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ヴェネツィア ときどき イタリア

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映画は楽し、「ライフ・オブ・パイ」&「カルテット」

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1月に入ってから観た映画は3本、その中でダントツに衝撃的だったのは、トルナトーレ監督の「La migliore offerta(ラ・ミリオーレ・オッフェルタ、ベスト・オファー)」
それ以外の2本も、これはこれで、やっぱり映画らしくて、楽しんだ。

ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日(Life of Pi, 伊題はVita di Pi)
監督 アン・リー
原作 ヤン・マーテル
出演 スラージ・シャルマ、イルファン・カーン

ヴェネツィア映画祭で2回、金獅子賞を得ているアン・リー監督の冒険ファンタジー。ちまたでは3Dのようだが、私が観たのはふつう(つまり2D?)ヴァージョン、だがこれでも十分すぎるほどの迫力。
人間の想像力を超えた自然界の美。ナショナル・ジオグラフィック的な壮大で神秘的なまでの海の映像は、どこまでがほんとの自然で、どこからがCGなのか。わからないけれど、でもこれは喜んでだまされておこう。
ちっぽけな人間の前に、容赦なき自然の脅威、嘘みたいな偶然と。次々とおそいかかる恐怖と、だがそれを包み込んでなお思わずためいきをつく美しい海。
インドから、新しい生活を求めてアメリカへ移住するはずだった一家の乗った船は日本海溝(?)で難破する。たった1人生き残った少年。それも、彼らが連れてきた、彼らの動物園にいた猛獣たちと。あり得なすぎて、思わず笑ってしまう。
だが、当の本人は真剣だ(もちろん)。ベンガルトラとともに、遭難生活227日。
最後の最後の、ひねりが利いている。人間、何を信じたらいいのか、何が真実なのか。信じたいことしか信じられないし、信じられることがきっと事実なんだろう。
子どもはもちろん、大人も結構真剣に楽しめる作品。
ちなみに、少年の名前、「Pi = パイ」はイタリア語版吹き替えでは「Pi = ピ」になっていた。



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元気(ばかりじゃないけど)な老人たちを描いたコメディーについつい惹かれるのはなぜだろう?夏に観た「マリーゴールド・ホテルで会いましょう(The best exotic Marigold Hotel)」しかり、ヴェネツィア映画祭で新人監督賞を取った「8月15日の昼食(Pranzo di Ferragosto)」しかり。いつか自分が直面しなくてはならない問題であるからこそ、老人問題を真正面から扱った社会派の重い映画はときにつらすぎるときがあるけど、人生の酸いも甘いもすい尽くしてきた大先輩たちのアガキ、みたいな映画は大好き。
ロンドンの郊外(?)にあるらしい、音楽家たち専用のケア・ハウス。と言ったって、それは豪華なマナー・ハウス、敷地内には森あり、礼拝堂あり・・・と、まるで理想郷。ここにくらす老人、もとい、音楽家たちは、チャリティー・コンサートのためにいくつかのグループに分かれ、毎日それぞれ練習に余念がない。歌やピアノ、ヴァイオリンの音が背景に流れている。これぞ音楽の力。名曲の断片が流れているだけで、映画そのものが美しく見えるし、それを演奏する老人、いや、音楽家の生き生きとした表情こそまさに、音楽の力そのものなのだろう。
現実には、そんな簡単なものではないだろうと思う。仮にも、芸術家と呼ばれてきた個性豊かな人々の集まり。そんなみんな何もかも仲良く、ほがらかに、とは行かないはず。実際、映画の中でも、ちょこちょこと諍いやトラブルは起きる。だがこの映画の中では、それは映画という1つの作品の中のちょっとしたスパイスでしかない。
びっくりするような大どんでん返しは起きないし、むしろ、想像よりもこじんまりとまとまる。だが、「乾杯の歌」に始まり、同じくヴェルディ「ナブッコ」の四重唱(カルテット)へと向かういってみればオペラ仕立ての映画は何も裏切られることなく、安心して観ていられる。
「マリーゴールド・・・」でも気難しい老婦人を演じていたマギー・スミスが、また同じような役で登場して、ちょっと笑ってしまった。いかにもピッタリなのだけど、毎回毎回、老人ハウスに行く役柄ってどうなんだろう・・・。

Quartet(カルテット)
監督 ダスティ・ホフマン
Maggie Smith, Albert Finney, Tom Courtenay, Billy Connolly, Pauline Collins.

ああ、そういえば、昨年9月の映画祭で観た映画も、まだ全部紹介しきれていなかったような・・・書き終えていないといえば、昨年の建築ビエンナーレも、さらにいえば一昨年のビエンナーレも・・・記憶もすっかり薄れ、そうこうしているうちに、今年のが始まってしまうんだろうな・・・。あああ・・・

28 gen 2013
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by fumieve | 2013-01-29 10:00 | 映画
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