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ヴェネツィア ときどき イタリア

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サンタ・マリア・ソープラ・ミネルヴァ教会、ローマ

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Santa Maria sopra Minerva, Roma

ヴェネツィアのモニュメントや教会だって、知らないところはまだまだたくさんあるのだから、ローマとなれば、それはもう、見たいと思って見ていないところだけでも、数え切れないほどある。

先日、ローマで「権力と恩寵」展が思いのほか面白かったために見るのに時間がかかり、その後、中途半端に時間が余ってしまった。
どうしようか少し迷って、それならば、久しぶりにパンテオンでも見に行こうかと足を向けた。朝ほどの激しい雨ではなかったが、それでもまだしつこく小雨が降ったりやんだりしていて、あの穴から、果たして雨が降り込むのかどうなのか、見たいとも思ったから。
いつもと違う方向から向かうと、建物の合い間からパンテオンの異様にごっつい壁が姿を現す広場に、象のオベリスクが。あれ、これってなんだっけ?と思ったら、そこはサンタ・マリア・ソープラ・ミネルヴァ(ミネルヴァの上の聖母)教会だった。

見たばかりの展覧会でも、ミケランジェロのキリスト像が写真で紹介されていて、そういえばこの教会、行ったことがないな・・・と思ったばかりだった。



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そっけないほどにシンプルな、ルネサンス様式のファサードからは想像できない、中に入ると、3廊式の典型的なゴシック様式なのが意外。そして、イタリアの教会ならどこでも同じように、中の壁や、それぞれの礼拝堂は、ルネサンス、バロック・・・とその後の様式で飾り立て直され、全体にはごちゃごちゃといろいろな様式が混ざり合い、大きなゴシックという籠の中でかろうじて1つの空間に収まっている。

くだんの、ミケランジェロの「蘇生するキリスト」像は、主祭壇のすぐ左。観光客が、とくに団体さんが入ってきてはまっすぐそこに向かい、パチパチと写真を撮っているのですぐにわかる。

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ちょうどそのキリスト像に守られるように、その後ろに、私の大好きな画家、ベアート・アンジェリコの墓があった。


もう1つ、この教会を有名にしているのは、主祭壇に向かって右側の一番奥、ルネサンスを代表する画家の1人、フィリッピーノ・リッピによるカラファ礼拝堂(Cappella di Carafa)。解説ボードによると、この礼拝堂は、1489年から1492年にかけ、ドメニコ会の保護者であったナポリ出身の枢機卿オリヴィエーロ・カラファのコミッションにより建てられた。
中央の祭壇画は、まるでそこだけ別の絵をはめ込んだように見えるが、額縁をのぞき、絵の部分は周りと同じフレスコ画で、「受胎告知を受ける聖母に、枢機卿カラファを紹介するトンマーゾ・ダクイーノ」。

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トンマーゾ・ダクイーノ(Tommaso d’Aquino)は誰かと言うと、日本ではトマス・アクィナスとして知られる、13世紀、神学・哲学者。はるか昔の高校時代、「トマス・アキナス・シンガクタイゼン」と訳もわからずに呪文のように暗記したのは私だけだろうか・・・?そのトマス・アクィナスの思想は、著名な「神学大全」ほかいくつかの著書にまとめられ、中世以降、キリスト教会におけるスコラ学の基本となった。(詳しくはWikiなどをご参照ください)

時空を飛び越えて、聖母の前に聖人が統治者やコミッショナーを紹介する図は、しばしば好まれたモチーフ。ヴェネツィアにも、聖マルコが当時のドージェ(Doge, 総督)が聖母や聖母子に紹介する図がたくさんある。

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その祭壇画の背景を作り、同時に天から祝福を与えるかのように描かれているのが、「聖母の昇天」。上部の半円をルネッタに区切らずに水色の空を一続きにしていることにより、天に浮かぶ聖母と、下から見上げる人々との間の距離を具体的にし、聖母の上昇感をよりはっきりと感じさせている。

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右壁は逆に、だまし絵のフリーズによって、上のルネッタ(半月部)と下のほぼ正方形の部分とに分けられている。
ルネッタが「聖トンマーゾを称賛する十字架の奇跡」、その下は「流刑者・聖トンマーゾ・ダクイーノの勝利」がテーマ。

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天井は、リッピではなく、ラファエッリーノ・デル・ガルボという画家による、「預言者(巫女)たち」。

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全体が宝箱のようなこの教会のほかの見どころは、同礼拝堂のすぐ左、13世紀のモザイク画や、ペルジーノ作とされる、小さなキリスト像、ローマ・バロックの第一人者、ベルニーニによるいくつかの墓碑モニュメントなど。

フィリッピーノ・リッピの礼拝堂を見たら、断然、同じローマのサンタ・マリア・デル・ポポロ教会(Chiesa di Santa Maria del Popolo)の、ピントリッキオの祭壇画をもう一度見たくなった。・・・で、ローマのピントリッキオといえば、そういえば、サンタ・マリア・イン・アラコエリ教会(Chiesa di Santa Maria in Aracoeli)もまだ見ていないし・・・。
だが、今回はこれで時間ぎれ。なんだかどうも、最近は行き当たりばったりのことが多くて、テーマにそって見学したりができていない。

・・・まあ、また次にローマへ行く言い訳にとっておくことにしよう。

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29 ottobre 2009
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by fumieve | 2009-10-30 06:02 | ほかのイタリア
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