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ヴェネツィア ときどき イタリア

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老舗の風格、Rosa Salva(ローザ・サルヴァ)

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持つべきものは・・・友。それも日本人の。
ここで紹介しているいろいろなお店、実は、日本人の友人・知人から教わったところが多い。なんだろ、ワタクシタチ、ニホンジン、やっぱり一段とおいしいものに目がないんだろうか。

何世紀も前から変わらぬように見えるヴェネツィアでも、もちろん、日々の変化はある。特に、数年住んでいると、新しいお店ができたりする一方で、当然のことながら、お気に入りだったところがお店を畳んだり、そうでなくてもいつのまにか経営が変わってしまっていたりする。
先日のお好み焼きの場で、そんな話になった。
店の主人が亡くなって職場を変わったピッツァ職人、なんとか頑張って続けてほしいパスティッチェリア(pasticceria、お菓子屋)、あそこのチョコレートがおいしかったのに・・・ecc, ecc.(エッチェトラ、エッチェトラ、・・・などなど)。

そんな話の中で、教えてもらったのがここ、老舗のパスティッチェリア、Rosa Salva(ローザ・サルヴァ)。

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1軒はリアルト橋からサン・マルコ広場に向かっていく、ブランド・ショップの立ち並ぶ路地、メルチェリーエ(Mercerie)。リアルト側から入ってすぐ、数軒先の左側にある。今まで何度前を通ったことがあるかわららないのに、あまりにもあまりにも観光地すぎて、不覚にも今まで、入ったことがなかった!


入ってみると実は、いかにも地元の人や、そのあたりの勤め帰りの人々が、1口つまみに、あるいは1杯スプリッツをひっかけに来ている。ん、いい感じ!!!1つ1ユーロのお菓子を立ち食いしつつ、カフェを頼む。

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もう1軒、もう少しサン・マルコ広場近くにあるのだが・・・説明不可能。住所はSan Marco 950なので、興味のある人はぜひ探してみてください。なんというか、広場から1本入った横の道、間口が広いので近づけばすぐわかるはず。

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こちらは、やはりなんとなくたどりついてしまった観光客と、お菓子を買いに来た地元の人半々、という感じ。広々としていて、おいてあるものの種類も多い・・・かな。
うーーーん、ホールのケーキもおいしそう~~~。




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ここのピカイチのお勧めは、写真右下の、チョコレート・ケーキ。

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クロッカンティーノ(croccantino、カリカリ)という名は、見た目と一致しないのだが、口にして納得。
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チョコレート・スポンジの間に挟まれた濃厚なチョコレート・ムース、その中が何やらカリカリしている・・・。全体のしっとり感の中の意外性が、不思議な効果を出していて、おいしい!!!





ちなみに、写真左下は、私の後にお店に入ってきた女性が「1番のお気に入り」と言って立ち食いしていた、ザバイヨーネ・クリームのシュークリーム。その上はブディング、右上はおなじみ、フルーツ・タルト。
どれも甘すぎず、しつこすぎず、大きすぎず、◎!

今週から8月いっぱい、いつも愛用のTonoloが夏休みに入ってしまい、どうしようかと思っていたところだったが、これで救われた気分。(もっともここも夏休みに入る可能性もないとはいえないが・・・)

フルーツ・ゼリーやボンボン、またはきれいなパッケージのお菓子も売っているので、おみやげにもよさそう。

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Rosa Salva

San Marco 950
Tel. 041 5210 544

San Marco 5020
(Mercerie San Salvador)
Tel. 041 5227934

www.rosasalva.it
30 luglio 2008
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by fumieve | 2008-07-31 20:16 | 飲む・食べる

ある通勤の朝

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ヴェネツィアの大運河(Canal Grande)に建設中の、4つめの橋。建築家の名前をとって、Calatravaとか、単に「新しい橋」とか呼ばれている。

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ちょうど1年前から設置工事の始まったこの橋、

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(経緯は昨年のブログ参照)
4つめの橋プロジェクト
続・4つめの橋プロジェクト
続々・4つめの橋プロジェクト
4つめの橋プロジェクト・4
4つめの橋プロジェクト・5

この8月中にもようやく開通の見込みとの話なのだが、どうなっているのだろう?
・・・もっとも、当初は、昨年クリスマス前に開通という話だったりもしたのだが。

それにしても、(新しいお店などでもありがちだが)、いくら曇りガラスとはいえ、下がすけすけというのはどうなんだろう???

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ちなみに、先週、陸地から見た様子はこんな感じ。

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29 luglio 2008
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by fumieve | 2008-07-30 08:31 | ヴェネツィア

暑いので・・・

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暑い・・・

先日のサンテラズモ(Sant'Erasmo)のトマトに、ヴェネツィア本島(つまり家のテラス!)のバジリコで、冷たいパスタ。

急にまた蒸し暑くなったと思ったら、そんなときに限って帰りの通勤電車は全車両・冷房なし。
窓全開(といっても2/3は壊れていて開かない)でも、すでに日中、炎天下であたたまった車両に、さらに西日が容赦なく照りつけ、2時間の灼熱地獄。逃げ場もないから、ほんとに蒸し焼きになっている気分。

夏バテで食欲なし・・・どころか、家にたどりついて、シャワーを浴びてさっぱりすると、どうしようもない食欲が一気に復活。
なんだかいつもよりモリモリ食べて、ますます膨張中、我ながら自分の成長ぶりがこわい・・・。

28 luglio 2008
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by fumieve | 2008-07-29 13:06 | 飲む・食べる

イタリアの見た日本人10+おまけ・大統領官邸の外国人使節たち

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イタリアの見た日本人:前回のお話
10・大統領官邸の支倉常長

前回の写真が好評(!?)だったのに気を良くして、せっかくなので、もう少し補足してみようと思う。

以前紹介した通り、くだんの部屋、現「大統領護衛騎馬憲兵の間」(Sala dei Corazzieri)は長い見学コースのしょっぱなに当たるので、見逃す心配はない。
この部屋は1615年、 ボルゲーゼ家出身の法王、パオロ5世の依頼を受けて、「王宮の間」として建築家カルロ・マデルノが設計した。
入ると、左側にいくつも開いた窓から光が差し込んでいて、まずとても明るい。見るからにゴーカな部屋。天井は金塗りの彫りの深い彫刻装飾、床は色大理石。壁上半分は4方とも色鮮やかなフレスコ画に覆われている。下半分は、扉部分の間の壁を、タペストリーが埋めている。

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フレスコ部分、そのさらに上半分を占めるのが、1616年、アゴステイーノ・タッシ、ジョヴァンニ・ランフランコ、カルロ・サラチェーニらによる、外国人使節たちのだまし絵。








入口と同じ側の壁、向って左側から見ると、1つめのバルコニーに姿を現すのは、ペルシアの使節団。

2つめが、Emanuele Ne Vundaに率いられた、コンゴの使節。
その隣が日本の常長一行、

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最後が、再びペルシアからで、中にAli-qoli Begの姿が見える。








窓のある側の壁は、

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Robert Shirleyに率いられたペルシア、








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アフリカの使節、










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Mussolから来た、ネストリウス派使節団と東方教会の修道院長Adamo、









そして最後はアルメニア商人で、彼らもまたペルシアから来たと考えられている。ペルシアの使いが多いのは、中東における対オスマントルコという政治的理由によるものらしい。

400年も前のフレスコ画だが、幸運なことに、ほとんど大きな手を加えられることなしに、色鮮やかにきれいな姿を残している。
1人1人の顔が、どこまで本人たちに似ていたのかは、それぞれの肖像画などを探し、比較しないとわからないだろう。だが、お国別、民族別の違いは、その顔つき、風貌、衣装、と、かなり繊細に描きわけられているのは見ての通り。
わけても、日本使節団のバルコニーが最も丁寧に、豪華に描かれているように見えるのは、完全にひいき目だろうか?

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が、バルコニーにかかる金糸入りの深紅のビロードは、明らかに最も美しい。さらに、裾の翻ったところからちらりと、空色のサテン地で裏打ちされているのが見えるが、これは、8つのバルコニーでも、ここだけ。

そして何より、常長の着物の文様の細かさには、目を見張るばかり。




なお、館内は一切撮影禁止のため、こちら掲載の写真はすべて、
L. Del Buono (a cura di), Il Palazzo del QUirinale. La storia, le sale e le le colelzioni, FMR, Bologna, 2006
L. Godart (editto da), Il Quirinale. Rivista d’Arte e Storia. Anno primo, numero due., FMR, Bologna, 2005
から引用した。8つの使節団すべての写真がないのが残念・・・なお、今回は、内容も基本的にその2冊から抜粋・要約した。
(・・・というわけで、恐縮ですが、それぞれがどこの誰なのか、はあまり突っ込まないでください。)

(続)11・おさらい:日本の男子の服装の歴史

24 luglio 2008
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by fumieve | 2008-07-28 06:26 | 卒論物語

持つべきものは・・・


・・・友。そう、特に広島の(!)。
本日お招きいただいたのは、広島風お好み焼きフェスタ。
というわけで、今日は秘伝大公開。

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まず、タネをうす~くのばす。
タネは粉と水、ほぼ1対1。










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表面が半乾きになってきたところで、
かつおぶしをパラパラ・・・。







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かくし味に、とろろ昆布を少々。








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切りイカなどもあると好ましい。








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その上に、キャベツの千切りをどっさりのせて・・・








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モヤシもたっぷり。








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さらにネギを。
これは日本の場合は刻みネギでいいらしいが、こちらのネギはかなり香りが強いため、あらかじめ軽く炒めたものを用意してあった。
う~ん、細やかな心配り。




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最後に、薄切りパンチェッタ(pancetta、イタリアのベーコン)を。







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その盛り上がり具合たるや、こんな感じ。









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なんととんでもないことに、ここでそれをくるりっとひっくり返し・・・







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少々形を整えて、待つこと8分間。
ここで、最初の皮で中身がうまく蒸し焼きになる状態で8分間待つのがコツ。・・・というのが、「ためしてガッテン」情報らしい。








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しかし、その間、料理人の手は休むことを知らず。向こうに見えていたフライパンで、ソバを温めはじめる。「ソバ」は日本ではもちろん焼きそばのソバだが、ここではスパゲッティで代用。なるべくソバっぽくするためには、やわらかめに茹でておく。







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ソバが温まったら、ソースをかけてよく味をなじませる。










さて、ここからがシェフの腕の見せ所第二段!

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蒸し焼きセットをブロックごと持ち上げ・・・








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焼きそばの上に、どん!
・・・ちょっと残ってしまったキャベツなども、ささっと移動。








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空いた方のフライパンに、今度は卵を落とし・・・











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フライ返しで、黄身をかる~く崩すのがまたコツ。







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そして、見せ所第三段!
その上に、今度はやきそばごと、蒸し焼きセットを、どん!!!







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そのまま、フライパンの上で、フライ返しで切り分け・・・








ソースと、かつおぶしをたっぷりかけて・・・
みなさん、PRONTO!!!(できあがり!!!)

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26 luglio 2008
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by fumieve | 2008-07-27 17:22 | 飲む・食べる

産地直送:サンテラズモの野菜

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金曜日の午後が、こんなに待ち遠しかったのはかなり久し振りのことではないか。

果物と野菜がおいしいはずのイタリアにいて、野菜が全然おいしくない。棚には一年中同じ野菜、妙に早すぎる果物。トマトなんて、色つやばっかり整っていて、切ると中は真白、味も香りもまったくない、と悩んでいた。近くのスーパーで買い物をする時の話。
メルカート(mercato、市場)に行けば、おいしくて安いものがあることはわかっているのだが、うちからちょっと遠い(徒歩25分くらい)ことと、午前中しかやっていないため、ずいぶん長いことメルカートに行ってなかった。特に今週のように、アルバイトに行っている週はどうにもならない。

そんな悩みを抱える私に、うってつけのサービスがあることを発見した。

サンテラズモ島(Isola di Sant’Erasmo)という、一面、畑の島がある。ちまちま建物が立ち並ぶのがヴェネツィアのイメージだが、その北側のラグーナは自然にあふれていて、特にこの島は、畑の島として知られる。ワインも作っているのは、以前紹介した通り。

ヴェネツィアで「サンテラズモの野菜」というと、地元の自然野菜、それだけでおいしそうな感じがする。
その「サンテラズモの野菜」を、なんと配達してくれるサービスがあるという!!!正確には、自宅まで届けてくれるわけではないが、数日前までに申し込んでおくと、ヴェネツィア内にいくつかある配送ポイントで受け渡しになるらしい。引き取りは金曜日の夕方。
う~ん、これはまさに私のためにあるサービスではないか!?しかも、配達場所が家からかなり近い。

新聞で記事を読んで、連絡先をしらべて、さっそく顧客登録した。といっても、メイル・アドレスを伝えただけ。すると、火曜日にカルロさんからメイルが1通。
ご参考までに、全文、そのまま掲載してみたい。

「みなさん、おはようございます!!!
今週は、みなさんにレタスがあります!
ナスは残念ながら、もう数日お待ちいただかなければなりません・・・
ズッキーニは、悪天候のため値上げを余議なくされましたが、ジャガイモはニョッキに最高です!

注意:リド島の配達は、今週より金曜日の18:30に変更になりました。

新規のお客様、注文の受付は水曜日の夜までですのでご注意ください。なお、受け取り場所のわからない方は、担当のクラウディオに連絡ください。
10ユーロ、5ユーロのパックは、こちらにある商品を少しずつ混ぜたものです。いつもリストに載っているとは限りません。

いつもながら、みなさまのご信頼と讃辞に感謝します。
カルロ&クラウディオより」


そして、添付された申込書は、エクセルのファイル。それぞれの個数を記入するようになっていた。

2008年 7月21日から27日
少しずつ全部(大)10ユーロ
少しずつ全部(小)5ユーロ
バジリコ 1束0.5ユーロ
レタス 2ユーロ(1kgあたり、以下同様)
トマトdatterino 3ユーロ
ミニ・トマト 2.5ユーロ
Cirioトマト完熟 1.2ユーロ
丸トマト完熟 1.2ユーロ
サラダ用トマト 1.2ユーロ
「クオール・ディ・ブーエ(牛の心臓)」トマト 1.6ユーロ
太いズッキーニ 1.2ユーロ
ズッキーニ 2.2ユーロ
ジャガイモ 0.7ユーロ
きゅうり 1.2ユーロ

配送場所
リド島(サン・ニコロ) 18:30
ジュデッカ島 18:30
サン・トロヴァーゾ 18:50
フォンダメンテ・ノーヴェ 19:30
サン・ジョッベ 20:00


気の急く私は速攻で返信&注文をした。

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そして今日、サン・トロヴァーゾ(San Trovaso)の、ゴンドラ工房(スクエーロ、squero)前。少しずつ、増える待ち人たち・・・。
舟でやってくるのは配達だけでなく、なんと買いだしの舟もいた。




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もっとも、大半は徒歩。

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袋に名前が書いてあって、次々呼ばれてはお金を払って受け取る。待ってた順でも、申し込んだ順でもない。が、注文を確認した時点で、自分の分がきちんと確保されていることがわかっているからだろうか、みんな身を乗り出しつつ、おとなしく名前が呼ばれるのを待っている。







場所が場所だけに、観光客にはかなり妙な風景。

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新聞に載ったために、私のような初めての客も多かったが、それでも既に夏休みでだいぶ住民が減っているのだろうか。お客の数が、いつもに比べてもずっと少ないという。

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というわけで、私は今回はお試しで、「少しずつ全部(小)」パックを頼んでみた。5ユーロの今週の内訳は以下の通り。

(私の好きな)ちりちりレタス1玉、きゅうり3本、なす中サイズ1個、ズッキーニ小さめ5本、トマト3個、ミニ・トマト40個くらい。

さっそくサラダにして食べてみた。
まず、切っているときから、トマトもレタスもキュウリも、その色の鮮やかなこと!
そして・・・やっぱりおいしい!!!
期待通り、いや、期待以上においしい。いつも食べていたスーパーの野菜は、いったい何・・・?

これはもう、常連仲間入り決定。数か月前からの愛用者だという人が、「果物がないのが唯一残念な点」と言ってたけど、その通り。ぜひとも果物もなんとかしてほしい。

お問い合わせは:
Carlo & Claudio Finotello
Teol 041 5282997

25 luglio 2008
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by fumieve | 2008-07-26 09:23 | 飲む・食べる

イタリアの見た日本人10・大統領官邸の支倉常長

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イタリアの見た日本人:これまでのお話
9・ローマ再び~支倉常長像
8・「アジア」の姿
7・番外編:ない袖は振れぬ?2
6・番外編:ない袖は振れぬ?
5・ヴェネツィアが失くしたもの
4・ヴィチェンツァ
3・ローマの天正少年使節団
2・天正少年使節団
1・「日本の若者」

ローマの「七つの丘」の1つ、クイリナーレの丘は、ローマの市街を一望できる立地にあるばかりか、もともとクイリナーレ(Quirinale)の名自体、地元であがめられていた神Quirinusから来ている通り、歴史的にも由緒正しい土地だという。
その地に、16世紀初め、枢機卿オリヴィエーロ・カラファがここに私邸を建設する。
館の住民は、ファルネーゼ家、デステ家と変わっていくが、夏の避暑地として、何度か招きを受けていたローマ法王グレゴリオ13世(1572-85)が、自らの負担で屋敷の増改築に手をつける。
グレゴリオ13世の死後、後を継いだシスト5世は、ローマ市内の大改革工事でも知られるが、このクイリナーレも例外ではなかった。同屋敷を買い取り、教皇宮殿にふさわしくあるよう、大々的に改装を行う。
以後、歴代法王が改装・改築を行っていく。それぞれの内容については触れないが、ここで注目すべきは、パオロ5世(1605-21)。パオロ5世もまた、その在任中にクイリナーレの大規模な改築を行った。
ローマ・カトリック教会は、この法王パオロ5世の治世に、世界勢力図は、史上最大に達したという。
支倉常長がローマで謁見したパオロ5世は、その1年後の1616年、世界各国からやってくる、大使や使節を迎えるための謁見の間として、「王宮の間」(Sala Regia)を作らせる。その細長い「王宮の間」の、長い側の壁2面いっぱいに、その外国からの大使たちの姿を描かせた。ターバンを巻いた人、アフリカの黒人、中国人、そして、日本から来た、支倉常長一行。それぞれのグループに分かれた彼らは、だまし絵のバルコニーからこちらを、「王宮の間」にいる者たちを見降ろしている。飛ぶ鳥を落とす勢いの法王との謁見の場だから、下にいる本物の人間たちは、かしこまって、緊張した面持ちでいたに違いない。上からのぞいているほうは、身を乗り出したり、おしゃべりをしたり、生き生きと人間らしさを見せている。

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日本人は、当時から「まじめ」な国民だと多くの記録に残っているが、もちろん彼らも例外ではなかっただろう。前列にいる常長は、向って右隣りにいるソテロ、日本から同行したフランチェスコ会修道士の話に熱心に聞き入っている。後ろに控える4人も、下での出来事よりも、ソテロの話に一生懸命ついていこうとしているように見える。

肝心の常長の服装は、上半身、それも半身しか見えない。が、これはボルゲーゼ館所蔵の立像の肖像画と同じ着物と見て、間違いはないだろう。袖から胸にかけての模様は、あの油彩よりもさらに細かくはっきり描かれている。
ソテロはもちろん修道服、あとの4人の服装はほとんど見えず、それだけに常長の着物が一段と際立っている。

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それにしても、何という偶然だろうか。
日本からの、たった2回の使節団については、欧州、イタリア、に膨大な記録や資料が残されているが、見てきたように、図像表現は極めて少ない。にも関わらず、その2回ともがローマでフレスコ画という形で記録され、今でもその姿をとどめている。先の少年使節団はヴァチカン内に、常長は元・法王居住地で現在の大統領官邸に。
どちらも、たまたま謁見した法王が、工事好き、建築好きでどんどん新しい建物をたてていたこと、そして、言ってみれば自らの力を誇示するために、「極東から馳せさんじて」やってきた彼らの、証拠写真を壁に焼き付けてしまおう、と思ったから。
そして、このクイリナーレ館がそもそも法王居住地となったきっかけは、少年たちが謁見した、グレゴリオ13世とシスト5世から発していたのもまた、偶然にしてはできすぎなくらいに思える。
どこかで、何かがつながっている。

「王宮の間」は、現在は「大統領護衛騎馬憲兵の間」(Sala dei Corazzieri)と呼ばれる。今でも、イタリア共和国レベルでの儀式などに使われているので、イタリア人にとっては、テレビのニュースなどで案外見慣れている風景かもしれない。
この「憲兵の間」を含めて、クイリナーレ館は、毎週日曜日の午前中は一般公開している。
www.fumiemve.exblog.jp/d2007-01-22
次回は、この常長の着物についていくつか考察をまとめてみたい。

(続)10+おまけ・大統領官邸の外国人使節たち

24 luglio 2008
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by fumieve | 2008-07-25 07:24 | 卒論物語

相棒とお散歩中のみなさまへ

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あれ~~~!?!?!?
・・・ひょっとしてこれは・・・???

おんなじマークのポスターは、今年の初めくらいから見かけていたのだが・・・
なんと、いつの間にかヴェネツィアにも導入されていたらしい。何と呼べばいいのだろう?犬バッグ・スタンド?

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つまり・・・ええ・・・お散歩中の相棒の落し物を始末するための袋を提供している。
せっかくなので1枚拝借。









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ちゃんと使用説明図が印刷されていて、どうやら、上からこの袋をかぶせてすくい、うまく密閉できる仕組みになっているらしい。











昨日の午後、ひさしぶりに、ぶらぶらとあちこちを歩き回って、1時間ほどの間に見たのはこの1カ所だけだったが・・・。

少しは対策になるのだろうか?

23 luglio 2008
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by fumieve | 2008-07-24 06:06 | 日常生活

後味


私は一度もやったことがないのだが、レデントーレの土曜日、深夜に花火が終わった後はそのまま舟でリド島の砂浜に繰り出し、そのまま騒ぎながら日の出を待つ、というのが地元の「伝統」らしい。真夏の、お祭りの晩のことだから、そりゃあ昔からみんないろいろと羽目を外すことはあっただろうと思う。
今年のレデントーレの翌日、たくさんの舟と多くの観客たちの前に華やかに上がる花火の映像とともに、非常に残念なニュースが全国に流れることになった。
友達同士で花火を見にきた16歳の女の子が1人、その晩、急死したため。花火のあと彼女は、リド島に向かい、多くの人でにぎわうその砂浜で「エクスタシー」というドラッグを飲み、すぐに体調の悪化を感じて救急車で運ばれたものの、結局そのまま亡くなったという。
イタリアでは、ドラッグの急速な普及と入手の簡便さ、そしてアルコールやタバコと並んで、興味本位の飲用から常用にいたるまで、その低年齢化がずいぶん前から問題になっている。マリファナにせよ、化学薬品系にせよ、調査によっては、中高生の1/3から2/3は「試したことがある」という統計が出るらしい。統計でそうなのだから、大げさでなく、実質はほとんどみんな「(一度は)やってる」と言っても過言ではないかもしれない。
なんにせよ服用はイタリアでも禁止だが、最近、しばしば警告が発せられていたのは、アルコールとドラッグの併用。特に、最近の若者(というとこちらがオバサンぽいが・・・笑)の間では、ディスコやパーティーでカクテルを飲むのがはやりになっている。一見、口当たりのいいカクテルも、ものによってはアルコール度数がかなり高くなるものもあるから要注意!と、まあ世の中の良識者たち再三勧告しているのだが、「楽しみたい」若者たちは、さらにそこに、上記の「エクスタシー」などを1粒、おとして飲んだりするらしい。
今回の事件は、そんなふうに、誰でもやってること、どこでも起こりうることだっただけに大きく取り上げられたのだろう。この長い夏の間の、少しは戒めになるのだろうか・・・。

そう思っていたら、今朝の新聞を見て驚いた。
亡くなった女の子の「父親が警察を告訴」との見出し。なぜその場で警察が止めに入らなかったのか、と。あとは救急態勢の遅れなどの責任追及を求めているらしい。
・・・いや・・・数千人いたという砂浜、もちろん、そういう晩だから警備の人間だっていることはいただろうと思う。だけど、いくら16歳の女の子だって、あえて警察の目の届くところでそれをやってみるはずがない。そもそも「アブナイ」パーティーだとわかっていて、出かけているのに。
それを売買した人間、そそのかした人たちがいたら、それは裁かれるべきだろうと思うが、強制されるのでもなく、だまされるのでもなく本人が自ら飲んだ以上、亡くなった本人の責任であることは誰がどう見ても間違いはない。
これがもし日本だったらどうだろう?両親は、そんな娘に育ててしまった親のしつけが悪かったこと、そうして「世間様にご迷惑をおかけした」ことに平謝りになり、さらにそこらじゅうからバッシングを受けるのではないか。
イタリアと日本のメンタリティの違いを、不謹慎ながらいろいろ考えてしまった。私には娘がいないからわからないが、でも正直のところ、どっちも極端すぎてついていけない気がする。どんな原因にせよ、不慮の事故による娘の死を嘆き悲しむ両親の気持ちは誰でも共通なはずで、それだけで十分、と思う。
「みんなやってること」なのに、たまたま命を落とした彼女は、まったく運が悪く気の毒だったと思う。自らのブログで、「楽しんで、最高の人生を送りたい」と書いていたらしい。本人こそが、こんな形でまさか命を落とすことになろうとは、想像もしていなかっただろう。

そうそう、全然別の問題だが、イタリアで「飲み物」といえば、少し前にこんな事件
http://plaza.rakuten.co.jp/romani/diary/200806030000/もあった。
旅行される方々も、口にするものにはくれぐれもご注意ください。

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22 luglio 2008
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by fumieve | 2008-07-23 04:46 | 日常生活

Redentore 2008~橋を渡らねば(なんとなく)終われない

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小人はいなかった・・・。
後片付けはどうやら小人の担当じゃないらしい。今朝起きたら、昨夜の雷雨で黄色いぼんぼりはほとんどすべて、みじめに地面にたたきつけれらていた。
橋はすでに一部を片づけられ、多くの舟が運河を行き来していた。

たった2日間のために用意される橋は、全長333m。レデントーレ祭日の当日にあたる昨日の日曜日は、土曜日とうってかわって朝から蒸し暑かった。今にもお天気が崩れそうで、家でうだうだしていたが、やはり1年に1回の機会だからと思い、橋を1往復してきた。

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橋の入口には、由来などを説明した看板。いかだの上に乗った橋だから、足元が微妙に頼りないのを確認しながら前に進む。といってもちろん、沈みそうだとか、吊り橋のような怖さはない。なが~く、全部橋としてつながれている分、ヴェネツィアの水上バス乗り場よりはずっと安定している。



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とはいえ、今日の午後、橋のパーツとパーツをつないでいる金具を落ち、修理のため13時から16:50まで通行止めになっていたらしい。私が出てきたのはちょうどそのあとだったので気がつかなかったが・・・。





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真ん中が少し高くなっていて、









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水上バスなどが下を通過・・・











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できるようになっている。













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さて、欄干によりかかるこの女性の視線の先は、というと・・・










ちょうど直前に、レガッタが終わったところだった。レガッタ用の舟、応援の舟でにぎわう水上。

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さて。参道に戻る。

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高くなった真ん中を超えると、急にレデントーレ教会が目の前に迫ってくる。







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中に入ると、ちょうどミサ30分前で、すでに人でいっぱいだった。

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ミサはパスして、再び外に出る。階段で高くなっているので、橋がきれいに見渡せる。

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右奥の大きなクーポラはサルーテ教会。









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そのさらに右に、サン・マルコの鐘楼も見えている。










どうにかして橋の全景が横から撮れないものかと、うろうろ。

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もう一度、教会の前に戻ってきたときには、ちょうどミサが始まるところだった。










さてと。今年のレデントーレ祭もこれで終了。
橋を渡って、家に帰るとしよう・・・。

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21 luglio 2008
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by fumieve | 2008-07-22 04:18 | ヴェネツィア