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ヴェネツィア ときどき イタリア

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ヴェネツィア・バロックの華、パラッツォ・ゼノービオ

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ここはどこでしょう?
緑の庭の向こうに、左右対称のパッラーディオ様式のような建物がのぞいている。
・・・ヴェネト州に数千ある元貴族の郊外型お屋敷、いわゆる「ヴェネトのヴィッラ」の1つ?

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黒塗りに金色で装飾された鉄柵を越えて、中に入ると、花がほとんど終わってちょっとさみしいバラの植木を囲む天使の彫刻のほか、現代彫刻がそこここに。あちこちに、ベンチや、白いテーブルと椅子が置かれていたりして、ちょっとしたいこいの空間のようになっている。

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現在、アルメニア会(Colleggio Armeno)となっている、このゼノービオ館(Palazzo Zenobio)は、ときどき気になるコンサートなどをやっていたりするのだが、いつもタイミングが合わず、これまで中に入ったことがなかった。
大きな木製の扉から入り、廊下というのか、アトリウムというのか、展覧会の看板が並ぶスペースを抜けたところで、目の前に広がる風景にびっくりした。まるでヴェネツィアではないみたい。

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一見、建物がびっしり建て並んでいるように見えるヴェネツィアだが、実はそれぞれの屋敷や建物が、中庭を持っていることも多い。だから、表から隠れた庭自体は珍しくもないのだが、なにしろ、ヴェネツィアにしては異例に広い。

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・・・(ゼノービオ館は)1850年より、アルメニアのメキタル修道士会本部。
ヴェネツィア・バロック建築の中でも、もっとも重要なうちの1つと考えられている。17世紀末に、アントニオ・ガスパリによって建てられた。
モロジーニ家が所有していた、13世紀の建物の一部を利用し、ガスパリは、ヴェネツィアで唯一の平面プランで同館を設計する。すなわち、横に広く長い本館と、その左右両端から庭園に向かって長く延びる部分を作った(つまり「コ」の字型プラン)。


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ファサードは、全く新しいボッローミニ風で、中央部の窓は、カーブを描いたティンパノで閉じられている。
よく保存された内部は、漆喰とフレスコ画で豪華に装飾されている。携わった芸術家は、Louis Dorigny(ダンス・ホール), Luca Carlevarijs(ポルテゴ), G.B. Tiepoloなど。・・・
(Guida d’Italia VENEZIA, Touring Clug Italianoより)


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ヴェネツィア・ビエンナーレでは、特に街中展示の場合、ヴェネツィアの古い建物を使って、その建物に「アート」をどう調和させてくるのか、そして特に、ふだんは公開されていない建物そのものを見るのが楽しみの1つでもある。

この同じゼノービオ館で、アルメニアのほか、マケドニア、シリアの国別展示、そしてさらに2つ3つのビエンナーレ公認・特別展が行われているのだから、それなりに広いところだと気づいてもいいはずだった。だが、国別「パビリオン」と言ったって、大国以外は、ごくごく小さいスペース1室での展示のこともあるから、ここもそんなものだろうと、軽くささっと回るつもりで来たのだった。

本館の2階、メイン・フロアは「シリア・パビリオン」として使われていた。

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いくつかの部屋の天井にフレスコ画が残るのだが、なんといっても中央のサロン(ダンス・ホール)にまたびっくりした。

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壁から天井まで、フレスコと漆喰がすべて埋め尽くす豪華絢爛なバロック。

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建築的素材のだまし絵は、すぐ近くにあるサン・セバスティアーノ教会(Chiesa di S. Sebastiano)のパオロ・ヴェロネーゼのフレスコ画の流れを汲み、また、雲の上で天にのぼる聖人や天使たちは、やはりすぐ近くにある、スクオラ・グランデ・デイ・カルミニ(Scuola Grande dei Carmini)のG.B. ティエポロを直接思い起こさせる。

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ファサード側には窓を大きく取り、壁3方には、ヴェネツィアらしく大きな鏡を埋めて色と光の遊びを演出。
これでもか、これでもか、という装飾だが、基調がヴェネツィアらしいピンク色のためだろうか、重厚なバロックというよりはむしろ、すでにロココに近いように思える。

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すぐ近くの大学校舎に何年も通いながら、知らずにいるにはあまりにも惜しいお屋敷であった。よかった、気がついて・・・。

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ビエンナーレ関連の展示については、また別に改めて紹介したい。

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Palazzo Zenobio
Dorsoduro 2593 (Fondamenta del Soccorso)
毎日9.00-11.00、見学可能。

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24 giugno 2009
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by fumieve | 2009-06-25 08:41 | ヴェネツィア
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