世界遺産、
ポレチュの大聖堂は、何と言ってもそのモザイクで知られるが、同時代の彫刻装飾もまた、すばらしい。
優美なラインだが簡潔ですっきりと形式化された図柄、ほとんど2次元といってよい、ごく薄い浅浮き彫りは、写実趣味の古代から離れ、もはや中世初期に入った、特徴的な教会装飾。これもやはり、ラヴェンナのものとよく似ている。今でこそ、国境をまたぎ、アクセスも便利とは言い難い2つの町が、アドリア海をはさんで向き合っていたことを改めて思い起こす。
アーチを支える柱頭も同じように、「ラヴェンナ様式」と呼ばれる、レースのような浮き彫りになったものあるが、さらにそれを発展させた、2段式の凝ったものなども興味深い。
だが、この聖堂の中で、それ以上にすばらしかったのは、アーケードの、アーチ内側の漆喰。現存するのは、正面に向かって左側のアーケードの装飾のみだが、10カ所全てが、幾何学模様に鳥や花を埋め込んだ、似たようで全て異なる模様違いで、色違いとか模様違いとかのシリーズに弱い私は大興奮。
それも一部、もともとは彩色されていたのが伺える。
石の彫刻に比べれば、作るのは早いけれどもどうしてももろい漆喰による壁や天井の装飾は、ヴェネツィアでも時代によってはやりすたりがあるが、1500年も前のものがこれだけ残っているのは奇跡と言っていいだろう。ロンゴバルド時代のレリーフ、勝手に名付けた「ビスケット彫刻」と並んで、こちらはやはりひそかに「らくがん装飾」とでも呼びたいところ。たとえ同じ模様でも、漆喰の装飾は、石より繊細で優しくみえる。
壁はモザイクと大理石、柱やアーチはレースの彫刻で飾られた聖堂は、いかに華やかだったことだろう。
20 luglio 2012