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ヴェネツィア ときどき イタリア

fumiemve.exblog.jp

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そのころヴェネツィアでは・・・

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私がウディネで極東映画祭にどっぷり浸かっていた昨日28日、実はヴェネツィアにチャールズ英皇太子夫妻が来訪していた。

チャールズか「おくりびと」かなら、やっぱりモックンでしょ、・・・って、別に本物のモックンが来たわけでもないし、ましてやチャールズなんて実際はお見かけもしないだろうけど。ともかく私は、ウディネにいた。

今回の「目玉」は、チャールズ皇太子の、「ヴェネツィアの庶民の家訪問」。
いわゆる庶民的住宅街の中にある、ヴェネツィア市、ユネスコなどによって古い建物を修復、市民用アパートに改築したうちの1軒で、The Venice in Peril Fundという英国の財団が資金を出したため。
その「家」は、正面からまともに写真を撮れないほど狭い路地にある。
実際はこの建物が4軒のアパートに分かれており、チャールズ皇太子が訪問されたのは、このうちの1軒、1階にある、70歳前後の夫妻の住む家だった。(下の写真は中庭から)

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事前に、視察(?)を受けた夫妻は、唐突に「ところで、お宅には椅子が5脚ありますか?」と聞かれ、びっくり仰天。なぜ、4でも6でもなく5なのか、そして「ひょっとしてカフェでもごちそうするんでしょうか?それともやはりお茶?」。

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今日のコリエレ・デル・ヴェネト(コリエレ・デッラ・セーラのヴェネト州版、皇太子入りの写真はそちらから拝借)によると、飲み物は、担当者のほうからジュースが持ち込まれたらしい。そして、やはり一緒に用意されたのは、ヴェネツィアの伝統菓子、エッシ(Essi, S字型のクッキー)、ザエーティ(Xaeti, ヴェネツィア弁で『黄色いやつ』という意味のクッキー)、ブラネーイ(Buranei、ブラーノ島のクッキー)。皇太子自ら、トレイを手にとって、みなにふるまったという。
その際の会話の内容はというと、
「料理にはガスを使うのですか?」
「ご近所の方との関係はいかがですか?」
そして、いわゆる「ヴェネツィア風」の床に興味を示されたらしい。

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ちなみにこの時間、カミッラ夫人は、別行動でグッゲンハイム美術館をご見学(されたはず)。
チャールズ皇太子と、アパートの夫妻、あと2脚は果たしてだれが使ったのだろうか・・・(笑)?

そのあと、フェニーチェ劇場で合流して、オペラ「マリー・スチュアード」を観劇された。
・・・らしい。

北イタリアでは大雨が続き、といっても、ヴェネツィアはこの日、いいお天気だったようだが、この晩には、深夜近くに117cmのアックア・アルタを記録した。もちろんご夫妻はそのころ、ホテルですっかりおやすみになられていたことであろう。
(もっとも、マスコミはきっと、「長靴の皇太子」の写真が撮れなくて、ちょっと残念だったのではないかと思うが・・・笑)

今日はウディネでは朝から季節外れの雷雨。ヴェネツィアへ戻るために乗るはずだった電車は遅れ・・・というか、「安全装置への落雷のため、回復の見込み未定。」
・・・天災はどうにもならないのはわかる。・・・だが、この路線、この1年以内で落雷の被害が初めてではない。・・・被雷針くらいつけたらどうなんだろうか・・・。

遠回りをしてようやく辿りついたヴェネツィアは、晴れたり突然雨が降ったりしていた。
明日は晴れるんだろうか・・・。

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29 aprile 2009
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by fumieve | 2009-04-30 16:54 | ヴェネツィア

極東映画祭・4~「見ればわかる」、アカデミー賞「おくりびと」

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2009年のアカデミー賞外国映画最優秀賞は、イタリアの「ゴモッラ」で決まりだ!と多くのみんなが信じていたイタリアでは、それがノミネートにも入らなかったときのショックで、何とも複雑な思いで迎えた今年2月。
少なくとも、ここでは大予想外だった、日本の、滝田洋二郎監督作品「おくりびと」の受賞のニュースは、驚愕を持って伝えられた。

この極東映画祭の、今年の最大の目玉は、もう何といっても「おくりびと」の欧州先行上映。それも、アカデミー受賞前から確約をとっていたこと、さらに言うと、既に2000年に、滝田監督の「秘密」をここで上映しており、その際に滝田監督を初の日本人ゲストとしてこの映画祭に招いていることが、主催者側の最大の自慢でもある。

今日の上映に先立ち、地元紙はもちろん、全国紙コリエレ・デッラ・セーラ紙にも、26日(月)に大きく写真つきで「おくりびと」が紹介された。

・・・(はじめは疑いを持って見ている観客も)場面から場面を1つ1つ追っていくうちに、この仕事の重要さがわかってくる。・・・見終わったあと、確かに、アカデミー賞は決して賭け(運)ではない、と納得できる。

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上映は、平日の20:00という時間にも関わらず、完全満席。正確に言うと、期間中、自由席のパスを購入している人が多いのだが、これだけは逃すまい、と、実際には30分前にはいっぱいになっていた。
監督は残念ながら今回はみえなかったものの、「秘密」から数えてすでにウディネは3回目というエグゼクティブ・プロデューサーの間瀬さんが、檀上で挨拶をされた。
「小さなサプライズ」として、監督からのビデオ・メッセージが流され、大歓声の中で上映が始まった。

ここで私の感想を書いても仕方がないので、こちらで知り合ったイタリア人映画記者のコメントを紹介したいと思う。
「天才的な作品。ふだん、アカデミーを受賞する作品はあんまり自分の好みでないことが多いし、疑ってかかっていたが、この作品はほんとうにすばらしい。選ばれるはずだ。
監督、脚本、俳優さんたち、演出にプロデューサー、誰もがすばらしい仕事をしている。1つ1つのシーンの美しさ、そして「死」を扱っているとはいえ、実際にはほとんどの場面で、登場人物たちの細かいエピソードに笑わされていること・・・誰が見ても楽しめるし、なにより普遍的なテーマを扱っている。こんなにすばらしい作品が、自分の好きな日本映画から出てきたのはほんとうに嬉しいし、イタリアはもちろん、ほかのどの国でもなかなかこのレベルの映画は撮れないだろう。」

全世界、すでに59カ国での公開が決まっている「おくりびと」、欧州内では、イタリアと英国のみ、(まだ)配給が決まっていないらしい。

ちなみに、私が今日見たのは:
おくりびと、滝田洋二郎、2008, www.okuribito.jp
Desires of the heart, Ma Liwen, 中国, 2008
The way we are, Ann Hui, 香港, 2008

28 aprile 2009

追記:「おくりびと」5月3日(日)16:00- ウディネ市内の映画館Visonarioで再上映が決定しました。チケットは当日、現地のみにて発売。

日本語上映、英語字幕つき。(イタリア語同時通訳が入るのかどうかは不明)

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by fumieve | 2009-04-29 09:10 | 映画

極東映画祭・3~日本映画の日

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実は昨日、朝起きたらものすごく体調が悪くて、ともかく日本の映画2本見るのが精いっぱいだった。だから、せっかくのアジアン・マーケットも、ほんとならもっと楽しめた(&何か買い物もした)と思うのだが、よろよろと映画に向かうついでに、ようやく写真だけ撮った。

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期間中、ジャパニーズ・シネマと名付けられた今日、日本の映画が4本も上映されるうえに、日本の監督やプロデューサーさんたちの会見もあって、あのまま体調が戻らなかったらどうなることかと思ったが、今朝はまだ少し喉が痛むものの、あとはどうってことなく順調に回復していた。ほっ。
それというのも、日曜日の午後から雨が降り始め、なんだか寒いせいもある。

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が、ふたを開けてみたら、昨日あんなに体調が悪かったとは自分でも信じられないくらい、忙しい(といっても座って映画を見てるわけだけど)1日を結構元気に乗りきった。

今日見たのは:
ドロップ、 品川ヒロシ、 2009, http://www.drop-movie.jp
ジェネラル・ルージュの凱旋、中村義洋、 2009, www.general-rouge.jp
K-20:怪人二十面相伝  佐藤嗣麻子, 2008, www.k-20.jp

・・・で実は、深夜すぎから、「日本のピンク映画」として
艶恋師 放浪編 歌舞伎町 絶頂対決!!、田尻裕司, 2008, www.irokoishi.com
もあったのだが、さすがに「K-20」のあとは疲れがどっと出て、引き上げてしまった。

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27 aprile 2009
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by fumieve | 2009-04-28 08:55 | 映画

極東映画祭・2~アジアン・マーケットも

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極東映画祭が始まったウディネの中心街で、この24-26日、アジアン・マーケットが開催されていた。
今日の午後、もう終わるころになってようやくゆっくり1軒1軒のぞいてみた。

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マーケット、といっても、いわゆるフリマではなくて、さまざまなアジアものを扱うお店の出店。仏像や着物、ハーブティーにアロマろうそく(たぶん)などもあったが、映画祭にきているのは圧倒的に学生みたいな若者だから、果たして高いものは売れたのかどうか・・・。

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人気があるのはやはり、マンガ・アニメ・ショップ。

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実は、映画祭会場内のショップでもDVDは結構売れていて、やっぱり(あたりまえかもしれないが)映画好きが来ているんだな~という印象。

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今日見たのは:
フィッシュ・ストーリー, 中村義洋, 2009, http://fishstory-movie.jp
インスタント沼, 三木聡, 2009, http://instant-numa.jp
の2つ。

夕方から雨になって、ちょっと寒くなった。

26 aprile 2009
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by fumieve | 2009-04-27 16:03 | 見る・観る

極東映画祭、ウディネ

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テアトロ・ヌオーヴォ・ジョヴァンニ・ダ・ウディネほか
5月2日まで

XI Far East Film Festival
Teatro Nuovo Giovanni Da Udine
24 apr – 2 mag 2009
www.fareastfilm.com

ヴェネツィアから電車で北東へ2時間弱、ウディネの町で「極東映画祭」(Far East Film Festval)が始まった。
一度は来てみたいと思いつつ今までなかなかチャンスがなく、今年初めて、ようやく来ることができた。
参加国は、中国、香港、インドネシア、日本、フィリピン、シンガポール、韓国、台湾、タイ、うち日本は今回13作品の上映で最多。
オープニングは昨日だったが、今日、祝日で土曜日の25日のためか、大盛況。
このイベントを毎年楽しみにしているらしい、地元の映画好き、アジア文化好きの学生や住民が多いが、主催者がヨーロッパ各地の学生を積極的に招待していることもあり、案外、英語、フランス語、ドイツ語・・・なども聞こえる。

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会場となっている劇場にも初めて来た。
新しい建物でエントランスは劇場というよりモダン美術館を思わせる。映画を待つのに、こんなにゆったり椅子に座ってタバコを吸ったり、のんびり・だらだらとおしゃべりしたり、芝生に寝っ転がって昼寝したりできるところもめずらしいのではないだろうか。
ともかく、何かとギスギス、ピリピリしているヴェネツィア映画祭と違って、なんとも雰囲気がいい。
ついでに言うと、中のバールは、外と変わらないごく普通の価格で◎。

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劇場内はモダンだが木目のデザインは新鮮で美しい。各座席の角度などもうまくできていて舞台が非常に見やすいのもさすが。

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・・・ああ、イタリアじゃないみたい。(笑)

上映は、オリジナル言語に英語の字幕つき+イタリア語は通訳フォンを借りられる。
極東初心者の私は、今回はとりあえずなるべくたくさん日本の映画を見ることが目標。今日はこの2本を観賞した。
百万円と苦虫女, タナダユキ, 2008, http://nigamushi.com
「ハンサム・スーツ」,英勉, 2008, www.handsome-suits.com

「百万円・・・」のほうは、タナダ監督が在席。上映前に舞台上で「イタリア語を勉強してきました。」と言ってイタリア語で読みあげた挨拶に、会場は大歓声で拍手喝采。
上映後にも、一般公開の会見があって、製作裏話などを打ち明けていた。

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「百万円・・・」も要所要所ではしっかりウケ、終了後も大きな拍手が沸いたが、「ハンサム・スーツ」のマンガっぽさはイタリア人のツボに相当はまったらしく、大ウケだった。マンガっぽく、実は特殊撮影を多用しているところ、わかりやすいテーマながら、日本ならほんとに「ハンサム・スーツ」を開発してしまいそうな、変なリアル感があるのだろう。

この会場の唯一の難点は、もともとオペラや演奏会などの劇場で、映画館仕様でないため、上映ごとに観客が入れ替わることを想定していないこと。見終わった観客、これから入る観客がごちゃごちゃになるのはどうにもならないのだろうか?

まだまだこれから長い夜を楽しむ彼らをあとに、今日はこのあたりで引き上げることにしよう・・・。

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25 aprile 2009
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by fumieve | 2009-04-26 21:13 | 映画

アートとテクノロジー、テクノロジーとデザイン

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Tokyo Fiber ’09 Senseware
Trienale, Milano
22-27 aprile 2009
http://tokyofiber.com

何かの目的があって、それを実現するための技術開発もあるが、ときには、開発先にありきで、さて、いったいどう使ったらいいものか?というものもできてしまうらしい。

フオーリ・サローネ(fuori salone, サローネ外=詳細は昨年のブログhttp://fumiemve.exblog.jp/d2008-04-21をどうぞ)を回るのは、今回は時間がなくて無理とあきらめていたのだが、面白そうな展覧会をやっていると聞いて、帰りの電車を遅らせることにして寄ってみた。

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日本の最先端技術、というとついつい電子機器関連、今ならとくに精密なロボットなどを思い浮かべてしまう。だが、日々研究と実験を重ね、夢のような製品を生み出しているのは、電子機器部門だけではない。
日本を代表する繊維産業8社による、「最先端の」人工繊維。今までできなかった「何か」ができる素材。アーチストやデザイナーがそんな素材に出会ったときにそれをどう使うのか。

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まずは、入口の、水滴で書かれたタイトル画にみな目が釘付け。超・高撥水の黒い布の上を、水滴がSensewareという文字を構成しては、また滑っていく。

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夢のような素材を利用して、何かを作る。ただ、ここではあくまでも実用化は度外視して、その素材の特徴を生かした「作品」を作るよう、ディレクターの原研哉さんは各クリエーターにお願いしたらしい。

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高温成型が可能な不織布を使った、マスクを使ったオブジェ。手すきの和紙のような、純白の紙のような和しのような素材でできたゆりかごに眠る赤ちゃんと、パズルのように組み立てられた洋服をまとうマネキン。
作家の専門はさまざま。アーチスト、ファッション・デザイナー、建築家やアート・ディレクター。しかも、さりげなくイタリアでもよく知られた名前が並ぶ。
カーボンファイバーを使った極薄の椅子は、建築家の坂茂氏。やはり紙で作った、きのこのようなちょうちんのような物体が並ぶ作品は、nendo。

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一方、そうはいってもやはりいかにも実用化したら便利そうなのが、パナソニックのチームによる「フキトリムシ」。巨大なはんぺんのようなしろものが、尺取り虫のようにテーブルとイスの間を這っている。

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緑の苔の庭の下に隠された、バイオ分解する網も、すぐにでも実用化の需要があるだろう。

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一言に「繊維」といっても、その応用は多様だ。織物や不織布はもちろん、特殊な糸となって、編んだりくっつけたりして、ネットや一種のスポンジのような弾力性のあるものから、光を通すブロックにもなったりする。
だが、実は完成品を見ただけでは、その「すごさ」はきちんと伝わらない。作品の間をするすると歩いて、「へえ」「ふうん」で終わってしまい、結局のところあまり印象が残らないだろう。
この展覧会のいいところは、各作品の横のボードに、そこで使われた「最先端」繊維の特徴と、作品のコンセプト、実現の秘密などが、図や写真を使って、技術的なことも含めてわかりやすく説明してあること。イタリア語・英語で書かれたボードは、壁にはるのではなく、低めの位置に斜めに置くことによって、大人にも子供にも見やすくなっている。

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さらに、その説明のパンフレットがそれぞれ自由に持ち帰ることができるようおいてあるほか、作品で使った「材料」の見本が、自由に手で触ってみることができるように展示されている。
まずは「おもしろい!」「なんだろう?」と興味をひかせ、さらにもう少し突っ込んで満足させる、あるいは、あとで家族や友人に「こんなものを見たよ」と言える、そういう工夫がある。

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見かけ倒しのイタリア、パッと見はやたら立派だが、説明が足りなかったり、字がやたら読みづらかったり、そんな展示の多いイタリアの展覧会でもぜひ見習ってほしい。
・・・と、ここまで書きながら、ひょっとすると、これは日本では当たり前の展覧会なのかもしれない、と思ったりするのだが・・・。
決して技術だけではない、デザインやアートだけでもない、日本はどっちもいいでしょう?と言っているような、そんな気がした。

もう1つ、同じトリエンナーレ会場で、Japan Design Selection展もやっていた。こちらも、去年はいわゆるハイテク製品がガラスのケースに収まっていてなんとなく冷たい印象だたが、今年はふつうの日用品や実際にさわれるものが多く、より多くのビジターの関心を集めていた。

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いいぞ、ニッポン!!!

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25 aprile 2009
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by fumieve | 2009-04-25 19:27 | 見る・観る

ミラノ・サローネ 2009

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Salone Internazionale del Mobile
Fiera Milano, Rho
16-21 aprile 2008

ミラノ・サローネ(国際家具見本市)
ミラノ(ロー)、見本市会場
4月27日まで

欧州最大規模を誇る、国際家具見本市がミラノで始まった。
(昨年の様子はこちら http://fumiemve.exblog.jp/d2008-04-17
この景況下、家具製造業だってご多分にもれず相当苦しいだろうと思うのだが、関係者の事前の(希望的)予測によれば、「超」とはいわないまでも、強気というけ、堅調。

・・・果たして、来てみると確かにとりあえず、盛況は盛況のようだ。

家具部門のほか、キッチン、オフィスなどは2年に1回なので今年はお休み。かわりに、Euroluce(ユーロルーチェ)と名付けて、照明器具が、パビリオン6棟を占める。

それにしても、この見本市会場、見た目のカッコよさの割に、動線の悪さやわかりにくさにいつも辟易とする上、雨でも降ろうものなら(一見ガラスで覆われているにもかかわらず)、実際は通路のあちこちに屋根がなく、足元がぐちゃぐちゃになって、どうにも好きになれない。

今日はというといいお天気で、こうなるとさすがにキレイだわ・・・と最初に思ったのは大きな間違いだった。温室効果+人の熱気で、あっという間にものすごい暑さとなった。
ちょっと歩いただけで、もうバテバテ。

Euroluceの奥にある、SaloneSatelite(サローネ・サテリテ)と仕切られた会場は、デザイン学校・大学などの学生など、若いデザイナーによるミニ・ブース・コーナーがなかなか面白かった。

でも、今日一番気になったのはコレ。

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全長12mの、一枚板のテーブル、樹齢30,000年以上、3.8トン、ニュージーランドから来たらしい。
木の匂いは意外としないのだが、どっしりとしたその安定感といいなんといい、やっぱりなんとなく心が安らぐ。
これを一体(なぜ)どうやって運んできたのかも興味があるが、期間終了後にどうなってしまうのかがもっと気になる。・・・願わくばここままずっとここに安らぎ空間として残ったらいいな・・・。

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23 aprile 2009
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by fumieve | 2009-04-24 07:01 | 見る・観る

藤・藤・藤・・・

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目がくらむほどの日差しになった。

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いろんなものが花盛りなのだが

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圧倒的に藤が優っている気がする。

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震災後2週間、数万人がテント生活を送るアブルッツォでは雨が降り続いているという・・・
せめてこの日差しが届けばいいのに、と思う・・・。

ひさしぶりに、夕闇の写真も。

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22 aprile 2009
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by fumieve | 2009-04-23 03:23 | ヴェネツィア

ロンゴバルドの町、チヴィダーレ

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一度は絶対に見たい、とずっと思っていたものの、それを知ったのはもう何年も前のことで、もともともの覚えの悪い私は、教会や正確な場所の名前すら覚えていなかった。ただ、チヴィダーレに行けば、小さな町だろうから、きっとなんとかなるだろうと思った。

実際、町の中に入ると、そこここに、「Tempietto longobardo(ロンゴバルド小寺)」の標識があった。そうそう、何か小さい礼拝堂だったはず。

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果たして、会いたいと思っていたその彫像たちは、やはりそこにいた。
個人の礼拝堂といっていいほどの、小さな空間。はげかけたフレスコ画と、木彫りの立派な聖職者席。・・・その上に、真っ白の、6体の彫像たちが並んでいた。

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ローマ遺跡があって、中世の街並みが残って・・・という小さな町は、イタリアにおいては特にめずらしくない。
だが、このチヴィダーレを特色づけているのは、なんといってもロンゴバルド族の存在。ゲルマン民族に遅れること数世紀、アルプスを越えてイタリア半島にやってきたこの民族は、北イタリアを中心に、既存の、疲弊した町をおそっては、自分たちの公国を作っていく。

町作り、特に教会の建造にあたっては、もともと騎馬民族で建築技術を持たない彼らは、その土地にすでに根付いていた工法、その職人を使った。だが、彼らの教会美術の大きな特徴は、その中で多用されている大理石の浅浮彫。内陣を囲う柵にあたる石板や洗礼盤、あるいはアーチや枠組みなどの装飾に、みな一様に、平面に模様を刻みつけた浅い彫刻が使われている。

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私は個人的に、ひそかに「ビスケット彫り」と呼んでいるのだが、その模様は極めて形式的。十字のほか、シンプル化された動物や植物を、縄をからめたような模様がぐるぐると取り囲み、空間を埋め尽くしているのは、ケルト模様などにも似ている。面白いのは「ヒト」の表現で、これがなんともプリミティブというか、ヘタクソで頭でっかちのヘナチョコ人形みたいな姿をしている。

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ギリシャからローマに受け継がれた、立体的で写実的な彫刻からすると、ほとんど2次元と言っていいこのヘタウマ彫刻は、技術的にずいぶんと劣るものに見えるし、実際、長いこと過少評価され続けてきた。だが、そうではなくて、これが、この時代の彼らの美意識だったのであり、やこれがまたやがて、「西洋」文化の中にも影響を与えていく。

騎馬民族の例に漏れず、貴金属の加工技術に優れていた彼らの、埋葬品はたいそう豪華だ。
国立考古学博物館(Museo Archeologico Nazionale)で、その数々を見ることができる。彼らの装飾品の中で、特に知られているのが、1つは薄い金の板に模様を打ちつけた十字架。

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これらはたいてい、十字の四隅に小さな穴があいていて、故人の胸の部分に縫い付けて埋葬したとされる。

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もう1つは、おおぶりでこまかな細工の入ったバックルや留め具、ピンなどの一連の装飾品。その中でも、金に間仕切りをしてガラスを流し込む、クロワゾネという方法による細工ものは今でも立派に豪華なアクセサリーとして通用する。

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そして、この貴金属にほどこされた模様をみてもやはり、平面的であること、そして動物の絵はシンプルながらデザイン的にも優れていてウマイのに、人の姿はみな、ヘタウマなのがなんだかおかしい。もともとは貴金属を使った特殊な表現方法が、おそらく大きな大理石の板にも適用されていったのだろう。

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・・・と、話が長くなったが、そんなロンゴバルドの遺産のたくさん残るチヴィダーレで、この聖女たちの彫像は明らかにほかと一線を画している。浅浮彫りでない、ほとんど丸彫りに近い彫像は、チヴィダーレのみならず、各地に残るロンゴバルド美術の中でも、少なくとも現存する唯一無二とされる。また、顔の表情や衣服も、ローマ時代のそれに比べればずっと形式的で「固まっ」ているが、それでも、ヘタウマというよりはむしろ、優雅で美しい。(ある友人は、教科書の写真を見て「お人形さん」と呼んでいた)

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そしてさらに、唯一無二なのは、なんとこれ、アーキトラーヴやアーチなども含めて、大理石ではなく、石膏でできていること。
長身で直立不動、大きく目を見開いているのは、そういえばちょうど、ラヴェンナのモザイクを思わせる。衣装もそれに近い。実際、これを作ったのはビザンチンの職人とされる。
通称ロンゴバルド小寺(Tempietto Longobardo)、サンタ・マリア・イン・ヴァッレ礼拝堂(Oratorio di Santa Maria in Valle)は、同名の修道院の中にあり、8世紀に、当地を支配していたロンゴバルドの宮廷礼拝堂として建てられた。
フレスコや木彫ももちろん美しいのだが、ここでは、このミステリアスな聖女たちに釘付けだ。丸彫りとはいえ、よく見るとほとんど凹凸のない、いわばこけしのような体に、布のひだや装飾を刻みつけた、だから部分部分で見ると、実は2次元的。それでも、なぜ、この丸彫りの彫像を作ったのだろう?また、そもそもなぜ、大理石でなく、石膏なのか。

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このチヴィダーレ、イタリアのほかのロンゴバルド町と組んで、Italia Langobardorumとして、ユネスコ世界遺産の認定の申請をしているらしい。今年6月にスペインで行われる認定委員会で、はたして無事選定されるかどうか、お楽しみ!

美術館内は撮影禁止のため、小寺以外の写真は、
http://friuliveneziagiulia.beniculturali.it/
www.fotobank.ruから拝借した。

21 aprile 2009
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by fumieve | 2009-04-22 07:54 | ほかのイタリア

4月20日に

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昨日、(友人が全部作ってくれた)食事のあと、お茶をいれていて、そういえば今日20日は、祖母の誕生日だったことを思い出した。というのも、今使っているお湯飲みは、かつて祖母の家で使っていたものだから。形見というほどの大げさなものではなく、日常使いだったもので、しかもハンパものになっていて、何年か前に母がここで自分が使うのに持ってきて、そのまま置いていった、というだけなのだが。

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5年前の春に一時帰国したときに、パスクワの卵型チョコレートを、入院していた祖母にも少し持っていった。いつも、「わたしは田舎もんやから、ハイカラなもんよりも大福やら、おはぎやらが好き」と言ってたくせに、実はチョコレートやアイスクリームも大好きだった。あのとき、じきに夕食になるから、今は1粒だけ、あとは食後ね、というつもりだったのに、「もういつ死ぬかわからんから、もっと、いますぐに食べたい」と譲らず、母と私を困らせたっけ・・・。
それだけ言えれば、当分大丈夫よ!と返されていた祖母は、結局その年の11月に他界した。私はヴェネツィアにいたから、あのチョコレートが結局、祖母との最後の思い出になった。

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思い立って、祖母の誕生祝いがわりに、と、卵型チョコを買った。
もう復活祭を過ぎて、すこし安くなっていて、ラッキー!(おばあさん、ごめんなさい!!!)
・・・結局、自分が食べたいのだけど、そんな食い意地も、きっとあの祖母に似たのだろうということにしておこう。

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今日のヴェネツィアは雨。ほんとならうっとうしい天気だが、咲き乱れる花たちが心なしか空気を明るくしているよう。

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夜は、昨日、お母さん・・・ではなく、「出前シェフ」が作ってくれた新じゃが&アーティチョークの炒め和えを再現してみた。シェフによると、鶏肉のオーブン焼きなどにもよく合うらしいが、こうして単品でも立派な一品になる。
洋食も好きだったあや子さんは、アーティチョークも食べたことがあっただろうか・・・?「こんな筋張ったものはイヤや」と言われたかも・・・。むしろ、ちょっとさといもの食感に似た、ヴェネツィアの名物料理、アーティチョークの首の付け根を煮たフォンド(fondo)、あれなら気に行ってもらえたかもしれない。

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20 aprile 2009
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by fumieve | 2009-04-21 05:33 | 日常生活