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第13回建築ビエンナーレ、ロシア、アメリカ、ポーランド

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今年の建築ビエンナーレ、閉幕の25日まで2週間を切って、そういえばまだ全部紹介してなかったな・・・と思って自分のブログを振り返ったら、全部どころか、金獅子賞の日本館を紹介しただけで、ほかはまだ始めてもいなかった!!!
(・・・と、ついでに、映画祭も、さらに昨年のビエンナーレもまだ終わっていないことを思い出した・・・)

最初から注目度が高く、評判に違わず金獅子賞を得た日本館と並び、いや、おそらくそれ以上に、開幕直後から圧倒的な人気を誇ったのがそのお隣のロシア館。



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入口でタブレットを受け取り、館内のQRコードにかざして情報を読み取る、そのアイディア自体はもはやそう珍しいものではないかもしれない。だが、ローマのパンテオンをも思わせる、シンプルかつクラシックなドーム型の室内をQRコードで埋め尽くしたことで、ややもするとチープで軽薄な印象になってしまいがちな現代のツールを、美しく、かつ面白い空間に仕立て上げた。そのヴィジュアルなインパクトもあって、今回、最も多く写真が出回ったのはこのロシア館だろう。

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日本のために、金獅子賞は逃したものの、審査員特別賞を受賞した。

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Padiglione Russia
i-city
AREP; SPEECH Tchoban/ Kuznetsov; David Chipperfield Architets; Valode& Pistre; Mohsen Mostafavi; OMA; SANAA; Herzog& de Meuron; Stefano Boeri architetti; Project MEGANOM; MDP/ Michel Desvigne paysagiste; BERNASKONI architecture bureau

同じく審査員特別賞を受賞したアメリカ館。

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人口集中、インフラ、公共の空間・・・などなど、都市や町の住宅や公共建築のさまざまな問題と、その解決法を天井から下がるロールスクリーンに提示。スクリーンをひっぱると壁にぶらさがったプレートが上がる、という単純な仕組み。

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ヨコに長い、3つに分かれた建物を生かし、あれこれ作り込んでくることの多いアメリカ館だが、今回はシンプルに、よくも悪くもこれだけ、だった。

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同じフォーマットで、圧倒的多数の建築家があらゆる問題に対峙しているということ、その「るつぼ」というか「社会の縮図」的なところがポイントなのかもしれないが、個人的には、正直のところなぜこれが審査員特別賞???という感じ。

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Padiglione Stati Uniti d'America
Spontaneous Interventions:
Design Actions for the Common Good

もう1つ、審査員特別賞に輝いたのはポーランド館。

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こちらは、横長のだだっぴろい空間の中に丸ごと、音響空間を作り込んだ。歪みの出ている写真ではわかりづらいが、床を奥の壁に対しほんの少し傾け、それに直角に手前の壁も傾けてある。これにより、6秒以上の残響ができるらしい。
建築そのものを見せることが難しい、という建築展のジレンマをクリアし、「そのもの」を見せた。そういえばポーランドは、こういった比較的シンプルだが実は凝った展示で前回も受賞している。

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Padiglione Polonia
Making the walls quakes as if they were dilating with the secret knowledge of great powers
Katarzyna Krakowiak

今回、国別部門で審査員特別賞を受けたこの3館。共通点は、シンプルさとわかりやすさ、だろう。

13 novembre 2012
by fumieve | 2012-11-14 18:52 | 建築ビエンナーレ2012
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