報告がすっかり遅くなってしまったが、イタリア北東部ウディネにて、極東映画祭が開催されている。
第14回になる今回は、中国、香港、台湾、韓国、フィリピン、タイ、インドネシア、シンガポール、 マレーシア、そして日本から、60以上の作品が参加。4月21日から29日までの期間中に日本は短編も含めて11作品が上映される。
http://gokumeshi-movie.com/
B級グルメから自然の恵みまで、おふくろの味から創作料理まで。最期めしから幼少の思い出。食べることはなんて楽しく、そして人をシアワセにするのだろう。
ともかく、始まったとたんに、「あ、これはいいな」と予感して、すでに口元が緩んでしまう。
食べ物について語るときの彼らの口調は、まるでグルメ番組さながら。そしてそそる映像。が、見ているとこちらもお腹がすいてくる・・・なあーんて甘いものじゃない。逆に食欲を失う場面も容赦なくちりばめられているが、なんにしてもそれもすべて人間の営みとして笑い飛ばせる。
それにしても、彼らの日常(塀の中)を見ていると、なんだか獄中も楽しいものに見えてしまうから困ってしまう。
英題が"SUKIYAKI"で、それも最初から狙っての映画製作だったのかどうか、このタイトルはかなりイイ。日本語のタイトル以上に、この映画のすべてを一言で言い表している。
一方で、ずっと読んでたわけではないが、英語の字幕をときどきちらっと見ると、その表現の淡白さにちょっと驚いてしまう。字幕という制限の下とはいえ、英語という言語の特性なのか、「承りました」が、"I will." ではあまりにもさみしい。食べ物の表現部分にいたっては言わんもがな・・・。
イタリア語ならどう訳されるだろう?
食べることが好きな人なら、きっと楽しめる映画。(私はかなりツボ。)イタリアでももちろん、大ウケだった。
27 aprile 2012