ブログトップ

ヴェネツィア ときどき イタリア

fumiemve.exblog.jp

長い夜と朝帰り

(これは昨日の続きです)

夏休みまっただ中のミラノ中央駅、21:30。
ガランドウ・・・というより、正確に言うと、もはやこの時間、私と同じく乗り継ぎにおいて行かれたのであろう、大きな荷物を持った外国人がウロウロ。
私が向かった先は、カスタマー・サービス(Accoglienza Cliente)。
スイスからの電車を降りる直前、私がよほど尋常ならざる顔をしていたのだろう、事態を察知した人が(車掌でなないところがミソ)、アドヴァイスをしてくれた。その場合、ミラノで泊まるなり、あるいは、その後、ヴェローナまではまだ最終があるのでそこまで行ってタクシーに乗るなり、ともかくサービス・センターで何とかしてくれるはず。
え?ほんと?今まで、あちら様の事情で、特急の指定券を変更してもらったことは何度もあるが、それ以上は押しても引いてもダメだと思っていた。それが、切符売り場の窓口ではなく、カスタマー・サービスに行かねばならないらしい。

そのカスタマー・サービス、最初は、翌朝の特急に変更する、とだけしか言わない。しかも、首をふりふり「シニョーラ、15分の乗り継ぎは短すぎます。」
「(キーッ)でも、ネットでもその乗り継ぎが自動的に出てくるし、だいたい私それ、窓口で買ったんですよ。」
「・・・いやこの、スイスからの便は問題が多すぎて」
「(キイイイイイイーーー!!!)えええっ?でも、それならそうと、最初からそう言っていただかないと。」
いや、もちろん現実問題として、「この(スイスの)電車は遅れますから要注意」なんて、公には表示できないだろう。そんなことしたらスイス国鉄から抗議が来るだろうし、だいたいイタリアはひとのこと言っている場合ではない。
ただ、たとえば、「この乗り継ぎには気をつけるよう乗客に示唆する」などと内部でお達しが出ていたりしてもいいんではないかと思う。だがもちろん、ここはイタリア。お達しなど出るはずもなく、出たところで、徹底されているはずもなし。

いちいち先方の物言いにカっとくるものの、強く出て、うっかり向こうを怒らせてしまうのは絶対に好ましくないので、とりあえず最初は笑顔、そして泣き落とし・・・とは言わないが、ともかく困惑・途方にくれた悲痛な表情、しかしともかく、乗り遅れたのは絶対に私のせいではないので、主張すべきことは主張する。
引き下がらない私に観念したらしき職員は、一度やれやれと立ち上がって誰かに確認に行き、目の前でヴェローナのカスタマー・サービスに電話をした。「これこれしかじかで・・・1人乗客を送り込んだら、そっちはどうする?」
折り返しの電話を待って、結局、22:30発の最終鈍行列車でヴェローナまで行くことになった。
途中、検札にきた女性の車掌さんに、やたらあれこれ書き込まれた切符を見せ、事情を説明すると、さっと顔色を変えて「一応、ヴェローナに今電話して確認してもいいですか?」
実は、ろくな引き継ぎもなしに、ともかくヴェローナに行けと言ってほうり出させる乗客が多発しているらしい。まあ、私の場合は目の前で電話して、逐一やりとりを聞いていたし、そんな時間に着いてほんとにカスタマー・サービスの人がいるのかどうか、しつこく確認したので、まさか間違いはないと思うが・・・。
「大丈夫、ちゃんと手配済みでした。いえ、なにしろ心配になって。というのも、私も、ミラノの人たちのこと、よく知ってるので」。おーーーい!!!
そして、着いてからホテルでのチェックインなどが簡単に済むようにと、私の身分証明書番号などもついでに全部伝えてくれた。
途中、ケラケラ笑っていたので何かと思ったら、「あ、失礼しました、ヴェローナのおじさんたち・・・いえ、カスタマー・サービスに今いるのが、50代の男性2人なんですけどね、名前を聞いて、明らかに外国人だから、イタリア語通じるのか?って、びびっちゃって。だから、大丈夫ですよ、在住者だから心配いりませんよ、って。ケラケラ」
不安とストレスでぐったり疲れていたのだが、明るくキビキビとした声を聞いて、救われた気がした。「いろいろとお気づかい、ありがとうございます」「いえ何をおっしゃいます、そのために私がいるんですから!」
知らない、私のせいじゃない、が連発されるのが普通のこの国において、こんな責任感のある言葉は聞いたことがなかった。
(これを書きながれ冷静に考えてみると、私企業の人は(例え表面的であっても)そういうセリフを聞くこともあるような気がする。が、国鉄やお役所ではやっぱり皆無。)

00:20、ヴェローナ着。のはずが、なぜか5分早く到着した(ガックリ)。
カスタマー・サービスでは、「ほんとうは、ミラノで泊まって、翌朝ミラノから特急に乗ったほうが、お客さんはずっと楽だと思うんですが・・・」とかなり同情的に迎えられ、簡単に手続きをして、「どうぞゆっくり休んでください」と、駅の近くのホテルを案内された。

おかげさまで熱いシャワーを浴びて清潔なシーツにくるまってぐっすり眠り、さっぱりと朝帰ってきたのだが・・・
どうして私ってこうなのか、やっぱりまだまだ、さっぱりとは終われなかった・・・。

13 agosto 2009
[PR]
by fumieve | 2009-08-14 23:46 | 旅先にて
<< 「縞模様のパジャマの少年」 人生狂ってばかり >>