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ヴェネツィア ときどき イタリア

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拝啓 イタリア国鉄さま


いつもお世話になっております。
本日はいつもに増して、みなさまのすばらしい仕事ぶりおよび協力体制を垣間見せていただき、ぜひとも感謝の言葉をお伝えすべく、こうして筆をとった次第です。

まず、今朝3月30日(月)、6:40にペルージャ駅からフィレンツェに向かって急行(ICP)に乗るつもりだった私に、あなたがたは、列車到着前からさっそく「5分遅れ」と、今から思えば今日一日の事態を十分予測できる情報を正確に与えてくださいましたね。
そうして、実際は10分ほど遅れて出発した電車は、まだペルージャの郊外に出たばかりのところでガックリと止まり、「路線上に問題があり、いつ発車できるかわかりません」と明確な情報をアナウンスしていただきました。
この時点で既に、すべてをあきらめかかった私を励ましたのは、再び動きだしたときのアナウンス、「20分遅れですが、走行中にできるだけ取り戻します」という前向きなお言葉でした。
ところが、列車はそのあとも不定期に止まったり、徐行したり。フィレンツェの駅で20分の待ち合わせでヴェネツィア行きの特急に乗るはずだった私はかなり焦りました。途中、検察に来た車掌さんAに、大丈夫かと尋ねると、彼はおそらく、自分の列車のみに意識を集中しているのでしょう、乗り継ぎがあることを全く知らなかったばかりか「今、がんばって走っているから・・・」と、大丈夫とも大丈夫でないとも明言を避けられました。彼の仕事の正確性を見る思いでした。

ようやくフィレンツェが近づいてきます。みなを必要以上に怒らせないためでしょう、ここへきて全くアナウンスはありません。ヴェネツィア行き特急のフィレンツェ中央駅発車は8:37。すでに8:30を回って、どきどき感は増し、また、同じ特急に乗る他の乗客たちとのニワカ連帯感が生まれます。あかの他人であるはずの人々と、親しく会話ができたのも、すべてこの列車の遅れのおかげです。
8:40、ゆるゆると一段と慎重にホームに入ります。そういえば、特急などに乗っていると、ときどき「待ち合わせの電車が遅れているため」といって発車が遅れることがよくあります。このくらいの差なら、きっと待っていてくれることを確信しました。いざ、ホームに入ると、ちゃんと隣に特急の車両が止まっているではありませんか!!!

同士たちと、急行から駆け降り、特急に乗り換えようと近寄った途端・・・まさに私たちの鼻先をかすめて、ヴェネツィア行きの特急は旅立っていきました。そうです、その特急もすでに発車時刻を過ぎていたのですから、これ以上遅らせるわけにはいかなかったのでしょう。

責任ある行動に感心しつつ、ついつい大声で、そこに立っていた「特急乗客担当係」の駅員Bに苦情を申し立てたところ、「それは、もとの列車の車掌に言っておかないと」と、もちろんこちらはちゃんと言っておいたことを、改めて思い出させてくれました。
Bさんは、われわれの苦情に落ち着いて首をふるばかり。そして「次のヴェネツィア行きは10:37。」と親切にも教えてくれました。が、残念ながら、早朝に起きてこの急行に乗ってきたのは、私のみならず、みんな、急いでいる人ばかり。2時間も待っていられません。
するとBさんは苦笑いのまま「今、乗ってきた急行(ミラノ行き)でボローニャまで行き、そこで鈍行に乗り換えたら・・・」。この、言葉尻の「・・・」が、あとから思うと、またその後のすべてを暗示していたようです。ここに気がつかなかった私が愚かでした。

一向にフィレンツェから発車しそうにない急行、別の車掌さんCに尋ねると、「もうしばらくしたら出ます。ボローニャからヴェネツィアは『たくさん』電車があるから大丈夫、正午くらいには着けますよ」。調べもせずに自信を持っての前向きな回答に、これまたずいぶんと励まされました。
結局、フィレンツェを出たのは30分以上遅れていたようです。さらに、相変わらず、まるでしゃっくりのように変なところでガクガク止まります。フィレンツェからボローニャは通常、急行なら約1時間ほど。ようやく、あと10分でボローニャに着くだろうか、という小さな駅で再び止まります。車内のイライラ・ムードも最高潮に達していたところに入ったアナウンスは、「機関士の到着を待つため、しばらく止まります」。
???・・・列車の故障???それならもう、いつ発車するかわからない・・・今度こそあきらめの境地です。でも、故障ならどうにもなりません。

同じコンパートメントにいたシニョーラが、確認に行きました。そしてわかったのは、これまでの遅れのため、運転士の労働時間が終了したこと、したがって交代要員を待たねばならない、ということ。
そうでした、イタリア国鉄は、労働者の権利を最大限に守る、すばらしい会社であることを改めて思い出しました。

15分ほど止まったでしょうか。ボローニャに到着したころには、1時間近く遅れていました。ですがここでも、「フィレンツェを出てからボローニャまで1時間15分かかった」のだから、遅れは「15分」とする考え方を示されたのは、まさに目から鱗でした。
どんなときでも、できる限り自分に都合のいい解釈をしなくてはならない、という教訓が身にしみました。

ボローニャに着いてわかったのは、ヴェネツィアに向かうには、結局フィレンツェを「2時間後」に出た特急に乗るのが、よもやこの時点で一番早いということ。
自分のジタバタを深く反省し、今度こそおとなしくその特急に乗り、予定通り2時間遅れでヴェネツィアに到着しました。

そのままお客様窓口に直行します。特急・急行の指定券は30分以上遅れると「ボーナス」という名の一種の払い戻しがありますが、今日の私の場合、急行も特急も、それぞれは30分以上遅れていません。が、私としてはこのままではおさまりません。
いつもお世話になっているため既に顔なじみの苦情、もといお客様窓口では、ガチャガチャとコンピュータで何やら調べた結果、「この場合は『ボーナス』でなく普通の払い戻しにあたるので、この書類を書いて切符売り場の窓口へ行ってください」と親切に対応されました。
そうして切符売り場窓口へ行くと、「これは『ボーナス』だから、お客様窓口へ」。
忘れかかっていた、イタリア式「たらいまわし」の儀式も、ここで思い出させていただきました。ですが、窓口にしがみつかんばかりにして、大げさに嘆き、半べそ顔で粘った私は、あまり好ましい顧客だったとは思えません。再びそのまま10分くらい待たされ、結局、「払い戻し?または『ボーナス』?」と書き込みつつ、そこで受理してくれた駅員さんにはいくら感謝してもしきれないものがあります。
・・・あとは、その書類を受け取る部署で、いつもの通りきちんと処理をしてくれることを祈るばかりです。

今日の乗客の中には、電車の利用に懲りて、やはり車のほうがいい、とひょっとすると自動車を購入する人も出てくるでしょう。世界経済不況、とくに落ち込みの激しい自動車業界に、確実に前向きな影響を与えているに違いありません。残念ながらとても自家用車を持つ余裕のない私は、役に立てない悔しさでいっぱいです。

ちなみに私はこうして今日の午後の仕事に間に合わず、おかげさまで、今日1日のできごとをよく反芻しつつ、自宅でゆっくり休息できたことも追加でお知らせしておきたいと思います。
すっかり長くなってしまいました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
敬具

Fumie
30 marzo 2009
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by fumieve | 2009-03-31 23:30 | 日常生活

ペルージャ2009

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ちょうど1年前に6年ぶりに戻ったペルージャを、再び訪れる機会があった。

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そう、というわけで、昨日の答えは「ペルージャ」。
丘の上の町、歴史的中心区から、ふもとにある駅、そしてスタジアム地区までをつなぐ、いわゆる新都市交通、その名もミニメトロ(Mini metrò)。まっかなレールに銀色の車体が走る「新しい光景」は、しかしもちろん、町の中でには侵入しない。見かけるのはわずかに、乗り場を示す表示板だけ。

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晴れていれば、うんといい季節であったはずだが、あいにくの雨。降ったりやんだり、だが、場所によっては強い風が吹いている。

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歩き慣れた道、変わらずに残る老舗もあるが、結構入れ替わっている店も多い。それもそのはず、私が住んでいたのは、もう8年も前のことなのだから。おなじみのお店が消えて、ふつうの全国展開のショップになってたりするのは残念な一方、気になるお菓子屋ができていたりするのはちょっとうれしかったりする。

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全然変わらないのは、広場と、町並みと、坂道、それから、一歩外に広がる緑の風景。

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29 mar 2009
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by fumieve | 2009-03-30 08:10 | ほかのイタリア

ここはどこでしょう?

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ちょうど1年前に、「!!!」と気がついたのだが、タイミングが合わなくて利用する機会がなかった。今度は絶対に乗ってみよう!とはりきっていたのだが・・・

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駅の横、赤いレールを目印に乗り場をめざす。
券売機と、自動改札は、ミラノの地下鉄(の新しいの)みたいな感じ。
だが、強化ガラス中心のホームのつくりや、「モダン」な雰囲気は東京の「ゆりかもめ」や新しい地下鉄を思い起こさせる。
そこへ、車両、というよりはスキー場のゴンドラのような銀色の箱がやってくる。内装は赤1色。乗り込んで、いざ、出発!

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駅から、町へは上り。単線でなく、往復別車線になっていて、驚くべきことに、次から次へと対向車両がやってくる。実は、駅で待っていても1分間隔ぐらいにじゃんじゃん次のが来るから、1つ1つの車両はそう大きくないのだが、すいているし、何より待たされない。

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駅周辺のマンション街を抜け、緑の地帯を抜ける。

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やがてトンネルに入り、

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トンネルを抜けると、終点だった。

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ここまでわずか10分足らず。

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着いたのは、こんなとこ。

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今度は上から下まで降りてみる。

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レールを見ていると、坂の勾配もカーブも結構あるが、乗っている分には安定していてあまり気にならない。

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(もっとも私の場合、急坂をジェットコースターのごとく上り下りしてぶんぶん揺られる「湘南モノレール」や、狭い路地を思わぬスピードですりぬける「江の電」に慣れているせいかもしれないが。)

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鉄道駅を通りすぎて、下の終点は、サッカー・スタジアムをはじめ、スポーツ施設が集中するエリア。

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エコ対策で最近、路面電車が見直され、イタリア各地で一度はバスに押され廃線になったものが復活されたり、新たに敷設されたりしている。これもその一環だが、丘の上の町まで路面電車は無理があるため、こんな「新都市交通」が作られた。
まるでイタリアではないみたい。だが、これが、サッカーの応援にかけつけるサポーターたちでいっぱいになるときには、やっぱりめいっぱいイタリアを感じることになるのだろう、きっと。

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28 marzo 2009
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by fumieve | 2009-03-29 08:40 | ほかのイタリア

お知らせ:3月28, 29日、FAI(イタリア環境基金)一般公開の日



何か1つ恒例行事がめぐって来るたびに、えっ?あれからもう1年?とびっくりしてしまう。
年を重ねるというのは、そういうことなのだろうと思うが、それにしても、月日がたつのが早すぎる。

今年もまた、giornate FAI di primavera「春のFAI(イタリア環境基金)デイ」がやってきた。ブログを振り返ってみたら、去年は4月6日だったので、正確にはまるまる1年は経っていないが、そういえばまだ、「春」というにはうすら寒い1日だった。
FAIは、Fondo Ambiente Italianoの略で、イタリアの自然・文化・歴史遺産を保護する目的で結成された非営利団体。
faiというと、fare(する)という動詞の二人称単数形と同じで、(あなたが)やる、やりなさい、という、英語で言うとyou doの意味になっているところがミソ。
FAIの活動を一般に知らせ、賛同を得て寄付や新会員を募るのが主旨だが、もちろん参加は自由。安全、または保護上、あるいは完全個人所有である、など、さまざまない理由によりふだんは一般公開されていない、土地や屋敷、庭園などがたいていはガイド付きで見学できるいい機会である。

公開される場所や時間は、FAIのサイト内のリストで確認を:
http://www.fondoambiente.it/(ちなみに私は昨日から何度も試しているのだが、どーーーーーうしてもサイト内の該当部分が開けない・・・。)
事前予約が必要なところもあるので要注意。

27 mar 2009
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by fumieve | 2009-03-28 07:35 | 見る・観る

キャンディーのようなビーズたち、ペルレ・エ・ディントルニ

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S.Marco 3740 (Calle della Mandola)
www.perle-e-dintorni.it/

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カラフルで楽しいビーズのアクセサリーと言ったら、何といってもここ。

ウィンドウにはいつも、ちょっと気になるアクセサリーが並ぶから、チェックが欠かせない。前を通るたびについつい足を止めてしまう。
中は、小さなお店の壁いっぱいに整列するガラスのビンを見ると、まるで量り売りのキャンディーのお店のよう。大粒のもの、ミリ単位のもの、透明なもの、金や銀の箔が入ったもの、まんまるだけでなくってハートや星型。キラキラのキャンディーのようなその中身は、残念ながらほんもののキャンディーではなくて、ぜんぶ、ガラスのビーズ。

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もっとも最近は、異素材を組み合わせたアクセサリーがはやりだから、実際にはガラスだけでなく、さまざまな材料がおいてある。

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ここ、ペルレ・エ・ディントルニ(Perle e Dintorni、ビーズとそのまわり)は、その名の通り、こういったガラスのビーズやアクセサリーのパーツのバラ売りの店。だから、自分で何か作る人、作りたい人は、もちろんビーズ1つから購入OK。また、完成品として売っているものも、基本的には使ったビーズなどの材料費の値段そのままだから、どれもが「1点もの」の割には比較的リーズナブルな価格なのもうれしい。
また、時間が許せば、自分でビーズを選んで、お好みのネックレスやブレスレットを作ってもらうことも可能。

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リアルト橋(サン・マルコ側)から、サン・マルコ方向に向かわずに右へそのままずっとまっすぐ歩く。羽のはえたライオン座る銅像のあるマニン広場(Campo Manin)を通りすぎ、橋を渡った道の右側。先日、チョコレートのイベントがあったサンタンジェロ広場(Campo Sant’Angelo)のちょっと手前。

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何度もヴェネツィアに来ている友人も、来るたびに必ず「あのアクセサリーの店に行きたい」と言って寄る、ごひいきの店になっている。
S.Polo地区にもう1軒、また、S.Apostoliの近くによく似た店が1軒あるが(こちらは経営が違うらしい)、私は1番小さいこの店が1番好き。

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26 marzo 2009
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by fumieve | 2009-03-27 08:20 | Shopping!

春の憂鬱

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日が長くなってきて、ここんとこ風は冷たいけどいいお天気の日が続いて、確実に「春」を感じるようになってきた。

何はなくとも心がはずむ季節とうらはらに、かなり真剣に肥満に悩んでいる。
ここだけの話、おそろしいことにこの1年で5kgくらい増え、自己ベスト体重からすると+10kgくらいになっている。

そりゃあーた、それだけ食べてれば太るでしょ、と突っ込まれそうだし、それは全く否定できないけど、それにしてもひどい。

たくさん食べてもちろん太るし、食をかなり抑えても太る。
お酒を飲まなくても、飲んでも太る。
便秘になっても(あまりならないけど)太るし、おなかを壊しても(なぜか)太る。

運動不足で太り、少々体操なぞすると、使った筋肉の部分がよけい膨らんでいる。

睡眠不足でも太り、たくさん寝ても太る。

ストレスを感じても太るし、リラックスしても太る。

・・・

一応気にして、自分なりに努力しているはずなのに、いったいどういうことなのだろう???
2か月前に体重計を買って以来、増えていることはあっても、減っていたのは、具合が悪くて1日中寝ていた翌日だけ。
・・・
そういうお年ごろ・・・もとい、年齢なんだろうけど、世の中、出会う人は同じ年代の人でも、みんなもっとすっきりしているし・・・

とりあえず、まだまだロング・コートを手放さずにすむよう、ほどほどに寒いままでいてほしい・・・。

25 marzo 2009
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by fumieve | 2009-03-26 08:41 | 日常生活

「わかめ発電」に着手!?、ヴェネツィア


数年前に、ヴェネツィアを囲むラグーナ(潟)で、「わかめ」が異常繁殖して困っている、とニュースになったことがある。ぐんぐん成長した海藻が、通常の水流をさまたけるのみならず、建物やいろいろな支柱、舟などにからみついて危険になっている。この「わかめ」は、日本や中国では食用にしているのに・・・というような話だったと思う。
その翌年だかには、「わかめ」はなりをひそめ、また別の種類の海藻、確か今度は日本でも食用でないタイプのものが大増殖して話題になっていた。
海流、海水温度、気候などによるのだろうが、いってみれば、どこかの畑でいなごが大発生したり、しなかったりするのと、似たようなものだろう。

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今朝(3月24日付け)のコッリエレ・デッラ・セーラ紙ヴェネト版によると、ヴェネツィアの港湾当局が、海藻の光合成を利用したバイオ発電所の構築を発表したらしい。
「わかめ」なのかどうか、Diatomeaという土着の海藻(diatomeeで珪藻類の意味)の光合成による発電で、インパクト・ゼロで年間50メガワットの電力の供給を3年後に目指し、合弁会社を設立した。
発電所は、ヴェネツィアのすぐ内陸側にある、マルゲーラ工業地区内を予定。
同工業地帯では、年間約10メガワットの電力を消費しているが、「わかめ」発電では、これに加え、残りの40メガワットで、ヴェネツィアの歴史的地区内の需要80-100メガワットの約半分をカバーできるとする。

ちなみに、海藻のバイオマスからのエネルギー抽出は、完全に閉じたサイクルで行われる。ガス・タービンから発生する海藻の二酸化炭素は、再び新しい海藻の養分として利用される。
(←このあたり・・・ほとんど意味不明のまま、そのまま訳してます・・・すみません)
新工場では、作業にあたり約50名の雇用が見込まれる。(それだけ???)
工業、および家庭用電力の発電所は、この種のものでは世界初であり(そうでしょうとも・・・)、カリフォルニアやアリカンテに見られる一部の例を大きく超えるものになる。
・・・

「わかめ」かどうかはともかくとして、光合成発電なんてものが、はたして今現在、そんな大規模な実用段階にあるのかどうか、不勉強なため知らないし、たとえあったとしても、この国で3年後に何か新しいものができていることなんて、ほぼあり得ないと確信している。
だが、実は、イタリアは聞いたこともないような小さい町や村に限ってときどき、世界初だの世界一だの、という変なプロジェクトを遂行して注目を集めたりすることがある。
ヴェネツィアは、そういう意味ではちょっと大きすぎるのだが、でも、ローマでもミラノでもない、もろに自然に囲まれた環境だからこそ、そんな一風変わった天然資源利用を世界に先駆けてやってみるのも悪くない。

施設ができた暁には、ぜひとも見学に行って、またこのブログで紹介できたら、と思う。
・・・って一体いつになるのか!?(笑)

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(写真はいずれも、www.corrieredelveneto.it から借用)

24 marzo 2009
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by fumieve | 2009-03-25 07:00 | ヴェネツィア

イタリアの見た日本人17・迷宮へ


(このシリーズは、2007年7月に卒業した際の卒業論文「16-18世紀の西洋図像における日本の服装」を、研究・調査途中のつまづき・つぶやきなどを交えつつ、日本語でまとめたものです。)

イタリアの見た日本人:これまでのお話
16・みたび、「日本の若者」
15・幻のピエトロ・リッキ
14・「日本の若者」、ふたたび
13・鎖国
12・常長の服装
11・おさらい:日本の男子の服装の歴史
10+おまけ・大統領官邸の外国人使節たち
10・大統領官邸の支倉常長
9・ローマ再び~支倉常長像
8・「アジア」の姿
7・番外編:ない袖は振れぬ?2
6・番外編:ない袖は振れぬ?
5・ヴェネツィアが失くしたもの
4・ヴィチェンツァ
3・ローマの天正少年使節団
2・天正少年使節団
1・「日本の若者」

ほんとにあと一歩、のところまで行っていたのに、前回からずいぶん間があいてしまった。

この卒業論文、ひいては卒業にあたっては、何よりもまず、すばらしい指導教官に出会えたことに感謝しなくてはならない。ヴェネツィア大学・文学哲学部・文化財保護および美術史科の講師、服飾・テキスタイル美術史のドレッタ・ダヴァンツォ・ポーリ(Dretta Davanzo Poli)先生。
もともと好きな分野とはいえ、まさか専攻にするとは思っていなかったモード史を選んだのは、まずは同先生の授業に魅かれたことにある。素材である糸から、さまざまな織物や刺繍という工芸品、そして衣類や装飾品への仕立て。絵画や彫刻、書籍の中に見るその姿と歴史。
社会史や風俗史、表舞台だけでないさまざまな「歴史」にも目を向ける必要があるのみならず、その全てが、ひとの手を通じてこの世に送り出されてきたこと、そしてまた、保存や修復の手を必要としていること。
ヴェネツィアおよび近郊各地での美術館や工芸品コレクション責任者などの豊富な経験と机上だけでない圧倒的な知識は、文句なしに私の憧れとなった。

まともにイタリア美術史にぶつかっても、やはり他の学生には立ちうちできない、それならば、何か自分が日本人であることを生かした研究をしたい、と相談に行った私に、いくつかの興味深いテーマを提案された。そして、研究に入ってからも、すぐに壁にぶつかっては、簡単に白旗を上げてやってくる困ったちゃんを、励まし、おだて、次々と適切な指導をされ、かつ、一字一句最後まで、私のひどいイタリア語に目を通し、手を入れてくださった。

そう。まさに提出締切間際、例によってぎりぎりまで、どうにかこうにか出来上がった論文に目を通しながら、最後の修正・訂正を行っていた。
ふと・・・ざーーーっと血の気が引く、いや、むしろ、かあーーーっと再び頭に血が上るのを感じた。
慌てて先生に「内容を変更してもいいですか?」とメールしたのは、締切2日前だったと思う。何でこんなことに今ごろ気がついたのか?・・・いや、今まで気がつかなかったのか?
いくらコピーとはいえ、もういい加減、必要部数を印刷しなければ間に合わない。
1日待ったが、返事がない。実はそのころ、ポーリ先生はご自身の体調を崩されていて、その中で私たち学生のためにかなり無理をされていた。
仕方がない。もとのままで出すか。
印刷・簡易製本に、超特急で持ち込む。
一度家に帰ると、先生から返信が来ていた。「OK、ただしもうこれ以上は直さないでね!!!」
慌てて該当ページの差し替え原稿を作り、製本屋に舞い戻る。

こうして私は、やっぱりぎりぎり締切当日の朝、卒論を無事に提出した。
(実はこのあとさらに、表紙と、本文1ページ目に単純ミスを発見し、同日午後もう1回差し替えた上に、あとから訂正シールまで貼るはめになった・・・かっこわる・・・)

最後の最後に直したこと。
1585年に天正少年使節団がヴェネツィア共和国に残した着物は、こう記録が残っている:
1) 白いタフタでできた、長く幅広いズボン
2) 鳥や花、植物が多色で描かれた中着
3) ターコイズ・ブルーや黄色で模様の描かれた、浮き織の錦の短い上着
4) タフタでできた半袖の上着、赤で裏打ちされ、表は多彩に模様が入ったもの
これらは、1773年までは確かにパラッツォ・ドゥカーレにあった。

18世紀ヴェネツィアの画家、グレーヴェンブロクによる、私家版ヴェネツィア図鑑に登場する「日本の若者」と、我々が名前を知ることのできない誰かが、メディチ家所蔵の彩色された「古今東西世界の服装」。
彼らの服装は、われわれの認識する「日本の服装」からは程遠い。だが、その色は、パラッツォ・ドゥカーレ所蔵品の記録と、ほぼ一致している。
グレーヴェンブロクの図鑑完成が1754年。メディチの水彩は1765年以前。
少なくともやはり、ヴェネツィアにいたグレーヴェングロクは、パラッツォ・ドゥカーレで「本物」の着物を目にしたのではないか。
唯一、上着の色「赤」が表でなく裏打ちなのが気になるところだが、まさかマネキンに着せてあったはずもない。畳んでおいてあったものが、ほぼ200年の時を経て、特に表地が元の色がわからないほど退色のか、あるいは、それを恐れて、あえて裏を向けて畳んであったのか?
ほんとのとこは、わからない。
*****

指導教官のほかにも、多くの関係者の指導、支援、協力をいただいた。
ヴェネツィア大学日本語学科のA.B教授、ヴェネツィア貯蓄銀行図書館のP.V.教授。ヴァチカン美術館美術担当者G.C.さん、ヴィチェンツァ市立美術館長Aさん。
ローマ日本文化会館のA.S.さん、服飾史研究家のN.K.さん。
パラッツォ・モチェニーゴ博物館および図書館館長のC.S.さん。
そして、副指導官のS.M.教授ほか、大学在学中これまでお世話になったすべての先生方に、改めて感謝の意を表明しつつ、とりあえずこの連載もここで一区切りとしたい。

ここまでおつきあいいただいて、ありがとうございました。

23 marzo 2009

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by fumieve | 2009-03-24 08:45 | 卒論物語

日曜散歩、ヴィチェンツァ

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「お天気が崩れて寒くなる」と脅された週末、幸いなことに、ヴェネツィアではそのままいいお天気が続いて、金曜日あたりは風がうんと冷たかったが、今日はほんとに春めいた、いい日曜日になった。

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所用のため出かけたヴィチェンツァで、無理やり小1時間ほど、かけ足ながら町中散歩ができるシアワセ。

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今日のヴィチェンツァは、ノー・カー・デイだったらしく、旧市街全面車両通行止めで、歩行者大天国。見事にぜ~んぶ閉まったお店のならぶ目抜き通りを、みんな、ぶらぶら、の~んびり、おしゃべりしながら歩いている。笑っちゃうくらいふつうの、イタリアらしい、日曜日の午後。



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小さな町ヴィチェンツァは、ちょうど、ひとのサイズにできているのを実感する。

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ただし、たくさんいる自転車は、ちょっと危ないくらい行きかっているので要注意・・・。

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22 marzo 2009
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by fumieve | 2009-03-23 08:30 | ほかのイタリア

「/italics/1968-2008年、伝統と改革のはざまのイタリア美術」展

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パラッツォ・グラッシ、ヴェネツィア
3月22日まで

/italics/
Arte italiana fra tradizione e rivoluzione 1968-2008
Palazzo Grassi, Venezia
27 set 08 – 22 marzo 2009
www.palazzograssi.it

この展覧会は逃せない、これは絶対見なきゃ、とイタリア各地のイベント情報をチェックしていながら、ヴェネツィアでやっている展覧会はいつでも行かれるから・・・とついつい後回しになって、いつのまにか見ないうちに終わっていたりする。
1968年から2008年までの40年間の、イタリアの「アート」を見ようというこの企画展も、昨年9月からやっていたというのに、はっと気がついたら明日までになっていた。

開幕当初、いや、開幕前からかなり話題になっていた。詳しくは忘れたが、要するに、イタリア現代アートの40年史を語る上で、なぜこの作品が入っていてあの作品が入っていないのか、とか、なぜ、彼が登場しないのか・・・などなど。
もちろん、おおまかな流れというか、(学会)一般の定説というのはあるのだろうが(ちなみに、私はこのあたり全く無知)、美術家だって美術品だって無数にある中で、何をどう選んで、ひとつの「企画展」として見せるのかは、それぞれのキュレター(または企画者)の判断であって、それは古典であろうが、現代作品であろうが変わらないはず。が、それだけ物議をかもしだすのはやはり、現存の作家であったり、そのすぐ次の世代の家族が権利を所有したりしているために、展覧会に出すにも出さないにも、あれこれ具体的かつ巨大な損得が発生するからなのだろう。
・・・などと余計な推察をして、アートは順列をつけるものでも、ましてやお金で計るものではない、キレイゴトを思ったりして、開幕当初はなんとなく冷めてしまったこともある。

そうしてようやく最終2日前、それも閉館間際にあわてて飛び込んだ。
現代美術展で起きるのはいつも同じこと。この作品は何なのか?作者は何を言いたいのか?・・・言いたいことがあるのか、ないのか?・・・しばしば、わけのわからない物体を前にして、無言でうなずきながらそれを「すばらしい」と思わなくてはいけないような、変なプレッシャー。
久しぶりに迷い込んだ、思索の森。
だがそういえば、ここの展覧会はいつも、オドロオドロしいものや、ブキミなものはしばしばあれど、「静か」だ。聴覚的にも、それから、視覚的にも。
音が出る作品が少ないというのもあるが、また壁の解説なども最低限にとどめられていて、特に知らない作家、作品が続くと物足りない、不安な感じにも襲われるが、でも実はより作品に集中できる。それも、難しいことはすっかり放棄した私の悩みは単純。
何だろう、これは?
と、
好きか、嫌いか。

ほとんど駆け足で会場をまわりつつ、今さらながら、あらためて第一印象の重要さを思った。そもそも、くだくだと説明を読まないとわからないような作品は、好きじゃない。
そして、映像や音楽、パフォーマンスなどはもちろん、じわじわっとあとから盛り上がるのでいいが、いわゆるヴィジュアル・アートの場合は、絵だろうがオブジェだろうが、美しかろうがおどろおどろしかろうが、ともかく一瞬で注意をひかなくてはだめ。そうやって惹きつけておいてこそ、じっくり見られて、あれこれ評価の対象になる。
だからもちろん、アイディア勝負みたいなところもある。
だが、まず、見てもらわないことには、どうにもならない。
会場入ってすぐ、そこのホール中央に展示された、Maurizio CatelanのAllという作品がまさにそれだった。シーツにくるまれた、9つの遺体がそっと並ぶ。男女も、年のころも、人種もわからないが、明らかに遺体らしいことはわかる。いや、遺体を模して大理石を彫ったものだが、イタリア伝統の墓碑彫刻そのもので極めて写実的な姿を見せている。
偉人でも聖人でもない、無名の人々の遺体は、現代においてもなお、私たちのすぐそばにある不条理な死に抗議する、作者Catelanのメッセージであった。

現代美術の壁は、やはりまだまだ高かった。
今年はまたビエンナーレの年でもある。「面白い」と思える作品に、どれだけ出会えるのか楽しみにしたい。

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21 marzo 2009
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by fumieve | 2009-03-22 18:56 | 見る・観る