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ヴェネツィア ときどき イタリア

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ビエンナーレ・14~町中編9、カンナレージョ地区

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コスタリカ、リトアニア、ニュージーランド(2カ所)

ヴェネツィア本島、北西の端。
ヴェネツィア大学経済学部のリッパな建物の中に、初めて入った。ちなみに、先日、チャールズ皇太子が訪問された「庶民の家」はこのすぐ近く。
ビエンナーレ国別展示の、コスタ・リカ館。
ところが、表にも中にも、いつものビエンナーレのロゴの案内が全くない。入口の門番に聞くと、目の前の道をまっすぐ行って、つきあたりのBarを右に曲がり、さらに右、と言われた通りに行ってみると、もうほんとうに島の端っこ、ヴェネツィアと本土とをつなぐ橋を見渡すところに、その展示はあった。

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「Natura e sogni(自然と夢)」と題された「絵画と詩と映像のインスタレーション」、Federico Herrero氏の作品はしかし、ジャルディーニやアルセナーレのメイン会場内で見ると、いかにも、なのだろうが、広いラグーナ(潟)を前に黒いテントで作ったトンネルと幟がおそらく必要以上にはためいている姿は、かなりうらさびしい。

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今回、メイン会場から最も遠い上に、近くにまったく他の展示もないせいもあるだろう。いや、場所も、考えようによっては270度くらい水に囲まれた、すばらしいロケーションなのだが、ビニールのテントにはあまり向かない。
おまけに、最後の展示室にはおおきな梯子がでん、と置いてあったが、展示ではなくて、壊れたビデオを修理中・・・のよう。

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戻りながら、途中に展示されていた絵も、どうやらビエンナーレの一部らしい、とわかったのだが、ともかくその辺がわかりづらい。帰ってきてから、さらにあと2人、別の作家の作品もあったらしいことに気がついたが、正直のところ、もう一度行くのはきつい。

それにしても暑い。そういえば、いつもビエンナーレは、せっかくだから全部見たいと思いつつ、会期始まってすぐに暑くなって、この町中を回るのが困難になって、結局見逃してしまうはめになっていたのを思い出した。
途中で、カフェ・グラニータで涼をとりつつ、次へ。

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スクオラ・グランデ・デッラ・ミゼリコルディア(Scuola Grande della Misericordia)のリトアニア館。入場は右脇から。

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フィルムのようなリボンで作ったトンネルで、Žilvinas Kempinasという作家による作品。中を通過することができ・・・なるほど・・・という感じ。Tube in Veniceというタイトル以外、ほかに特に解説もない(教えられたサイトも後から見てみたが、やはり何もない)ので、作品そのものを見て、それぞれが感じるしかないのだろう。

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同会場では、これ以外に並行展1つに、その他の個展2つを開催していたのだが、長くなるので、また別途紹介したい。


カンナレージョ地区のメインストリート、ストラーダ・ヌオーヴァ(Strada Nuova)沿いに、2カ所に分けて展示を行っているニュージーランド。

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マッダレーナ教会には、「Giraffe – Bottle- Gun(キリン、ビン、銃)」というタイトルでJudy Millarの作品を展示。完全円形のプランを大胆に利用しているのは興味深い。色や筆致、またその倉庫的な作品の展示などは、ヴェネツィアの画家、エミリオ・ヴェドヴァを思い起こさせる。

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暑さにほとんど体力の限界を感じつつ、たどりついたもう1つのNZ館は、だが、やはり行ってみてよかった。

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シンガポール、及びアイルランド館のある建物の隣、ふだんは入れない門から、庭を通り抜けて入った廊下の涼しいこと!

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そして2階の展示会場で待ちうけていたのは、テーブルの上に並んだ、カラフルで不気味な人形たちだった。
こちらに向かって、何かを訴えているような人形もあれば、鏡に向かって手を合わせている人形もあり。自慰にふける人形、自己にこもる人形。

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変な「フィギュア」のようでいて、展示の詳細にも凝っていて、なんと照明にはこんな遊びが。

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隣の部屋は、さしずめ妖怪たちのダンス。

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水木しげるの世界をほうふつとさせる。建物の、ネオクラシックなインテリア装飾は、一見、インスタレーションとまったく遠い世界のようでいて、実は呼応しあっているようでもある。

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(ついでに、テーブル下に隠れた暖炉もチェック)

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Save Yourself という作品で、作家Francis Upritchardは、「ボッシュやピーター・ブリューゲルの世界を再現すると同時に、ポスト60年代の反体制文化、ハイ・モダンな未来派主義、そしてサバイバリストや至福千年節信者、社会的亡命者の歪んだ夢を描いた」。

Costa Rica(コスタリカ館)
Università di Ca’ Foscari
Focoltà di Economia
San Giobbe, Cannaregio

Lituania(リトアニア館)
Scuola Grande della Misericordia
Cannaregio, 3599/A

Nuova Zelanda(ニュージーランド館)
a Chiesa della Maddalena
cannaregio
b Fondazione Claudio Buziol
Palazzo Magilli- Valmarana
Cannaregio 4392

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16 luglio 2009
by fumieve | 2009-07-17 09:24 | ビエンナーレ2009
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