人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

ヴェネツィア ときどき イタリア

fumiemve.exblog.jp

(もはや年の瀬ですが・・・) フォルトゥニーの秋

(もはや年の瀬ですが・・・) フォルトゥニーの秋_a0091348_21343232.jpg


フォルトゥニー美術館
2011年1月9日まで

Autunno a Palazzo Fortuny
Nuala Goodman Gardens
Mariano Fortuny La seta e il velluto
Alberto Zorzi Unicum. Gioielli e Argenti 2000-2010
Giorgio Morandi Silenzi
Marco Tirelli
Giorgio Vigna Altre nature
Luca Campigotto My Wild Places
Museo Fortuny, Venezia
4 set – 9 gen 2011
www.museiciviciveneziani.it

そういえば、銀座に「モランディ」という高級イタリアン・レストランがなかったっけ?・・・と、検索してみたら既に閉店してしまっていた。一度しか行ったことがないけど、すてきな、おいしいお店だったという記憶があるだけに残念。あのときはまだ、自分がまさかイタリアに住むことになろうとは、考えてもいなかったように思う。

ジョルジョ・モランディ(Giorgio Morandi)、彼の出身地であるボローニャには専門美術館があるが、ヴェネツィアではグッゲンハイムにいくつか作品がある程度で、まとめて鑑賞できることは稀。




(もはや年の瀬ですが・・・) フォルトゥニーの秋_a0091348_21372358.jpg


「瓶」の画家、などとよばれるモランディの個展が、フォルトゥニー美術館の中で行われている。すっかり紹介が遅れてしまったが、「フォルトゥニーの秋」と題した複合展で、同館の1階から4階までを使って、モランディを含む7つの企画展が同時に開催されている。

(もはや年の瀬ですが・・・) フォルトゥニーの秋_a0091348_21375936.jpg


入ってすぐの1階はNaula GoodmanのGardens。ダブリン生まれのGoodmanは、テキスタイルを使った作品。花柄のソファーの周りに、薔薇の花びらが散っていたり、と、夢見る女の子の部屋のような、それでいてちょっとグロテスクで影のある展示。

(もはや年の瀬ですが・・・) フォルトゥニーの秋_a0091348_21384572.jpg


2階のサロンは、Mariano FortunyのLa seta e il Velluto(絹とビロード)で、これは前回の「フォルトゥニーの春」で展示されていたものが好評だったため、期間延長された。前回よりやや展示点数が減っているが、このフォルトゥニー館の基礎といったところ。

そのフォルトゥニー展の中に、そのまますっぽり入り込んでいるのが、Alberto ZorziのUnicum- Gioilelli e Argenti (ユニクム ジュエリーと銀)2000-2010展。サロンの中のガラス戸棚の中に、パドヴァ出身のジュエリー作家アルベルト・ゾルジの個性的なジュエリーが並ぶ。大ぶりで大胆で、だがシンプルなジュエリーは、確かにフォルトゥニーのプリーツ・ドレスにも合いそうだ。

(もはや年の瀬ですが・・・) フォルトゥニーの秋_a0091348_21392354.jpg


そして、言ってみればこの建物で唯一、ニュートラルな空間である2部屋が、モランディに充てられている。Giorgio Morandi, Silenzi(静寂)展。

(もはや年の瀬ですが・・・) フォルトゥニーの秋_a0091348_21395673.jpg


3階はMarco Tirelli展。大きなキャンバスの、縦にラインが引かれただけ、あるいは円柱や角柱などをほぼモノトーンで描いた、究極にシンプルな形と色。下の階の、ちょっとおどろおどろしいくらいの、暗くごちゃごちゃとした空間から上がってくると、ほぼ空っぽの部屋の壁にかかるスケールの大きな作品がより引き立って見える。

(もはや年の瀬ですが・・・) フォルトゥニーの秋_a0091348_21403135.jpg


最上階へ上がると、まず昨年のビエンナーレ期間に大評判だった「インフィニトゥム」展で「ワビ空間」としてしつらえられた茶室のような建物(?)をそのまま利用して展示されているのが、Giorgio VignaのAltre Nature(超自然)展。

(もはや年の瀬ですが・・・) フォルトゥニーの秋_a0091348_2141916.jpg


そして、周りのスペースが、Luca Campigottoの写真展My Wild Placesとなっている。また今回初めて、これまで開放されていなかった一部屋が修復され、このために使われている。

「インフィニトゥム」のように、1つの大きな企画展の中でのヴァリエーションとは逆に、7つの全く別々の企画展を共存させ、それが意外にも、この建物の中で1つになって、不思議にもこれはこれで完結した展示になっている。こうして同じサイズの写真にすると、スケールも手法も質感も違ういろいろな作品が、どれもモランディの枠の中になじんでいるように見えるも面白い。
個々の展示を細かく見るというよりは、この全体のハーモニーを味わう、それがフォルトゥニーというこの美術館の魅力だろう。

フォルトゥニー美術館については、こちらでも紹介しています:
http://earth-relay.blog.ocn.ne.jp/home/2010/12/post_5411.html
(もはや年の瀬ですが・・・) フォルトゥニーの秋_a0091348_21423831.jpg


(建物の写真以外はすべて公式HPより拝借)

29 dicembre 2010
by fumieve | 2010-12-30 09:32 | 見る・観る
<< 「イタリア 7つの輝き」NHK... ヴェネツィアの(ちいさな)おともだち >>