ほんとにもう、遠い過去のかなたになりつつある、ミラノ・フオーリ・サローネだが、薄らぐ記憶を必死にたぐり寄せると、期間中、それこそ何百もあるイベントの中で、よくメディアに取り上げられていたうちの1つが、Citizen ”Light is Time”。
ミラノ・トリエンナーレ会場の1室。
入口の壁を入ると、そこは突然、金色の雨降りしきる世界。
正確に言うと、「降って」はいないから、霧、というべきか。金貨・・・だろうか?そういえば、昨年、ヴェネツィア・ビエンナーレのロシア館では金貨を降らせていたけど。・・・いや、金貨というにはもっと薄くて、ひらひらと花びらのような・・・
ああ!なるほど、時計の(なんて言うのか)中身、の部分。あ〜Citizenて、そうか、あの時計の「シチズン」だったか!・・・そうして、金色の霧をくぐり抜けて、時計ワールドに入っていく。精密なメカニズムで正確な時を刻む時計。そのメカが、時計というものが、こんなにも美しく魅力的なものだったことを思い起こされる。
デジタル時計は嫌いで、腕時計もずっと文字盤のあるものを使っていたが、スマートフォンを持ち始めてから、そういえば時計をしなくなってしまっていた。またきちんと時計を腕にはめてみようか、と思う。
面白い展示はたいがい、大人も子どもも夢中になって見ているもの。特別な仕掛けがあるわけでもない、それでも、ファミリーもカップルも、友人同士も、みんないい笑顔なのがすべてを物語っている。
プロジェクトは、パリを拠点に活動する、Tsuyoshi TaneさんのDGTという3人の建築家によるグループ。
シチズンは意外にも、今回がミラノ・デザイン・ウィークのデビューだったそうで、これはまた来年からの展開が楽しみなところ。
Citizen
Light is Time
Triennale di Miano (Curva A)
8 apr - 13 apr 2014
www.citizenwatch-global.com/milano/2014/it.html
28 mag 2014