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ヴェネツィア ときどき イタリア

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プラリア修道院・番外~お買い物編

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昨日、修道院に到着したときに、観光バスが何台も止まっているのを見て、ちょっと驚いた。こんな日だから一般の車が多いことはある程度予測されたものの、観光バスで団体さんがたくさん来るほど、有名なところなのだろうか・・・。

その秘密の答えの1つは、ここにあった。

修道院ショップ。
a0091348_6213869.jpg 院内で作っている、ハーブティーやジャム類など食品のほか、化粧品やせっけん、シャンプーなど。ちなみに、昨日のガイド修道士さんの話によると、ここで薬草学が発展したのは、もともとアバノ・テルメをはじめとする湯治地が近かったため。そこで使われるために内外の薬草の需要があったからだそう。以前は修道院内に薬草園も持っていたが、現在は原材料となる薬草類は外から購入している、とのこと。

さて、夏は強烈な紫外線、冬は暖房で1年中乾燥に悩まされる肌を持つ私は、最近はなるべく、天然成分の薬局化粧品を使うようにしている。ちょうど、最近愛用していた保湿クリームを切らしてしまったところだったので、さっそく物色を・・・。

どうやら化粧水は扱っていないようなので、とりあえず保湿クリームを1つ、買ってみることにした。
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成分はアロエ、麦芽オイル、ヴィタミンE、蜜蝋、はちみつ、植物性グリセリン。どうです、効きそうでしょう?
さっそく昨晩から使ってみたが、なかなかいい感じ。(だが、効能をよく読んだら、朝使うのがお勧め、と書いてあった)







ほかにもいろいろ買ってみたかったのだが、クリームが17ユーロと比較的高めだったので、躊躇してしまい、もう1つだけ一緒に買ったのがこちら、はちみつ飴。
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口に含むと、すでにはちみつそのものの味だが、さらに中にそのままはちみつが入っていて途中でどろりと出てくる、かなりのどによさそうなタイプ。かざりもそっけもない、はちみつそのものの味。おいしい。数もずいぶんたくさんあって3ユーロだったから、こちらはずいぶんお得な感じ。



家に帰ってきてから、やっぱりハーブティーとはちみつ、それからほかの飴ももっと買ってくればよかったと後悔した。ああ、後悔先に立たず・・・。

(と思ったら、イタリア国内に限るようだがオンラインで注文もできるらしい)
http://www.praglia.it/Prodotti.htm

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29 settembre 2008
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by fumieve | 2008-09-30 06:25 | Shopping!

プラリア修道院、パドヴァ郊外

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プラリア・サンタ・マリア・アッスンタ・ベネディクト修道院
Abbazia Benedettina Santa Maria Assunta di Praglia

http://www.praglia.it

15:30から18:00まで、30分おきに無料ガイドがあると聞いて、着いたときにはものすごい人数が次の回を待ちかまえていた。予約をとっているわけでもなし、番号札を配っているわけでもなし、いったい全体、無事に見学できるのだろうか・・・と疑っていたが、入るところこそ、ちょっとぎゅうぎゅうで心配になったものの、案内されたのは広い建物の中。まったく問題にならなかった。

最初にここにベネディクト会修道院が建てられたのは12世紀にさかのぼる。以後、(後述する一時閉鎖期をのぞき)今に至るまでベネディクト会修道院であり続ける。
現在の建物は、主に16世紀のもの。内包する4つの回廊が、まず第一にこの修道院を特徴づけている。
案内された1つめの回廊は、もともとは回廊ではなかったらしい。4つの辺の最後の1つが閉じられて、「回廊」となったのは18世紀になってから。

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2つめの回廊は、現在は手入れの行き届いた美しい緑の庭になっている。1810年のナポレオン占領、続く1866年イタリア王国統一による接収で、いったん閉鎖を余議なくされた修道会が再びその役目を取り戻したのが、1904年。その際に植えられたヤシの木が証人としてそこにたたずむ。建物は15世紀後半、ヴェネツィア・ゴシック様式の典型。花形の2連窓と、縁飾りが美しい。

回廊の端から、階段を上がって上に抜ける。と、そこに3つめの回廊が。回廊の階が違うのは、もともとの地形を利用しているためだそう。エウガネイ丘陵地帯(Colli Euganei)の谷間に建てられてた修道院だが、この回廊のある位置がまさに、12世紀、最初に建てられた修道会の建物があったところらしい。そしてこの3番めの回廊は、修道院のあるべき回廊の姿を示しているという。

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1つには、完全に4辺が閉じられた空間であること。chiostro(回廊)はもともと、chiuso(閉鎖)を意味する。
そして、完全な正方形であること。完全な正方形は、われわれ人間の人生を表すという。
3つめの特徴は、中央に正八角形の水甕を持つこと。8という数字は、初期キリスト教時代から完璧な数字として、洗礼盤をはじめ好んで使われてきた。また、かつては屋根をつたって落ちる雨水が、すべてここに溜まるように、といと溝がきちんと設計されていたのだが、今は使用していない。

そして、修道院施設内の主な建物がすべて、この回廊に面している。教会のほか、
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会議室にあたる聖堂参事員室(Sala Capitolare)、








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そして食堂(Refettorio)。
19世紀まではここで日々食事をとっていたが、現在は使用していないという。理由は、暖房施設がなく、寒いから。






全80席、一番奥から年配の修道士、そして手前に一番若手が座った。室内装飾は典型的な16世紀のもの。座席の上を飾る木製彫刻は18世紀、一方、現在壁にかかる油彩は、もともと図書館(後述)用に描かれたゼロッティの作品。2度にわたる接収および盗難などにより、美術品も古文書も、より貴重なものはほとんど残されていないという修道院だが、一旦接収されたのちに返却されたものらしい。

今日のハイライトは、「欧州遺産の日」で特別公開になっている旧図書室。(biblioteca antica)。同じベネディクト会修道院でも、学者たちのいた町の中にあるサンタ・ジュスティーナ(Santa Giustina)と違い、農業従事者がいたという、ここ、今でも畑に囲まれたプラーリアの修道院の図書室は決して大きくはない。
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が、目をひくのはその天井画。ジョヴァンニ・バッテイスタ・ゼロッティによる一連の油彩は、規模はずっと限られるものの、ヴェネツィアの現・国立マルチャーナ図書館、サンソヴィーノの閲覧室(Sala sansoviniana)を思い起こさせる。実際、当時注目の7人の画家に競演させたとされるマルチャーナに、ゼロッティ自身も参加しているから、意識するところはあったに違いない。

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中央が「信仰の勝利」。
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まわりには旧約聖書のエピソード、4すみには女預言師。

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ゼロッティが、ヴェネツィア近郊のヴィッラで手掛けた多くのフレスコ画は、いずれも、共同制作者でありライバルであったパオロ・ヴェロネーゼを超えない。ほかではたいてい、ヴェロネーゼに比べるとより暖色の強い、明るい色彩が印象に残るのだが、この図書室の絵は、構図といい、色や表情といい、ヴェロネーゼをそのまま忠実に引用・踏襲しているように思える。
入口から見ると、一見、ミニ・マルチャーナなのだが、中に入って見上げると、むしろ同じくヴェネツィアにある、ヴェローネーゼによる天井・壁面装飾の美しいサン・セバスティアーノ教会を思わせる。大のヴェロネーゼ好きとしては少々複雑な気分だが、遠目には結構いい。
この1つ下の階が、現在の図書室になっている。

本日特別公開だった旧図書室をのぞき、ふだんから案内つきで中を見学することができる。また、体験入室と言おうか、修道院の生活を実際に見てみたいという人は、数日間宿泊も可能。
・・・ガイド役の修道士さんの説明がたいへんわかりやすく、ほぼそのままここに紹介させていただいた。

温泉施設で知られるアバノ・テルメから4km、緑に囲まれたすばらしい立地だが、交通の便が悪いのが難点。車で一緒に連れていってくれた友人Mちゃん、Aくんに感謝したい。

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28 settembre 2008

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by fumieve | 2008-09-29 08:00 | ほかのイタリア

「サルヴァトーレ・フェラガモ 伝説を解く1928-2008」展、ミラノ

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トリエンナーレ・デザイン・ミュージアム
11月9日まで

Salvatore Ferragamo – Evolving Legend 1928-2008
Triennale Design Museum, Milano
24 settembre – 9 novembre 2008

少なくとも、私の年代とその前後の方には、ある一定のなつかしさを持って耳に響くのではないだろうか?フェラガモ。

現在のイタリアを代表するファッション・ブランドの1つ、今はバッグ、靴、小物はもちろん、洋服
まで揃えるが、もともとは靴屋。戦前、大量にアメリカに移民したイタリア人の1人、サルヴァトーレ・フェラガモが現在に至る成功の道を切り開いたのは、1923年に開いた、ハリウッド・ブート・ショップ(Hollywood Boot Shop)から。映画の黎明期に、撮影用にスターたちの靴を作ったのが、そのきっかけとなった。

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スターやVIPの、足をかたどった木型から用意し、それが1つ1つ大切に保存されているのはよく知られているところ。その木型の一部のほか、オーダー・メイドの靴そのもの、それを履いている女優さんたちの写真や映像が展示されている。ソフィア・ローレン、グレタ・ガルボ、オードリー・ヘップバーンにレディ・ダイアナ。

作りもののようにきゃしゃな足、意外にものびのびと大きめの足・・・いずれも、実際に使われた靴は、ハイヒールでも案外、ヒールがしっかりしているものが多い。

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一方で、どうやって履くの???という、アートとしての靴はまさにジュエリー。まるで宝箱から出てきたように繊細に輝く。






上質の皮を丁寧に縫って作る靴の工程は、まさに「小人の靴屋」をほうふつさせる。人間の手とは思えぬほど細かい仕事。材料となるのは、牛の皮だけではない。クロコダイルに大蛇、オーストリッチ・・・もとの形がわかるままの展示は、なかなか強烈。とりあえず私は、牛さんのものだけでいいわ・・・。

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レースやスパンコール、シルクなど伝統的な材料のほか、ナイロンなどの新素材も積極的に取り入れている。








そしてそして、カラフルなエナメルにリボンのついた、ローヒールのヴァラ(Vara)。
フェラガモの代名詞、といっていいこの靴、創業者サルヴァトーレの長女、フィアンマがデザインしたのは78年というから、思った以上に古い。世界中で100万足以上売れているのだそう。日本でも一時、一斉を風靡したから、ひょっとして今でも靴箱の奥に眠っている、という方も多いのでは?
ちなみに当時は、「イタリアではおばあちゃんまで履いている」という触れ込みだったように思うが、それはちょっと大げさ。確かに、かなり年配の方が履いているのを見かけることもたま~~~にあるが、一般イタリア人にとってフェラガモはやはり、超高級ブランド。「御用達」のごく一部の人をのぞいて、一生触れることもない人が大半だろうと思う。

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そして、バッグやジャケットなど皮製品の延長に加え、ブランドとしては比較的新しい、シルクのスカーフやドレス。









手編み風のざっくりニットの大ぶりなバッグ、2000年のモデルだが今でも十分新しくてかわいい。・・・うーん、これがあれば、この冬、あらゆるつらいこともすべて乗り切れる気がするのだが・・・。

思っていたよりも、全体の展示作品数は少ない。ただし、撮影禁止のため紹介できないのが残念だが、それぞれ展示が凝っていて面白いし、楽しめる。
(写真は、美術館の公式サイト、およびイベント紹介サイトなどから借用した。)

とりあえず、いい靴が1足、ほしくなった。

27 settembre 2008
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by fumieve | 2008-09-28 08:42 | 見る・観る

だんぜんおいしい!作りたてパニーノのAi Nomboli

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Ai Nomboli

ヴェネツィアへ来て、日本語学科の学生だった最初の同居人に、最初に教えてもらった店。
何年も何百年も全然変わらないように見えるヴェネツィアだが、実は7年もたつと、結構変わっていることが多い。なくなった店、新しくなった店、経営が変わった店・・・。そんな中で、パニーノのとびきりおいしいこの店は、いつ行ってもずっと全然変わらないのがうれしい。カウンターに、迫力のあるママと息子、奥のキッチンにお父さん(だと思う・・・)。たくさん種類のあるメニューの中から選んで、注文してから作るパニーノは、ちょっとしっかり目のパンがさくさく、そこからプリプリでしゃきしゃきの具があふれんばかり。

そしてこの店の楽しみはまた、フルーツ&野菜の生ジュースが飲めること。オレンジやグレープフルーツのスプレムータ(spremuta、しぼりたてジュース)はイタリアのバールなら定番だが、ここはジューサー(centrifuga)があって、かんきつ以外のミックスが楽しめる。

上の写真は、
パニーノ=Alberto II(エビ、ルッコラ、アーティチョーク)
ジュース=りんご、なし、にんじん
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写真下は、
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パニーノ=Al Contadino
(ソプレーザというこの地方のサラミ、アンチョビ、ラディッキオという紫レタス)

ジュース=キーウィ、りんご








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難点はちょっと高いこと。
もともと、ちょっと他のバールより高めだったが、パニーノ5ユーロ、生ジュース3ユーロは高い。それでも、ここでパニーノを食べるからには生ジュースは欠かせないし、どちらもやっぱりおいしいから、たま~に楽しむには仕方ないか・・・。

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実際、相変わらず大学の先生をはじめ、地元で働く人を中心にいつも混んでいるから、ちょっと待たされるのは覚悟の上で。







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ちなみに、あらかじめ用意してあるサンドイッチも、もちろんおいしいので、待てないときはそちらでも。








サン・トマ広場(Campo S.Toma`)と、サン・ポーロ広場(Campo S.Polo)の間。

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Bar Ai Nomboli
S.Polo 2717/C
(Rio Terrà Nomboli)
Tel. 041 5230995






26 settembre 2008
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by fumieve | 2008-09-27 03:28 | 飲む・食べる

イタリア在住、及び旅行中のみなさま:予告「ヨーロッパ遺産の日」


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Giornate Europee del Patrimonio
27-28 settembre 2008

この週末、9月27日(土)、28日(日)は、遺産のヨーロッパ・デイとして、イタリア各地で美術館や歴史的建造物などが、無料になったり、特別公開になったりする。ふだんは入れないところに入れたり、ガイドつきで見学できたりするいい機会なので、興味のある方、お時間のある方はぜひ。

全国の案内、および各州のプログラム・ダウンロードはこちら:
http://www.beniculturali.it/giornate_europee_08/index.html

ちなみにヴェネツィアでは、26日(金)21:00から、Ca’ Zenobioにて18-19世紀の女性作曲家によるアンサンブルのコンサートを皮切りに(注:訂正)、週末の間は、アッカデミア美術館、東洋美術館、考古学美術館、サン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタなどで、いろいろなテーマに沿ったガイドが用意されている。
特に、通常は公開されていない、アッカデミア美術館内の素描室(Gabinetto dei Disegni)の見学などはお勧め(27日10:00, 11:00、要予約Tel. 041 5222247)。ここは、あまり知られていないが、実はあのレオナルド・ダヴィンチの「人体図」のオリジナルをはじめ、貴重な素描を所蔵している。今回はプログラムに入っていないので、それらは見られないが、16-18世紀のヴェネト、ロンバルディア派の素描(10:00)、あるいは素描など紙の修復について(11:00)案内することになっている。

注意・追加:
「女性作曲家のコンサート」は、
26日21:00- Venezia Mestre Teatro ex.Gil,
28日21:00- Venezia Ca' Zenobio
に変更になっているようです。
いずれも入場無料


25 settembre 2008
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by fumieve | 2008-09-26 08:50 | 見る・観る

かくれ家オステリア、anice stellato


もうずいぶん長くこのブログをやっている気がするが、まだまだ、紹介しそびれている店がある。
先日のズッカ(La Zucca)は、実は野菜または肉料理のみなのだが、そのズッカの店長が「魚を食べるなら」と一押しなのがこちら、anice stellato(アニチェ・ステッラート)。
ヴェネツィアのいわゆる伝統・名物料理のほか、この店ならではのちょっと変わった料理も楽しめる。

10種類以上ある前菜の中から、迷いに迷ってワタクシが選んだのがこちら、

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ニシカンパチ(ricciola)のサラダ。プリプリのお魚に、ハーブとオイルが和えてある。刻みネギのせいか、白いご飯にも合いそう。







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プリモ(primo, 第一の皿=パスタなど)には迷いなく、魚介のリゾット。こちらは注文が2人前からなので、3人で2人前を頼んで、1/3ずつ分けてもらったもの。2/3人前でも十分満足なボリューム。ちなみに、パスタ類もどれもおいしい。










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そしてセコンド(secondo、第二の皿=メイン)には、定番中の定番、魚介のフリット(fritto、フライ)!!!なんとこれで1人前。








それにしても、女3人の食事というのは、すごくいい。これを3人で1皿、おしゃべりに花を咲かせつつ、つっつく。
そして女3人の次なる選択は・・・3人でデザート2つ!

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シナモンのババロア、赤ワインソース添え









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チョコレート・ケーキのピスタチオ・アイスクリームのせ








2人ではとてもここまで食べられないし、4人だと物足りない。ああ、3人ってすばらしい!

しかもここ、木のテーブルに紙のランチョンマット、と気さくなオステリアのわりに、大きめなテーブルがゆったり置いてあって、いわゆる食堂のぎちぎち・わさわさ感がない。隣とひじがぶつかったり、まわりの大声に悩まされることなく、ゆっくり食事とおしゃべりが楽しめる。今晩も、大きなテーブルに相席だったが、お互いに全く気にならなかった。

主な観光地からはかなり外れているが、おいしいものをリーズナブルに、リラックスしつつ食べたいなら、足をひきずってでも(!?)のばす価値あり。
ゲットー・ヌオーヴォ(Ghetto Nuovo)から、橋を1つ渡って、小さな店が並んで比較的賑やかな河岸(Fondamenta Ormesini)に出て、そこからさらに1本奥にはいった河岸沿い。水上バスの最寄はサンタルヴィーゼ(S.Alvise)。

Anice stellato
Cannaregio 3272 (Fondamenta della Sensa)
Tel. 041 720744(要・予約)
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by fumieve | 2008-09-25 08:26 | 飲む・食べる

「源氏物語 光源氏、ヴェネツィア東洋美術館所蔵品より」展

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ヴェネツィア、国立東洋美術館(Ca’ Pesaro内)
11月9日まで

Genji Monogatari. Il principe Splendente nelle collezioni del Museo dell’Arte Orientale di Venezia
11 settembre – 9 novembre 2008
http://www.museiciviciveneziani.it/frame.asp?musid=180&sezione=mostre

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木高き紅葉の蔭に、四十人の垣代いひ知らず吹きたてたる物の音どもにあひたる松風、まことの深山おろしと聞こえて吹きまよひ。色々に散りかふ木の葉の中より、青海波のかかやき出でたるさま、いと恐ろしきまで見ゆ。かざしの紅葉いたう散りすきて、顔のにほひにけおされたる心地すれば、御前なる菊を折りて左大小さしかえたまふ。日暮れかかるほどに、けしきばかりうちしぐれて、空のけしきさへ見知り顔なるに、さるいみじき姿に、菊の色々うつろひえならぬをかざして、今日はまたなき手を尽くしたる入綾のほど、そぞろ寒くこの世のことともおぼえず。

(源氏物語七帖「紅葉賀」、源氏千年紀委員会公式サイト http://www.2008genji.jp/ より引用)

カナル・グランデに面したカ・ペーザロ(Ca’ Pesaro)、同名の市立現代美術館に間借りする格好で、東洋美術館がある。両美術館共通のチケットを買って、最上階に上がる。
槍や刀に鎧・兜、武器、武具がずらりと並んでものものしい入口。今日はここはそのままやり過ごし、そのまま前に進む。その武器に囲まれるようにして、屏風が1対現れる。
「源氏物語」と題された江戸時代のもの。手前のほうは、中央部では表で男性陣が笙や笛を鳴らし、女性陣が奥で筝を奏でている様子が描かれる。左端には幼い女の子が庭で遊んでいる。不確かだが、紫の上のエピソードだろうか。
もう1つは、中央では女たちが絵巻比べをするほか、右上には、囲碁をする様子が見える。娯楽や遊びをテーマにしたものらしい。

そのまま、きしむ階段をさらに上がると、ようやく正面にGENJIの文字が現れる。

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「源氏物語」千年紀を記念して、ここヴェネツィアの東洋美術館では、同館所蔵の主に江戸時代の道具・工芸品から、源氏物語にゆかりのあるもの、主題にしたものを選んで40数点を展示している。

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物語のエピソードを描いた屏風。












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三十六歌仙を描いた画帖や杯。









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あるいは、物語の中で描かれる花鳥風月に詩歌管弦の世界。









月、紅葉、桜に霞、歌と舞い・・・。

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物語の中で使われる道具たちすずり箱、香合セット。










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そして江戸時代には大名の姫の嫁入り道具だったという貝合わせ。









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圧巻は、土佐光起の署名のある画帖「源氏物語」。展示では見開き2ページしか見られないが、すぐ横の映像で全ページを紹介している。

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一方で、「源氏物語」、および「偽紫田舎源氏」の錦絵は源氏物語の江戸風解釈ともいうべきものだろうか。歌舞伎の演目なら、すでにそういうものとしてほとんど違和感がないのに、こうして絵で見ると、十二単で髪の長い、平安調の源氏に見慣れた目には新鮮に見える。



そういう意味では、展示されている着物(小袖、打掛、振袖)は、いずれも源氏物語の時代の服装からすると、生地も形も質感も、ずいぶん違うもののはずだ。だがこれらは、着物そのものよりは、その意匠の美しさやイメージを愛でてもらうものとして、大目に見ることにしよう。何か少し補足があったら、ほんとはさらによかったと思うが。

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決して大規模な展覧会ではないが、「源氏物語」をキーワードに、日本の伝統美の世界をうまくコンパクトにまとめている。特別展とはいえ、常設展示の中にそのまま組み込まれているから、これをベースにして、多くの人がほかの展示品にもより興味を持つきっかけになるといいと思う。

(注:この日の写真は、許可を得て撮影しています。通常は館内すべて撮影禁止ですのでご注意ください。)

なお、特別展に先立ち、今月11-12日には、ヴェネツィア大学東洋言語学科で源氏物語に関するシンポジウムも行われた。残念ながら私はそちらには参加できなかったのだが、10-11日にチーニ財団で行われたシンポジウムの様子は、以前紹介した通り。

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23 settembre 2008
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by fumieve | 2008-09-24 07:48 | 見る・観る

水の上を歩いてみたら~ヴェネツィア散歩

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とっておきの散歩道を発見してしまった。
いや、今日は全然そんなつもりではなかったのに。このブログにも、別の話題を書くつもりでいたのだが。

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ヴェネツィア本島の外周を走る水上バス、51/52、または41/42に乗って、Bacini(バチーニ)下車。ヴェネツィア在住7年になるが、このあたりに来たのはおそらく初めて。





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いったん、塀の中に入って、右側に少し進んで、再び岸に出る。そのまま、バス停留所を背に歩くと・・・

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仮設の歩道に導かれる。行き止まり・・・?
それがなんと、岸がなくなり、歩道はそのまま壁にくっついた形でずっと続いている・・・!!!

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この歩道、実は完全に水の上。高さはそれほどではないが、足元は板で、その隙間から微妙に下が見えるから、高所恐怖症の人ちょっとこわいかもしれない。

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時々後ろを振り返る。晴れた日の北の海は、ヴェネツィアだってこんなにきれい。

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カラフルないたずら書きの壁沿いのまま、階段があったりして、なんだかヴェネツィアというより、南欧のどこかの港町みたい。

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ああ、でも3本の木を合わせた道しるべ、ブリコラが、やっぱりヴェネツィア。

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そして、その向こうに水上バス停留所が見えてくる。

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ここはCelestia(チェレスティア)。

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振り返ると、今歩いてきた歩道はこんな感じ(→)。レンガの城壁、ずーっと外側に貼りついていることがわかる。










ヴェネツィア北岸の絶壁を歩くようなものだから、冬はきっと、ものすごく寒いだろう。真夏は真夏で、直射日光が当たるとめちゃくちゃ暑いに違いない。が、暑くも寒くもないこんな日は、静かで海の風が気持ちよくて、最高の散歩道。
反対側からスタートするには、一見、壁にぶちあたって行き止まりのように見えるこの橋から。
なぜ、こんなところを発見してしまったのかについては、また後日・・・。

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22 settembre 2008
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by fumieve | 2008-09-23 03:10 | ヴェネツィア

ヴェネツィア映画祭・番外編~「金返せ!」

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ほかの映画祭がどういうものなのか知らないが、ヴェネツィアの映画祭をわきから盛り上げているものの1つに、この張り紙コーナーがある。”Ridateci i soidi”(リダーテチ・ソルディ)、そのまま「金返せ!」。

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会場内、メインの建物のすぐ横に毎年、元・サッカーの審判で現在はテレビ・タレントというGianni Ippoliti(ジャンニ・イッポーリティ)氏の主催(?)するこのコーナーが登場する。
用紙と、そこに書き込むためのテーブルが用意されており、映画を見て、あるいは映画祭会場にきた人たちの、不満や怒りがこうして堆積していく。






(関係ないが、テーブルに添えられた、バカバカしい椅子にも注目!)

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内容はいろいろ。メインはやはり、映画についてのコメント。つまらない、退屈、ばかばかしい、くらいならいい方で、ほとんどは罵詈雑言、放送禁止用語バリバリ、全く容赦のかけらもない。映画そのものだけでなく、もちろん、監督や俳優、女優・・・苦情の的はすべてに及ぶ。映画なんてしょせん、好みの問題だから、どんなに評判のいい作品にでも、1つ2つ、「文句」が出る。が、一般観客は正直だ。これはちょっと・・・どうなの?・・・と思ってしまう作品には、あっという間に非難が集中するからコワイ。
ほかに、映画祭全体を批評するもの、つまりラインナップへの評価、すなわち作品選出の責任を追うディレクターへの不満や非難、スター不在を嘆く声も多い。
趣旨を勘違いしているのであろう、たまに、上映された映画を絶賛するコメントが、とくに外国人のものでちらほら混じる。そしてなかには、コンペ外の作品を絶賛し、「なぜこれがコンペでないんだ?」という高度な不満も。

内容は自由だから、映画そのものに限らない。
チケットが高い、すぐ売り切れる、時間割が悪い、あるいは字幕が見えづらい・・・という映画祭そのものの問題から、会場のお手洗いが少ない(&すぐ故障する)、会場内の食費が高すぎる(またはマズイ)まで、いろいろ。「隣のバールでスプリッツ(というヴェネツィアのカクテル)を飲んだら2杯で16ユーロもした!みんな、気をつけろ!!!」というのがあったと思うと、その隣に「酔っぱらいめ!うちは1杯たったの2ユーロ。16ユーロなら8杯飲んだんだろう!!!」という反論が。

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手書きで、文章で書いてあるものも多いが、イラストもの、4コマ・マンガ、コラージュ・・・とその表現方法もさまざま。それも、下手ウマ(?)なものから玄人はだしのものまで。文章も絵も、中には怒りのたけをそのままぶつけたものもあるが、結構、ウマイ!ザブトン1枚!と思わず言いたくなるものもあり、楽しめる。






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プラスチックと紙のコップを貼り付けた立体作品は、ごみの分別収集がなっていないことを訴えるもの。








会期終わりには、「最優秀賞」も発表されることになっている。残念ながら、その時間に見物することができず、どれがトロフィーを得たのかわからなかったのだが・・・。まあ来年、この会場で「昨年の最優秀作品」として、あらためて拝むことができるだろう。

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「表現の自由」なんて大きく逸脱した、えげつないものも多い。だが、専門家や関係者による「公式な」コメントでない、一般の人が意見する場があるというのはいい。これがないと、ヴェネツィア映画祭はやっぱりちょっとさびしい。

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(今年はテイーン・エイジャー・コーナーも登場した)

21 settembre 2008
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by fumieve | 2008-09-22 08:52 | 映画

「ミラ・ショーン 線と色と表面」展

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ミラノ、パラッツォ・レアーレ
10月12日まで

mila schön. Linee colori superfici
Milano, Palazzo Reale
19 settembre – 12 ottobre 2008

ちょうど2週間前に、イタリアを代表するデザイナーの1人、ミラ・ショーンさんが亡くなった。(http://www.47news.jp/CN/200809/CN2008090501000962.html )
89歳(一部の報道では92歳とも)の大御所、数年前に現役からは退いていたものの、常にファッションへの情熱を持ち続け、さまざまな活動を続けていたという。
そのショーンさんの、活動50年を記念する展覧会が開かれている。もともと、生前から企画されていたもので、本来なら本人自らオープニングを祝っていたはずであるほか、展覧会の内容についても、亡くなる前におそらく目を通されていたことだろう。

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モード雑誌を立体化したような、写真を大きく使った、派手で華やかな展示。
今のミラノ・ファッションの代名詞のような、アルマーニやドルチェ&ガッバーナらに比べると一世代前だからだろうか。ミラ・ショーンというと、とっさに思い浮かぶのは、マークの入ったタオルだのスリッパだの、といった生活用品。が、もちろん、本物の「ミラ・ショーン」は、あれではない。(蛇足だが、あのライセンス・ビジネスというのは、名前を売るには相当効果的なのだろうが、逆に、ブランド・イメージを下げる効果もあるように思う・・・)

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第1室が「幾何学(Geometrie)」、第2室が「同時性(Sincronie)」、第3室が「立体幾何学(Stereometrie)」・・・と何やら難しく分析・展示されている。が、ほんとにすてきなものは、あまりややこしい解説は必要としない。配置や、光さえ正しく展示されていれば、見るだけでほかは何もいらない。

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特に、第1、第2室の大半を占めていた、60年代のビーズのドレスやスーツが特にすばらしい。金や銀のビーズ、小さな丸いもの、細長いもの、それにスパンコールや奇石、サンゴなどの別の材質を合せたり、1つ1つ生地の上に縫い付けられて、模様を織りなしている。1つ1つ目を奪われ、右から見たり左に回ったり、上から下からと覗きこんでは、溜息のつき通しだった。ガラス・ケースなしの展示なのがありがたい。
ビーズものは、形は比較的シンプルなものが多いのだが、その重みで生地が独特に「てろん」と落ちる。中に入った女性の体のラインをより美しく見せ、またその動きにゆるゆるとついていくのが、また一段と色っぽさを強調するのだろうと想像する。やたら胸元を強調するだけのセクシーとは、一歩も二歩も違う。
どれもすばらしいのだが、特に、「クリムトに捧ぐ」と題された69年のシリーズでは、金のビーズ模様があたかも大輪の花を咲かせたように全身を飾り、あるいは66年の大きな雪の結晶のような銀のビーズにも目をみはった。


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ちなみに、撮影禁止だったため、このブログ内の写真はすべて、主催者であるミラノ市のHPから借用した。プロの写真はさすがにきれいなのだが、自分の見たものそのままでない写真は、少々欲求不満がつのる・・・。








ここの展覧会はいつも結構入場料が高いのだが、これはなんと無料。ドォーモのすぐ横なので、ミラノ観光のついでにぜひどうぞ。

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20 settembre 2008
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by fumieve | 2008-09-21 08:15 | 見る・観る