ブログトップ

ヴェネツィア ときどき イタリア

fumiemve.exblog.jp

タグ:美術・建築 ( 442 ) タグの人気記事

アスコリ・ピチェーノ

a0091348_991449.jpg

Ascoli Piceno
小さくてでっかい町、アスコリ

マルケ州南部の小さな町。
「ここは小さくてでっかい町だよ。海もあって、山もある。丘があって、川に囲まれ、シベリアからの風も吹けば、アフリカからの風も吹く。死ぬのが惜しいよ!」
と言い放ったのは、遅い時間に気持ちよく対応してくれた、ホテルのフロント氏。
私に言わせれば、海からは若干遠い(30kmくらい)、完全に山の中だけれども、それ以外は確かかもしれない。
a0091348_995060.jpg
古代ローマの、サラリア街道(塩の道)上にあるこの町は、元々はローマ人よりも古い紀元を持つらしい。今の魅力は、イタリア中部らしい、丘の上に建つ城壁に囲まれた小さな町、中世の町並み、といったところだろう。
忘れてはならないのは、ここで生涯を終えた、15世紀ヴェネツィア生まれの画家、カルロ・クリヴェッリ。その代表作が、この小さな町にいくつも残されている。
a0091348_985178.jpg
大聖堂(ドォーモ)の「多翼祭壇画」。隣接した教区美術館にある「聖母子像」。やはり同じアッリンゴ広場(Piazza Arringo)に面したアレンゴ館(Palazzo Arengo)にある市立美術館には、2つの多翼祭壇画。豪華な衣装には気を引かれつつも、その表現の固さ、硬さが強すぎてあまり好きになれなかったクリヴェッリだが、これを見て完全に前言撤回。おだやかな聖母の表情、多彩に対象を引き立てる詳細部の細やかな美しさに圧倒された。
それだけの環境で、食に恵まれないはずはない。今回は短い滞在で限られたものしか口にしていないが、オリーブにひき肉を詰めて揚げたもの(名称書きとめ忘れた!)、ポルケッタ(豚の丸焼き)が圧巻。オリーブは同じアッリンゴ広場、店先の屋台でも、揚げたてを売っていた。

町の地図やガイド(有料、5ユーロ)がコンパクトなわりになかなか充実している。観光誘致に力をいれているが、まだまだ観光客が少ないのだろう。どこも皆、親切で人当たりがよかっただけに、ツーリスト・インフォメーションの女性だけが、どこまでも無愛想だったのが気になった。

3 dicembre 2006
[PR]
by fumieve | 2006-12-04 09:07 | ほかのイタリア

ベルガモ

Bergamo

不思議な町、ベルガモ
a0091348_11215382.jpg

ガイドブックを読むと、Città Alta(チッタ・アルタ、上の町)とCittà Bassa(チッタ・バッサ、下の町)に分かれていて、その間をケーブルカーが繋いでいる、という。それだけで何やら、観光客としてはわくわくしてしまう。
駅と、チッタ・アルタの間に広がる、チッタ・バッサ。イタリアの歴史ある町ではよく、旧市街と新市街、という風に分かれていることが多いが、ここは完全な新市街ということもなく、中世風の塔が立っていたり、ルネサンス以降の教会も点在する。ベージュやグレーといった落ち着いた色合いに、縦に長い窓に、横目の入った格子戸はいかにもロンバルディアで、ミラノやブレシャの町を思わせる。が、威圧的なところはあまりなく、広場から両側に広がる道沿には、おしゃれでこぎれいなお店が続く。なんとなく、そぞろ歩いている人々も裕福そうに見えるのは、パルマあたりにも似ている気がする。
チッタ・アルタまで、直接行くバスもあるが、せっかくなのでわざわざケーブルカーに乗り換えてみる。基本的には、あくまでも「市民の足」なケーブルカー、月曜の朝は大きな荷物を持つ学生たちでいっぱい。
着いたそこは、なるほど、幻想的な中世の町だった。小さな通りに並ぶ、昔風のサラミ屋さんや、地元のワインを売っているらしい、でもちょっとおしゃれなエノテカ。お菓子屋さんには、名物の「ポレンタ・エ・オゼイ」が、どこにもかしこにも。そして、歩いていても転げ落ちそうな、狭い石畳の急坂を車やバイクが平然と走り抜けていく様子は、ペルージャやシエナなど、イタリア中部の小さな町を思わせる。
さらに上に上るケーブルカーがあるというので乗ってみると、ここから先は、丘陵にポツポツとお屋敷が建つ、ヴィッラ地帯。小さいとはいえれっきとした町から、いきなり木の匂いでいっぱいの林の中へ入っていくようで、霧めいた寒さのせいもあって、ここはコモ湖畔の別荘地帯を思い出させる。そういえば、コモ湖の片一方の足の先にあたるレッコ行きの電車が出ていたっけ・・・。
a0091348_11171452.jpg

そして意外なことに、長い歴史の中で、ヴェネツィアとはもともと縁が深かった上に、一時はその支配下にあったこともあり、突然、町中に現れる、ヴェネツィアのライオン。そして、教会や建物の中を飾る絵は、ヴェネツィア出身、ヴェネツィア派の画家によるものが非常に多い。

さまざまに表情を変えるベルガモは、つかみきれないままに北イタリアの、魅力を存分に感じさせてくれる。霧や、湿気による骨身にしみるような寒さですら、その魔力に取り込んでしまうようだ。まさに「北イタリアの珠玉の町」といえるだろう。

27 novembre 2006a0091348_11182878.jpg
[PR]
by fumieve | 2006-11-28 08:14 | ほかのイタリア