストゥアルダ、フェニーチェ劇場

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Maria Stuarda
Teatro La Fenice, Venezia

脚本 Giuseppe Bardari
作曲 Gaetano Donizetti
エリザベッタ Sonia Ganassi
マリア・ストゥアルダ Fiorenza Cedolins
ロベルト(レスター伯) José Bros
ジョルジョ・タルボー Mirco Palazzi
グリエルモ・セシル侯 Marco Caria
アンナ・ケネディ Pervin Chakar

指揮 Fabrizio Maria Carminati
監督・舞台・衣装・照明 Denis Krief

2日前に、チャールズ皇太子夫妻も楽しまれたという、英国王室ものオペラ。

閉店後の露店のように、布をかけてかくしてあったセットが現れたとたんに、正直がっかりした。太―い、壁というのか、仕切りと言うのかで舞台いっぱいに作られた、巨大迷路のようなセット。・・・はあー・・・。
それだけで、異様に目にうるさくて、・・・うーーーん、はっきり言って、好きじゃないなー、こういうの。
歴史的物語を扱ったオペラだからと言って、その時代の衣装や舞台にする必要はないし、抽象的なステージを作りたいのはわかる。だが、人が隠れるほどの太さの壁(?)を張り巡らせて、肝心の歌手をかえってうんと小さく見せるのはいかがなものか。
おまけに、19世紀末から20世紀初頭かと思われる、思いっきり地味な衣装・・・。仮にも宮廷の物語のはずが、巨大迷路が照明の色によっては事務用スチール家具のように見えることもあって、登場人物たちが一昔前の事務員さんみたいに見える。・・・もしくは、ラーメンのどんぶりの淵に遊ぶ小人・・・。

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・・・うーーーん・・・。
ドニゼッティの、初めて聴くオペラで楽しみにしていたのに、どうにもこうにも集中できない。見ていると目が回りそうなので、目をつむって聴いていたら、1幕後半、ついうとうとしてしまった。

気を引き締め直して第2幕。というのも、実は今日の主役、マリア・ストゥアルダ(英名メアリー・スチュアード)は、昨年、ここフェニーチェ劇場で、プッチーニの「つばめ」を好演したFiorenza Cedlins、聞き流すのはもったいない。
舞台全体はなるべく見ないように、マリアだけに視線を集中。こちらの体調(笑)のせいもあるかもしれないが、比較的コロラチューラが多く技巧的な1幕よりも、ことばを音にのせて聴かせる2幕のアリアのほうが、彼女もよりのびのびと美しい声を出していた。
あともう少し、もう少しこのまま聴いていたい・・・との思いもむなしく、なんだかあっとう間にクライマックスを迎え、終わってしまった。

願わくば、別の演出でまた見てみたい作品。

(写真はすべて、フェニーチェ劇場の公式サイトより)

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30 aprile 2009
by fumieve | 2009-05-01 07:58
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