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ヴェネツィア ときどき イタリア

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フレスコ画の宝庫、フェッラーラ

中世から盛期ルネサンスまでを歩く

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Ferrara- gli affreschi da tardo-medioevo a rinascimento maturo

色ガラスや金、貴石や色大理石を散りばめたキラキラのモザイクが、ローマ帝国からキリスト教教会へと受け継がれ、発展を遂げたのと並行して、イタリア各地で、もう少してっとり早く、それでも豪華に建物の内外を装飾するのに常に使われたのは、フレスコ画であった。

特殊な気候から、生の漆喰に直接顔料を描き込んだフレスコ画が長く持ちにくいヴェネツィアは少々例外として、イタリアならたいてい、大きな町から小さな村までどこへ行っても、フレスコ画で装飾された屋敷や教会にめぐりあう。それは、美術史の教科書には必ず出ているようなものから、名もない地元の画家の描いたもの、今となってはお世辞にも美しいと言い難いものまで、さまざま。

イタリアを横断するポー川下流、イタリアの中規模の町としてはめずらしく、ローマ時代に起源をもたないらしいフェッラーラの町は、中世から公国として栄え、とくにエステ家の統治下において、ルネサンス文化が花開いた。
そんなフェッラーラの観光名所は、目を見張るフレスコ画でいっぱい。





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駅からてくてくと歩いて、まず最初にたどり着くのが、エステ城(Castello Estense)。
赤レンガを積み上げた、重厚な作りのいかにも要塞だが、中へ入ると華やかな内装、といっても家具などは残っていないが、部屋ごとに異なる天井のフレスコ画にためいきが出る。

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面白かったのは、ちゃんと見るのがなかなか大変な天井画を見るために、各部屋に大きな鏡が置いてあったこと。一部で鏡が備えつけてあったり、自由に使えるような鏡が置いてあったりするところはあるが、これだけ大きな鏡を、いくつもの部屋にどーんと置いてあるのには感心。

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なんだか、それ自体が新しいアートのようになっていたりして楽しい。
(面白すぎて、鏡に突っ込まないよう、要注意!)

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フェッラーラのフレスコ画、といって忘れてはならないのは、スキファノイア館(Palazzo Schifanoia)の12カ月の間。これは、ルネサンスを代表する絵画の1つとして、美術史の教科書には欠かせない作品の1つ、個人的には、登場人物の衣装観察が楽しい。

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1385年、アルベルト・デステ5世(Alberto V d’Este)により建てられた同館は、1469-70年、ボルゴ・デステ(Borgo d’Este)は、当時フェッラーラを代表する画家、コズメ・トゥーラやフランチェスコ・デル・コッサらを呼び、この広間の壁に12カ月のアレゴリーを描かせた。損傷、再発見、修復・・・を経て、現在残されているのは壁2面、3月から9月まで。それぞれの月は、一番下の段にその月の生活やできごと、真ん中に星座、上段には神話の場面が描かれている。

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1年間12カ月の生活を月ごとに描くのは、中世以来好まれたテーマであり、また神話や星座の登場は、ルネサンス期ならでは。残念ながら失った部分に何が描かれていたのかは、想像に任せるしかない。それでも今、目の前に残された絵のミステリアスな美しさにただ感嘆するばかり。
(館内撮影禁止のため、写真はwww.wga.hu より借用)

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もう1つ、そのスキファノイア館からの帰り、疲れた足を引きずりつつ頑張って寄ったのがロメイの家(Casa Romei)。これが、その1日観光の疲れを吹き飛ばす、すばらしい空間だった。
1442年ごろから、当地の商人で銀行家であったジョヴァンニ・ロメイによって建てられる。
1階、入口から入ってすぐの「預言者たちの間」。壁から暖炉まで一続きで緑の柵が描かれ、その前に女預言者たちが立つ。典型的な後期ゴシック様式だが、預言者たちの整ったプロポーションは、すでにルネサンス期に入りつつあるのを実感する。

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実際、すっきりとしたラインで、解放感のある明るい建物はルネサンス様式そのもの。
2階には、同時期の家具や、また近郊の教会にあった13-14世紀のフレスコ画なども展示されている。

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(内部の写真は、http://soprintendenzaravenna.beniculturali.it/ などから拝借)

・・・それにしても、ほかの町に行くと、いつも人がとても親切なように感じるのはなぜだろう?

17 ottobre 2009
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by fumieve | 2009-10-18 08:33 | ほかのイタリア
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