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ヴェネツィア ときどき イタリア

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フィンツィ・コンティーニ家の庭

Il giardino dei Finzi-Contini
Giorgio Bassani

フィンツィ・コンティーニ家の庭
ジョルジョ・バッサーニ

猛暑を言い訳にここ数日、ほとんど家に引きこもっている。
で、いい機会だから、まとめて本を読むことにした。日本語の本は、読み始めればすっと入り込んで集中できるから、何かの待ち時間だの、電車の中などで読むのにちょうどいい。イタリア語は、読むこと自体に相当集中力を要するから、イライラするようなときに読むのは難しい。電車とか、周りが煩いところでもダメ。
それにしても、本をたくさん読む人、というのは頭も時間もどうなっているんだろう?

さて、これは以前、「私でも読めそうなお勧めのイタリア文学作品は?」と聞いて勧められて買ったものの、やはり手をつけられずにいた本。
知らない単語はたくさんあったし、セリフなどの部分で方言やラテン語などが混じっていたりしたし、そういうところは読み飛ばしていたので、どのくらいきちんと理解できたかは不明。だが、最初にとっかかるのは多少苦労したが、途中から、流れを掴んでからは一気に読んだ。

第二次世界大戦前そして戦下のイタリアの地方都市、フェッラーラ。そのユダヤ人社会で、この物語は展開する。もうそれだけで、だから最初からやりきれない重苦しさと悲しさが根底に静かに流れている。だが、あのおぞましい事件は、枠組みとして、背景として確実に存在するが、直接には語られていない。表で、この本を貫いているのは、「私」というごくふつうの1人の若者の、切ない恋の物語。普遍的なテーマが歴史的悲劇と折り重なる。思いがつのる、かなわぬ恋、そしてひたひたと背後に忍び寄る恐怖。意外な結末。
私にとって、個人的に多少なりとも身近に感じたのは、「私」の恋焦がれる相手が、ヴェネツィアの文学部を卒業すること。ヴェネツィアの記述は回想を含めほんの少しに限られるが、それでもいろいろな地名はどれも馴染みがあるし、町の描写にもうなずける。そして何より、卒業するときの様子が、70年近くたった今もほとんど変わっていないというのも、おかしい。

著者、ジョルジョ・バッサーニは20世紀イタリア文学を代表する作家の1人。略歴をみると映画の脚本等でも活躍した、とあり、確かにヴィスコンティ監督作品などに名が挙がっている。
同著も、ヴットリオ・デ・シーカ監督により、映画にもなっている。私は実際の作品を見ていないが、あらすじを読む限り、肝心のところが微妙に原作と変えてある模様。わかりやすくなってしまっているようなので、先にこれを見てしまうと、本を読むときのドキドキ感が多少失われるだろう。本を読んでみたい人は、先に映画を見ないほうがいいと思う。

夏休みに、お勧めの1冊。

30 lug 2007
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by fumieve | 2007-07-31 06:29 | 読む

続々・橋プロジェクト

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今朝は、駅側の片割れを設置。

今日は午前中曇っていたので、これでようやく雨が降って涼しくなるかと思いきや、お昼ごろから晴れだして、結局一段と蒸し暑い1日になった。

下の写真は、橋がかかるはずの場所(2枚の合成。)写真両端に、それぞれの先っぽが写っているはずなのだが、なにしろ今日はでかけたのが、夜の8時前になってから。日が沈みはじめてからなので、暗くてちょっと見えにくいかも。
とりあえず。

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29 lug 2007
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by fumieve | 2007-07-30 04:48 | ヴェネツィア

続・橋プロジェクト

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昨夜から今朝にかけての運搬作業、やはりリアルト橋通過で時間がかかったものの、全体はスムーズに進んで、なんと予定より3時間も早く、目的地に到着したらしい。
予定が合計6時間半だったのに、3時間短縮って一体・・・。慎重に慎重に計画を立てすぎたのかもしれないけど、それにしても随分の短縮。まあ確かに昨夜は、もちろん雨も降らず、微風、波もほとんどなく・・・だったから、全て全て順調にいったのかもしれない。昨夜帰ってきてから、6時前に起きて、到着の様子を見に行こうかな・・・とふと思ったりしたのだが、実行しなくてよかった。やれやれ。

運んできた2つの部品、というのか塊というのか、1つは今朝、ローマ広場側に設置し、もう1つは明朝、駅の側に設置するらしい。
昨夜出かけた時も、深夜の割にあまり涼しくなってない、と思ったが、今日はまた一段と暑くなっていて、むやみに外に出ると日射病で倒れそう。恐ろしくて外に出る気がしない。ずっと家で本を読んだりしていたのだが、夕方になって、やっぱり!と思い立って、橋の切れ端を見学に行ってみた。

ローマ広場に行くと、確かに、ずっと工事中だったところが橋の土台になっており、そこに、赤い鉄の、くじらの背骨のようなものがぐん!と突き出ている。その鮮やかな色にも目をひかれるが、なにしろ、その背骨が、途中ですっぱり切れていて、空中に浮かんでいるから、ものすごく変な光景。

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それも、昨夜、闇の中ながら見ていたものは随分長いもののように思ったが、こうして見ると、運河の幅に対し、ほんのちょっと先が出ているだけで、いくらも届いていない。同じものが、すぐ近くに、クレーンに引っ掛けてある。これは明日の朝、駅の側につくとして、そうすると、再来週運んでくる「中央部分」というのはやはりかなりの大きさになるはず。

それにしても、いつもは大荷物の観光客をよそ目に、急ぎ足で通り過ぎるヴェネツィアの住民たちが、今日はカメラを持って、わざわざこの現場を見学にきているらしいのが、おかしかった。

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28 lug 2007
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by fumieve | 2007-07-29 05:47 | ヴェネツィア

4つめの橋プロジェクト

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ヴェネツィアの本島の中心を逆S字型に走る、カナル・グランデ(Canal Grande, 大運河)に4つめの橋がかかる。16世紀末に建造され、数世紀にわたり唯一だったリアルト橋。19世紀末にかけられた、アッカデミア橋と鉄道駅前のスカツィ橋。
今回は、鉄道駅と、バスなど車のアクセスの最終地点であるローマ広場(Piazzale Roma)を直接結ぶもの。これまでは駅からローマ広場まで、徒歩では階段のきついスカツィ橋のほかにもう1つ橋を渡って、5分以上。または水上バスに乗って運河を渡るしかなかったのだが、2地点をほぼ最短距離で結ぶ上、ゆるいカーブの現代風デザイン、車椅子での通行や荷物を持つ人にも楽になるはず。

計画から11年。いよいよ実現する時がやってきた。これがもちろんヴェネツィアのこと、簡単な話ではない。幹線水路にあたる大運河を、工事のために何カ月、何年も通行止めにしておくわけにはいかない。
橋の主な構造、鉄骨の部分は、本土側、マルゲーラ工業地帯内で予め用意して運ぶ。これは3分割されていて、2回に分けて運び、現地で組み立てる。運ぶ、といってもこれまた、サン・マルコ湾側から、大運河をほぼ全部さかのぼってくる、という仰々しさ。地図を見ると、反対側からひょいと運んでくれば簡単そうなのだが、鉄道と道路で本土とヴェネツィアを結んでいるリベルタ橋が低いので、おそらくその下を通すことができないのだろう。
といっても、大運河は蛇行している上、既に上記の橋3つがかかっている。そんな長くて大きくて重いものを運ぶのはやはり大変なこと。ミリ単位まで綿密な計算がされて、運搬計画が立てられたらしい。

さて。27日(金)深夜から28日(土)早朝にかけて、まず第1回、橋の両端の部分の運搬作業が行われた。もちろん、この時間、大運河は全て通行止め。
主な地点の予想通過時間が公表されていて、まず、サルーテ教会前が23.59。リアルト橋前が午前2.00。運河が前後で湾曲しており、かつ高さも少し低いこのリアルト橋の通過には2時間半、そして目的地ローマ広場前が6.30。
家から近いこともあり、とりあえず出発のサルーテ前に見に行くことにした。思ったほど多くないが、同じような野次馬、あとは三脚を持った本格的なカメラマンたち。
12時少し前。ともかく暗くてよくわからないが、確かに何かが近づいてくる。数台の警備の船に先導され、まずは大きなクレーン車を載せた船。実はこれが橋だと思って、どうせ暗くて写真はまともに写らないからデジカメを映像モードにして、長々とこちらの通過の様子を収めてしまった・・・。あとでメモリーがなくなり、大失敗。
すぐあとに、お目当ての本物が。・・・どっちにしても暗くてよく見えない。が、それらしきものがしずしずと水の上を進んでいく様子は、なんだかやはり感慨深いものが。そして、教会の目の前にかかったとき、向こう岸のサン・マルコ広場の鐘が鳴り出した。深夜0時、ちょうど。うわー、ものすごい演出。いや、演出ではなくて毎日鳴ってる鐘なのだが、今晩のイベント開始を告げる、いい効果を出している。
また、しっかり予定通りの時間に始まっていること、意外とこういうときは時間に正確なのよね、と思ったり。イタリア人だって、やればできるのよね・・・。

このサルーテ前は、運河もまっすぐなこともあって、あっという間に通過。
いつのまにか随分増えていた人たちも、ぞろぞろと解散し始める・・・。と思いきや、どうやら「橋」を追っていくつもりの人も多いらしい。次の見物ポイント、アッカデミア橋へ向けてかなりの人数が歩き始めた。途中、ところどころから大運河が見えるところで確認すると、「橋」を乗せた「船」は、案外ちょうどこちらの歩く速度と同じくらいのスピードで進んでいる。とすると、こちらは細い路地を曲がったりしながら歩いている分、不利!
みな、小走りぎみになりながら、アッカデミア橋へ。
ここは橋の上も、両脇もかなりの人出。・・・なるほど、真夏の夜のちょうどいい散歩なのかもしれない・・・。橋の下を通過したのを見守って、私はここで今日はいいや、と家に戻ったが、またさらに多くの人が次の見学ポイントに移動した模様。週末とはいえ、みんな結構暇だなーと思ったけど、考えてみたらこれが日本なら、テレビの生中継はもちろん、ものすごい一大イベントになっていたかも。そう思うと静かなほうかもしれない。
まあ、再来週もう1回あるし、その時は頑張って、最大の見学ポイント、リアルト橋通過を見に行こうか・・・と思ったりしている。

27 lug 2007
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by fumieve | 2007-07-28 17:12 | ヴェネツィア

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海岸を歩いていた。
海岸といっても砂浜のほとんどない狭いところに、海の家がびっしり並んでいて、その間にも処狭しと人がたくさんいるようなところだった。
だらっとした綿のワンピースを着ていた私は、どこかで水着に着替えようと思った。
適当に海の家で、そこのおばさんに着替えとシャワーでいくら?と聞くと、「4300円」。高い。それならいいわ、と断って歩き始める。いつもなら水着の上に直接、服を着てくるのに、なんでまた今日はワンピースの下にふつうの下着なんか着てるんだろう?自分の気の利かなさがいまいましい。
座って砂遊びをしていた子供たちが突然「波がなくなったよ」と騒いでいる。そんなはずはない、とふと海を見ると、確かに水が、完全に止まっている。こんなの見たことない・・・
あ、まずい。
津波?と思った瞬間に、海が見る見る膨らんで1mくらいの高さの波になった。ぐんぐんこちらにやってくる・・・後ろに下がったところで間に合うものではない。幸い、波は少し手前で崩れて、砕けた波が押し寄せて足元を濡らした。
ほっとするのもつかぬ間、また、海が止まっている。もう1度大きな波・・・

と思ったところで目が覚めた。夢だった。
今朝はいつもより少し早く起きなければならず、目覚ましをかけていた。目が覚めてみると、全身がこわばって、眠る前より疲れていた。

何でこんな夢を見たんだろう?と思う。

猛暑で、山火事が多発しているイタリア南部で、昨日はとうとう犠牲者が出た。海岸にいたリゾート客たちを、山からあっと言う間に火が襲いかかり、人々は水の中へ避難。逃げおくれた人が犠牲になった、という衝撃的なニュースだった。そんなニュースを、昨夜は確かに見ていたけれども、昨日は情報だけで映像がなかった。ニュースに映像が伴ったのは、今日になってから。現地に飛んだテレビ局が観光客から提供を受けたらしいビデオが繰り返し放映された。
津波とは違うけど、海のリゾートでの災害、「こわい」と思ったのが無意識に影響を与えたのか?今日になって見た現場のビデオは、もちろん私の夢とは似ても似つかなかった。

それとも、数日前に、ヴェネツィア近郊の海岸で、おぼれかかっていた他人の子供2人を救助して、自分はそのままおぼれて亡くなってしまったボスニア人の話を、地元ということもあって繰り返し繰り返し見聞きしていたからなのか?助けに飛び込んだのは、自分も同じ年頃の子供が2人いるから、とか。なんともいたたまれない。
生活の場をある日直撃する災害も怖いけれども、リゾート地での悲劇も、それはそれでやりきれない思いがする。

生活を直撃、といえば、新潟の地震も、どこかできっと影響しているに違いない。

少しだらけた夏気分を、ひきしめるための勧告だったのかもしれない。

25 lug 2007
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by fumieve | 2007-07-26 08:11 | 日常生活

夏野菜のカレー

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最近なんだかまたどんどん太ってきている・・・。
そうそう食べ過ぎているはずもないし、毎日食べてもあきないジェラートも今年は控えめで実はほとんど食べていない。昨年ダイエットに成功したときの、寝起き体操も続けているのに・・・唯一思い当たるのは、ここのとこの猛暑で、ほとんど動いていないこと。そでも自然に毎日、汗をだらだらかいているのに。
それにしても、ふつうの人は暑いと夏痩せするんじゃないのかな???

おまけに、顔の吹き出物がひどい。卒業の口答試問前に、おおきな大きなニキビが、今までできたことのない、ものすごく目立つところにできて、それはまあきっとストレスなのだろうとあきらめていたのだけど、それが一向に治る気配がない。
加えて、どうも日にあたったところに、後で細かい赤いプツプツがでてきてしまう。毎日、日焼け止めは塗っているし、これは少々ひいたところでまたすぐにプツプツが発生してしまうからいたちごっこのよう。

気がついたのはひょっとして、モッツァレッラの食べ過ぎ?・・・ということ。サラダとか冷やしパスタばかり食べていて、そういえばモッツァレッラを1日2個ペースで食べているかも。

たまにはメニューを変えよう、と思いついたのは「野菜カレー」。これならパプリカ、茄子、ズッキーニとたくさんの夏の温野菜が食べられる。そういえば、この夏は早く暑くなったから、いつもなら定番のペペロナータ(イタリア風ラタトイユ、ふつうはパプリカとトマトだけで作る)みたいなものも、ともかく火を使うのがいやで食べてない。幸い今日は曇り気味で昨日までに比べると少し涼しいから、料理もできそう。
カレーはダイエットにも吹き出物にも禁物だけど、思い立ったら今日はどうしてもカレーでなければならなくなった。

ああ、偉大なる日本のカレー・ルー!
ほんとはスパイスを使ってさっぱり目に仕上げたほうがカロリーも低いはずだけど、この際、今日は特別。
久しぶりのカレーはおいしくて、やっぱり食べ過ぎたけど、満足、満足。

24 lug 07
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by fumieve | 2007-07-25 19:13 | 飲む・食べる

広場の調べ

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Note in Campo
Venezia, Rio Terà del Forner

Trio Malibran
Igor Delaiti, fagotto
Francesco Socal, clarinetto
Alessandro Toffolo, clarinetto

W.A. Mozart

Divertimenti in Trio
(Detti anche serenate) KV 439b
per due clarinetti (corni di bassettto) e fagotto
2つのクラリネット、ファゴットのためのディヴェルティメント(またはセレナーデ)LV439b
N°3 変ロ長調
N°4 変ロ長調
N°5 変ロ長調

Variazioni potpourri sulle arie dell’Opera “Cosí fan tutte”
オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」のアリアより、木管3重奏のためのヴァリエーション

ヴェネツィアで、夏の間いろいろ企画されている、「広場で○×」というシリーズの一環。
広場での演奏、というのでてっきり立ち見かと思っていたら、ちゃんと椅子が並べられていてびっくり。ビエンナーレ、ジャルディーニ会場のすぐそば、旧温室の裏にあるここは、Campo(広場)といっても、少し広い通路、といった感じ。
ところがところが、音響的にはこれ以上はそうそう望めないのではないか、というくらいよかった。後ろはレンガの壁、前は4,5階建てのアパートに挟まれているから、多少は響いているのだろうが、それがほとんど気にならないくらい。よくある、教会でのコンサートはエコーがききすぎてワケがわからなくなることが多いが、ここは完璧。弦やほかの楽器ではまたどうなるかわからないが、この木管のやわらかい響きを、吸収しすぎず、跳ね返しすぎず、やさしくそっと包んでいるよう。耳と体にほんとうに心地よかった。もっとも、演奏しているほうは、最初は暗闇(途中で、照明にあわせて向きを変えた)、後半は楽譜を吹き飛ばすほどの風に苦労していたようだが。

曲名のディヴェルティメント、というのは本来「楽しみ」といった意味だが、プログラムによると、モーツァルトはまさに、友人や家族、親しいものたちの間で楽しみに聴く(演奏する)音楽として作ったのがこのシリーズだそう。いずれも、アレグロ、メヌエット・・・など5つの小さな楽章からなる。確かにモーツァルトらしい軽くて心地よいメロディーに、アドリブっぽい遊びがあったりする。
全て変ロ長調なのは、まさにクラリネットやファゴットでの演奏を簡単にするため。

こうして聴いていると、つくづくクラリネットの音ってやっぱり好きだと思うが、そういえばファゴットをこんなにまじまじと聴いたのは生まれて初めてかも。正直のところ、オーボエの音というのはちょっと意地悪っぽくてあんまり好きではないけど、ファゴットの深い音はなかなかいい。こういう、地味な(かつ難しい)楽器は、誰がどういうきっかけで始めるのだろう?と思っていたが、こんな曲を楽しそうに吹いている姿を見たら、興味を持つ人もいるだろう。これからしばらく、オーケストラでもファゴットに注目してしまうかもしれない。

通路みたいな広場だから、時折人が通る。そのまま足をとめる人。そうでなくても、足音をひそめる人。すぐ上の窓から顔を出して聴いている人。窓をいっぱいに開け放した家。イタリアではたいてい、住宅地の中を通ると、開け放された窓からボリュームいっぱいのTVの音が聴こえるのだが、今日は事前に了解を求めたのだろうか。不思議なくらい、静謐な空気を保っている。
30席ほどあった椅子もいっぱい、いつのまにか地べたに座り込んで聴いているグループの輪がたくさんできていた。

22 lug 07
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by fumieve | 2007-07-23 08:36 | 聞く・聴く

Björk

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Björk
Villa Manin, Codroipo (UD)

イタリアでは、というかたぶん欧州全体で大方そうなのではないかと思うが、冬が劇場、すなわちオペラなどのシーズンなら、夏は野外コンサートのシーズンとなる。オペラやクラシック・バレエでも、有名なヴェローナのアレーナ劇場をはじめ、イタリア各地で、たいていはローマ時代の劇場跡などを使って、大小の野外コンサートを催す。ロックやポップス系の、国外のビッグ・アーチストの来伊、あるいは国内で今、人気の(増員力のある)アーチストの国内ツアーがあるのもこの時期。ローマのオリンピコ、ミラノのサン・シーロなどのサッカー・スタジアムに、続々とスターの名が並ぶ。

世界的に知られてはいるけれども、少々マニア向けなアイスランド出身のBjörk。欧州ツアーの中でイタリアはたった1日、それもローマでもミラノでもない、ウディネ県コドロイポという、おそらく近隣の人しか知らないであろう土地。Villa Manin(ヴィッラ・マニン)は現代アート美術館なのだが、そこでコンサートをやる、という。
「私はアーチスト。『アート』というと絵のことだと思っている人が多いけど、私のアートは歌。」と明言するだけあって、いやそれとも、夫で、公私共にパートナーである、アーチスト、MATTHEW BARNEY氏の意向なのかどうか。
熱狂的なファンというわけではないが、そんないろいろな興味もあって、夏休みらしい行事の1つとして行ってみることにした。ロック系の野外コンサートというのも、1度くらいは行ってみたかった、というのもある。

さて、典型的な郊外型ヴィッラであるこのVilla Manin、まず車でないと全くアクセス不可なところにある。広大な敷地、城壁のまわりが全て仮設駐車場、みたいになっていて、標識もろくにあるわけじゃないから、私なら絶対にわからなくなるな、と思う。
ここずっと続いている蒸し暑さで、立ちっ放しの野外コンサートなんて、耐えられるだろうか?具合が悪くなったらどうしようか?とかなり自分の体調が心配だったが、会場についた8時半過ぎ、日が翳り始めたこの時間には心地よい風が吹いていて、思っていたより過ごしやすい。よかった、これなら大丈夫だろう・・・。
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美術館となっている建物を目の前にして、確かにちょうどよい(?)広い芝生が広がっている。そこにステージが組んであるのだが、もちろん既に前のほうへは全く近づけない。適度に正面に近いところへ行って、開始ぎりぎりまで座って待つことに。敷物を持参した甲斐あり。

21時半からの予定、5分すぎたくらいのところでステージにメンバー登場!
最初はこの5月にでた新アルバムから。あとは、古い曲、新しい曲、いろいろ取り混ぜだったらしい。(マニアでないので、聴いたことある曲はあるが、タイトルは全く不明、失礼!)
彼女の曲は、今までポップスからちょっとクラシック系より、というか、伴奏に弦楽器などを使っているイメージがあったのだが、今日はホーン・セクションを従えての演奏。金管の音はちょっとジャズっぽくなるし、夏らしい、野外らしい、楽しい編曲。
Björk本人は、最近の写真など見て、正直のところ「老けたな~」と思っていたけど、こうやって見ると(というかほとんど見えないのだけど。見えても豆粒くらい)、やっぱりかわいい。独特な不思議な声を、のびのびと聞かせて、歓声を浴びていた。

それにしても、・・・全員立ちんぼというのは、結局のところ最前列でない限り、ほとんど何も見えないということだろう。いくら「歌」を聴きにきたといっても、やっぱり目でも楽しみたいもの。が、うまく、前の人の頭と頭の間をとっても、ひっきりなしに人が動いているし、イタリア人てふだんそんなに背が高くないはずなのに、なぜか自分の目の前に、超・長身カップルが集結しているのか?と思ってしまうほど、気がつくと巨大な背中(頭でなく)に視界を覆われてしまう。
客層はいろいろ。老若・・・というほど、「老」はさすがに少ないし、うーーんと若者も少ない。意外と落ち着いた、というか、自分がすんなり混じっていられる年齢層な感じ。男女は同じくらいか、ちょっと男性が多いかな、やっぱり。

期待以上にやっぱりうんと楽しかった!・・・けど、立ちっぱなしライブはもういいかな、とも。

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Viva, Björk!!!

21 lug 2007
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by fumieve | 2007-07-22 18:32 | 聞く・聴く

猛暑



1週間前に、朝雨が降って「肌寒いくらい」なんて言っていたのが嘘のよう。その後、毎日晴天続き、夕立もなく気温は上がる一方。
それでも土曜日の花火の日は、夕方を過ぎてからは風がさわやかで、暑くも寒くもない過ごしやすい絶好の花火日和だったのですが、翌日曜日から、文字通り猛暑の日々。外はもちろん、最上階(屋根裏)、西日が容赦なくあたる我がアパートは温室というよりオーブンのよう。今日はとうとう午後、冷房の効いた近くの大学図書館へ避難しました。

そして、こんなときにありがたいのが、日本食材。
冷やしそば・うどんにそうめん。そして、水羊羹のなんとおいしいこと!!!
この暑さが、そうそうは長く続かないことを祈りつつ、片っ端から消費しています。

今日の土用の日を待たずに、数日前にうなぎも食べてしまいました。
毎日ちゃんと、食べてはいるけど、暑い暑いといって、冷たいパスタやサラダばかりで栄養が少々偏ったのか、体がとてもだるい。頂き物の真空パックのうなぎ、大切にしまいこみすぎていて、取り出してみたら少々賞味期限が切れているし、土用の日を数日前倒しにして、うな重にしました。

イタリア中どこもかしこも猛暑で、この週末はまだこの暑さが続くとのこと。どのくらい暑いかというと、家の中でこうしてじっと座っていても、すぐに全身がずっと汗ばんでくる上に、ずっと頭がゆだっているようでぼーっとする。1日に何度もシャワーをするくらいしか、対策もない・・・。
頼みの図書館も土曜日は午前中だけ、日曜日はお休み。これ以上暑くならないことを祈りつつ、なるべく動かずにじっとしているしかないのでしょう・・・。

20 lug 07
(6月27日から本日まで、たまっていたブログの更新をようやく終了しました。)
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by fumieve | 2007-07-21 08:58 | 日常生活

2つの世界(在外投票の巻)

イタリアに怒り、日本に怒り、なにやら最近怒ってばかり。
怒りついでに・・・ではなく、文句ばかり言うのではなく、行動も起こさねばと思い、参議院選挙の「在外投票」に行ってきた。
去年パスポートを更新したついでに「在外投票登録」をしたので、今回は早々にミラノ領事館から「お知らせ」の手紙がきた(ヴェネツィア等、北イタリアはミラノ領事館の管轄)。卒論その他で忙しいときだったのでその時はとりあえず読み流していたが、投票受け付けが始まったと聞いて改めてよく読んでみると、
*在外公館投票:イタリア国内に限らず、どこの日本大使館・総領事館でも投票可。
*郵便投票:ほんとはこれにするつもりだったが、先に「投票用紙の請求」というのをしなければならなかったらしい・・・しまった・・・
というわけで、やはり1番近いミラノへ出向くことに。
ミラノでの投票期間は、13日(金)~21日(土)。
他の予定、鉄道のストその他考慮すると、もともと、いけるのは今日くらいしかなかったが、再び猛暑に見舞われているイタリア、ミラノでも今日・明日がピークとの予想。1票のために、時間とお金をかけてミラノまでいって、熱射病になるのもどうかと思うし・・・とかなり躊躇したが、朝起きてみたら体調もまずまずだし、やはり出かけることに決定。

いやはや、わかっていたのだけど、そこには全く別の世界が展開されていた・・・。まず、領事館の建物に近づくと(何度も行ってるから今回は大丈夫、と思ったら、そこに行くまではぐるぐると迷ってしまった)、はっきりとわかりやすく「投票所はこちら」の看板。ふだんの領事室とは別に、特別の部屋が用意されているらしい。入口を入ると、多くの係の方々がいて「こんにちは。」「ご苦労さまです。」とにこやかに口々に声をかけていただける。一応パスポートを確認されて、「どうぞこちらへ。」狭い中に、1mおきに案内される感じ。まず受け付けで、在外登録証、パスポートをチェックし、今回投票するための用紙と、封筒に自分の選挙区の宛先を記入。それも目の前でゆっくり丁寧に説明されるので間違えようなし。次のテーブルでその紙を出し、投票用紙と専用封筒を受け取る。日本で投票するときのようなボックスがあり、そこで投票用紙に記入。無記名の封筒に密封、それを、さっきとは別の選挙区宛の封筒に入れてもう一回密封。これで、最後のテーブルで提出して終了。いっせいに「おつかれさまでした」とまた声をかけられて、なんだか別にたいしたことをしたわけでもないのに、とちょっとどきどき。
ああ、なんと行き届いた日本。

ヴェネツィアに帰るのにミラノ中央駅へ戻ると、必要以上の大混雑。案の定、電車が軒並み遅れていた。今日はアリタリア航空がストだし、やれやれこれでは電車も大混雑か・・・と思いつつ、乗るつもりだった電車の1時間前の発車予定のヴェネツィア行きの電車に乗ると、なぜかその列車はガラガラ。それでも、乗り込んでから周りの人々の話を聞いていると、どうやら今日は、みんな行きも帰りも、途中も、全て遅れだの、それによる乗り換えを逃したりだので、ひどい目に遭ったらしい。地下鉄でも何かトラブルがあったとか。ともかく、みんな怒っていて、お互いに不幸自慢をしている上に、それをまた電話で家族だの友人だのに次々説明しているからうるさくて大変。そうか・・・今日は私は行きは、そうたいした遅れもなくスムーズにいったけど、それってとても運がよかったんだ・・・。
・・・と思っていたら、途中、かなりのスピードで走っていたのに、右は一面のぶどう畑、左はとうもろこし畑、というところで突然ガタンと急停車。もちろん、車内アナウンスなどあるはずもなく。そのうち、車内停電。しばらくすると、後ろのほうから、荷物を持って移動してくる人多数あり。駅?じゃないはずなのに、この人たちはどこから???
15分くらい止まっていただろうか。
もちろん何のアナウンスもなく出発。情報収集に行ってきた人の話によると、最後尾車両の冷房が壊れていて、技術者が直したのだとか。でも、あんな急停車して?どうやら、煙が出ていた、との話もあり。が、遠い車両の私たち、それこそ全ては闇の中。
結局、ヴェネツィア到着時には約80分遅れをわびるアナウンスが。私は出発の時点で1時間トク(?)しちゃってるから、20分遅れということかな?まあそれなら、いつものこと・・・。

18 lug 2007
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by fumieve | 2007-07-19 07:00 | 日常生活