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ヴェネツィア ときどき イタリア

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チェヴァプチチ@さすが国境の町、トリエステ

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「なに?これ?」
Yちゃん「え?・・・チェヴァプチチ」。
「は?・・・なっ何?」
Yちゃん「ミンチのお肉にハーブなどを混ぜたもので・・・あれ?ヴェネツィアにはないの?」
ないでしょう、ふつう、イタリアには。ヴェネツィアでなくとも。・・・だいたいこれ、全くイタリア語じゃないし。

今回、きわめて個人的なあるプロジェクトのためにお世話になっているYちゃんが、電車の待ち時間が1時間もあった私の夕食につきあってくれた。

駅のすぐ近くのビッレリア(Birreria)。オステリア(Osteria)が本来、ワインを飲み(+食べる)居酒屋なら、ビッレリアは、ビール中心の居酒屋。しばしば、ワインよりビールを「かっこいい」とする若者たちのたまり場になっているが、そういうところで、(経済的事情もあると思うが)彼らはあまりガツガツ食べないから、食事は、パニーノなどの軽食が中心。それはそれで、いろいろ工夫したおいしいパニーノやサンドイッチがあったりするところは、やはり人気が高い。

一般にイタリアでは、駅の近くでおいしいものを食べよう、というのは難問なのだが、Yちゃんにしたがって入った店は、地元の若者がゆったり座ってしゃべっていて、いい感じ。
パスタやワン・プレートものなどもあるというので、メニューを見ていたら気がついたのは、「肉料理」の一番最後に書いてあったのが、

Čevapčiči

「これ、何?」
ごくふつうの、イタリアンなメニューの中に、なぜこれが1つ、ごくふつうに混じっているの?・・・だいたい、どうやって読むんだかもわからないし。
(もっともヴェネツィアで、メニューにSarde in saorとか、castraureとかmoecheとか書かれてたら、そりゃイタリア語じゃないと言われてもいたし方ないが・・・)

さすが、国境の町、トリエステ。このチェヴァプチチ、スロヴェニアでは定番の料理らしい。
「ビールにすごく合うんよ~」
それそれ。そりゃあもう絶対それにする!

で、どーーーーーん!!!と登場した巨大なお皿にびっくり。
ハンバーグや肉団子というよりは、イタリアの粗引きソーセージの感覚に近い、かなりしっかり、みっちりしたもの。香ばしく火の通ったそのお肉を、赤い、アイヴェ(ajvar)・ソースなるものにつけていただく。

うん、好き好き、こういうの。
そう、イタリアの食事は何でもおいしいけど、そのイタリアの食事にはどこを探してもない、エスニックな味。
と、食べながら、Čevapčiči(チェヴァプチチ)ってひょっとして、今や欧州どこへ行ってもあるケバブ、あのケバブ(Kabab)と語源が一緒なのでは?と気がついた。
特にこのあたり、ヴェネツィア含む北東イタリアでは、イタリア標準語のchi(キ)がci(チ)になる。Chiave(キアーヴェ、鍵)が「チャーヴェ」、Ti chiamo(ティ・キアーモ、=電話するよ)が「テ・チャーモ」など。そう思うと、チェヴァプとケバブは、かなり近い。
ハンパでないポテトの量には面くらいつつ、しばらくやみつきになりそうな予感がした。

14 ottobre 2009
by fumieve | 2009-10-15 09:05 | ほかのイタリア
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