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ヴェネツィア ときどき イタリア

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カテゴリ:ビエンナーレ2013( 21 )

第55回ヴェネツィア・ビエンナーレ(回想)・20〜イラク

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ビエンナーレの町中展の楽しみは、ふだんは解放されていない古いお屋敷や歴史的建造物の中に入れること。はっきり言って、展示そのものよりも建物により興味を引かれてしまう場合もある。
定位置にパビリオンを持たないイラクも、そんな「お屋敷」を借りたパビリオン。
お屋敷と言っても、通常は家具や調度品などは一切取っ払われた展示用のスペースになっているのが普通だが、このイラク館はまさに、いったいどこからどこまでが「アート」なのか、一段と混沌としている。

続く:というのも・・・
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by fumieve | 2014-02-06 08:39 | ビエンナーレ2013

第55回ヴェネツィア・ビエンナーレ・番外編、美術手帖2013年8月号(・・・いまさらながら・・・)

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・・・世界的に国際展が乱立するなかで、・・・改めてここには今後のアートシーン、ひいては国際社会の行方を占うヒントが詰まっている唯一無二の国際展だと感じた・・・

美術手帖2013年8月号。編集長岩渕貞哉氏の巻頭のことばを読んで、単純に、ほんとうに嬉しく感じた。

もうとっくに会期の過ぎてしまった昨年のビエンナーレの特集号。日本に帰国中、本屋でバックナンバーを見つけて買ってきたのを、ここ数日でようやく目を通している。

一度キーポイントをつかんでしまえば、次々とつながってどんどんわかりやすくなる中世から近代の美術と違い、現代アートは私にとってそんなつながりが見出せず、相変わらず、よくわからないまま。
たまたまヴェネツィアに住んでいるから、せめてビエンナーレというイベントだけはできるだけフォローしようと思っているけれど、それも1つ1つの作品、1つ1つの展示については、わかるか、わからないか、共感できるかできないかと、自分を疑いながら見ている気がする。
ヴェネツィア・ビエンナーレは、公式展だけでもざっと150くらいの企画が一同に介しているから、その横の比較と、過去、つまり縦とのつながりとを手がかりに見方を模索しているものの、ほかの国際的な現代美術展には足を運んだことがないし、イタリアの場合、中にいると自画自賛的な評価しか得られないことも多い。

毎回、開幕直後の、新聞の特集記事などは送ってもらって目を通しているのだけど、日本の美術専門誌がヴェネツィア・ビエンナーレをどう評価し、紹介しているのか。 外から見たヴェネツィア・ビエンナーレがいったいどういう位置づけにあるのか、気になっていた。

その美術手帖でさえ、ビエンナーレ単独の特集は久しぶりだったらしい。
好きだったものの記憶をたどるのはもちろん、自分では意味がわからなかったものを「なるほどそういうことだったのか」と今さら合点してみたり、いくつかの見逃したものを「しまった!」と思ってみたり(涙)。そうか〜、ヴェネツィア・ビエンナーレって、やっぱりこんなに面白いんだ、と引き込まれるように読んだ。

特別表彰を受けた日本館に大きくページを割いているのはもちろんとして、「作業日誌」の中に友人の姿を発見!通常は表に出ることのない裏方さんたちの仕事が気になる私としては、やはり嬉しかった。

ヴェネツィア・ビエンナーレの何が面白いのか。
そのビエンナーレ特集であるはずの美術手帖の表紙が、同期間に開催中とはいえ、公式展とは別の、「ルドルフ・スティンゲル」展の写真であったりするところがまさに象徴的。ビエンナーレとはいえ、うかうかしてはいられないし、でもそれもこれも全部ひっくるめて、これがやっぱり「ヴェネツィア・ビエンナーレ」なのだから 。

来年のビエンナーレが断然楽しみになったと同時に、今度はちゃんと期間中にこの特集号を手に入れて、案内を参照しながら会場を回ってみたいと思う。
美術手帖さん、2015年もぜひ、単独特集でお願いします!

22 gen 2014
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by fumieve | 2014-01-23 07:57 | ビエンナーレ2013

第55回ヴェネツィア・ビエンナーレ(回想)・19〜ポルトガル

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ヴェネツィアはもともとこういう町だから、教会の鐘楼やクーポラを背景にして、水の上に船が浮かんでいても特に珍しいことではない。それも、日常生活用の船、や観光船以外にも、最近はプライヴェートの立派な船が停泊して、VIPなパーティーなど開催するのも流行しているから、(個人的にはそういうのには招かれたことはないけど)そこに停まっている船がイベント会場になっていても、もはやそう驚くこともない。

ビエンナーレのメイン会場の1つ、ジャルディーニの入口真ん前あたりに、ヴェネツィアの水上バスとそう変わらない、どうってことない船が1つ浮かんでいても全く気にも留めなかったし、だからこそ、それが今回のポルトガル館だと知ったときには、へえっと思った。

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by fumieve | 2014-01-19 01:04 | ビエンナーレ2013

第55回ヴェネツィア・ビエンナーレ(回想)・18〜アルセナーレから、北アルセナーレへ

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現代アートの面白いところはまさに、何がアートで何がアートでないのか、よくわからないところにある。
アルセナーレ(元・造船所)会場で、小さな船に金管合奏団が乗って、演奏をしながら行き来している姿はまるでフランドル派の絵のようで、わけのわからない「現代アート」を立て続けに見た目にはとても新鮮にうつった。ヴェネツィアならではの、オープニングの特別のイヴェントだろうぐらいに思っていたら、これはこれで、立派なパフォーマンス・アートだったらしいことを後から知った。
なかなかすてきな「アート」だった。

続く:・・・
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by fumieve | 2013-12-10 18:10 | ビエンナーレ2013

第55回ヴェネツィア・ビエンナーレ・17〜閉幕

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昨日11月24日、今年のビエンナーレが閉幕した。
終了1日前の時点で、来場者数が472,247人(したがって最終的には475,000人を超えていると予想される)で、前回2011年と比較して7,3%増加。うち、学生・若者が31.75%。
興味深いのは、内覧会含め、ジャーナリストの入場数が7,110人で、外国メディアが4,655人、イタリア・メディアが2,455人なのだが、全体でなんと前回比56%増。それだけメディア露出度が増え、入場者数増加に貢献したことは確かだろう。
実際、今年の特徴として、閉幕1カ月前の10月の最終週の入場者数は28,386人と、開幕前の内覧会の入場者数20,424人を大きく上回ったらしいが、これは今までになかった現象と言える。真夏の暑い間、夏休み期間は避けて、でも、イタリア内外の多くの人に、ビエンナーレに「(一度は)行かなくちゃ」的な雰囲気が生まれたのは、頼もしいというか嬉しいことだと思う。
期間中のさまざまなイベントのほか、とくに学校やクラス単位の来場に関しては、専用バスなどを用意したのは、近郊の学校にとって、「遠足」を組むいい後押しになっただろう。今後もぜひ継続してほしい。

続く:ヴェネツィア・・・
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by fumieve | 2013-11-25 18:58 | ビエンナーレ2013

第55回ビエンナーレ・16〜10cm四方の世界、Imago Mundi

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遠目には、タイルか何かの見本帳のように見える。
だが実はこれ、すべてが1つ1つ、それぞれ別のアーチストによる立派な美術作品。近寄ってよくよく見ると、 油彩、水彩はもちろん、コラージュ、彫塑、・・・と手法のヴァリエーションも豊富。
そういえば、指定のサイズ内での作品というと、ファイバー・アートのMiniartextil を思い出す。

ベネトン・グループの創業者で、現在は顧問を務めるルチアーノ・ベネトン(Luciano Benetton)氏が、世界中を旅しながら、その旅先のアーチストの作品を蒐集。
お金持ちの現代アート・コレクションといえばそれまでだが、特殊なのは、それが、すべて10x12cm というサイズに収まっていること。ルチアーノ氏がわざわざ、各アーチストにこのサイズで作品を依頼し、買い上げているというのが面白い。
目的は、まず最初は、有名無名のアーチストたちが、小さな、同じ枠内で自らを表現する、名刺的なものができたらどうか、ということだったらしい。そしてそれらを集めて、整理して並べることで、一種の、現代アートのカタログ的なものができる。

そのコレクションの中から今回は、米国、日本、インド、韓国、そしてオーストラリアの5カ国に絞り、かつ、それぞれの国のキュレーターがそれぞれのテーマに沿って作品を選んだ。

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by fumieve | 2013-10-28 18:02 | ビエンナーレ2013

第55回ビエンナーレ・15〜アルセナーレのどんづまり

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ここ数年、このアルセナーレ会場のどんづまりで、室内外を使っての展示が定番になりつつある中国。今年はやや、控えめな感じで、中国ですら、やや全体の、つまり世界情勢の流れに沿っているのかなー、と思ったのだが・・・。

続く:それ・・・
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by fumieve | 2013-08-26 15:50 | ビエンナーレ2013

第55回ビエンナーレ・14〜イタリア館とパフォーマンス・アート

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アルセナーレ会場のどんづまり。ごちゃごちゃ過ぎて疲れる、1つ1つの作品がきちんと紹介されていないようでわかりづらい・・・という前回の反省を生かしたのか、今年は、開催国ならではの広いスペースをゆったりと使い、企画展「エンサイクロペディア・パレス」にも共通する、ちょっと控えめな、ややレトロ感のある 落ち着いた展示になっていた。

続く:テーマ・・・
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by fumieve | 2013-08-24 01:03 | ビエンナーレ2013

第55回ビエンナーレ・13〜アルセナーレの国別、続き

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アルセナーレ会場内、コルディエーレと呼ばれるL字型の細長い空間の後半の、国別パヴィリオン。

ヴェネツィア・ビエンナーレの場合、この国別参加のパヴィリオンというのは、ジャルディーニ会場に自らの固定の「館」を持つのと、そうでないのと全く条件が異なることになる。日本をはじめ、ヨーロッパ主要国、東欧のいくつか、アメリカ、カナダ・・・とジャルディーニに「館」を持つ国は毎年、同じ場所、同じ「館」の中で展示を企画する。スタートが決まっている分、やはり有利な点が多いし、何よりヴィジターもちゃんと見に来てくれる可能性が高い。その分、空間が固定されているというデメリットもないわけではないが、それを解消するため(?)、今年は、ドイツとフランスが「館」を交換して使うというめずらしい例もあった。もっとも、ジャルディーニ会場内の一等地に向き合って建っているからこそできたことで(ちなみに、ドイツは日本の隣)、これが、一方は「館」を持たない国だったら実現できなかっただろう。

今日ここで紹介している、各国パヴィリオンの入っているこの細長スペースは、アルセナーレ会場で企画展にそのまま続けてあるから、ほとんどのヴィジターが必ず訪れてくれるというメリットはあるだろう。だが一方で、独立した1つの1つの建物ではなく、カーテンやスクリーンで仕切られているだけ、あるいはそのまんまつながった空間だから、やはりできることは限られてくるし、「国別」を意識させるのが難しくなる。

続く:同じ・・・
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by fumieve | 2013-08-22 17:31 | ビエンナーレ2013

第55回ビエンナーレ・12〜初参加のヴァチカン、ほか

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毎回、独自パビリオンで参加する国は、増えたり減ったりしているが、今年のビエンナーレの初参加組の中にはヴァチカン(Santa Sede)の名もあった。
倫理観がすっかり変化してからの現代美術と、キリスト教は折り合いが悪い。いや、キリスト教だけでなくほとんどの宗教がそうだと思うが。とくにヴァチカンの場合は、気に入らないとよその国(イタリアだって別の国)だろうが何だろうが、堂々と介入してくるので、これまでは少なくとも、水と油の関係と思われていた。

続く:そんな・・・
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by fumieve | 2013-08-16 15:08 | ビエンナーレ2013