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ヴェネツィア ときどき イタリア

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「告白」 第13回ウディネ極東映画祭にて



4月29日(金)から5月8日(土)までウディネという町で恒例の極東映画祭開催中。

日本の被災地を応援する動きはここでも欠かせず、”FEFF for Japan”と名付けられた活動のために、イタリア人アーチスト、グイド・スカラボットロがロゴをデザイン。それを印刷したエコバックの売り上げを義援金にするほか、日本のNPO, Civic Forceへの募金を呼びかけている。
冒頭のビデオは、もはや日本で知らない人はいないと思われる、サッカー日本代表ザッケローニ監督のミニ・インタビュー。今回のために、特別に撮影されたもので、会期中、上映会場で流されている。日本語が若干怪しいが、英語はほぼ完璧にイタリア語をフォローしているので、意味不明瞭なところは英語と比較しながらご覧ください。
震災の話からサッカーへ、そして最後に衝撃の告白?・・・とまではいかないが、面白い質問とまじめな回答があって、結構笑えます。





「告白」 第13回ウディネ極東映画祭にて_a0091348_36970.jpg


今回のプログラムが発表になって、一番見たいと思ったのが中島哲也監督の「告白」。ベストセラーになった湊かなえさんの同名小説を映画化したもので、原作もいいけど、映画もすごくいい、と聞いていたから。
もう見た人には説明する必要がないし、これから見るかもしれない人にはその楽しみ(とこの場合言っていいのかどうかわからないが)を取っておきたいし、だからここで詳しくは語らない。だが、一緒に見た友人は、見終わって一番に一言「ティーンエイジャーの子供を持ってなくてほんとによかった、と思った」。やはり子供を持たない私には、それを否定できない、うなずくしかない、重い重いテーマ。
「いい映画で、ほんとうによくできていると思う」という彼女と話しながら気がついたのは、(そうあって欲しくはないけど)極めて現実的で間近な問題を扱っていながら、「告白」というタイトル通りの語りによるスタイルといい、1つ1つのシーンの作り方といい、生々しいドキュメンタリー・タッチではなく、むしろツクリモノっぽいシアター風であること。
1つの事件を、複数の当事者が違う立場から語る手法は、黒沢明監督の「羅生門」が映画としては代表的だが、語りの冷たさや室内のシーンが多いためだろうか、むしろ20世紀前半のイタリアを代表する作家、脚本家であるピランデッロの”Così è (se vi pare)”を思い起こさせた。

2 maggio 2011
by fumieve | 2011-05-03 23:53 | 映画
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