ビエンナーレの公式参加イヴェントではないのだが、そのビエンナーレ内でヴィジュアルであっと驚くような展示があまりないこともあって、このオープニング期間中にメディアを賑わした作品がこちら。
なにしろ、こうしてふつうにパチリと写真を撮るだけで、すでに非リアルな、はっきり言えばちょっと変な絵か、もしくはCGのような図ができあがる。
サン・ジョルジョ・マッジョーレ島、サン・マルコ湾を見渡す角にそびえているのは、ドイツ人アーティスト、Heinz Mack氏の The Sky Over Nine Columns という作品。高さ7m超、すべて金箔入りガラスのモザイクで覆われていて、そのテッセラ(つまりモザイクの小片)数 850,000、金の量にしてなんと24kg とか。
そのガラスのモザイク・テッセラは、サン・マルコ大聖堂はもちろん、バルセロナのサグラダ・ファミリアにも収めているヴェネツィアのオルソーニ・モザイク工房のもの。
ただし、サン・マルコなど伝統的な用法では、金色のテッセラをあえて少しガタガタに埋めることで、光の乱反射を招き、教会内でその神秘的な光の効果を導くのだが、ここでは表面をぴったりとならして埋めているために、近くで見ると確かにモザイクなのだが、その本来のモザイクらしさはあえて消し、逆にかえって超未来空間的な不思議な効果を引き出している。
こちらもビエンナーレ期間と同じ、11月23日まで。
Heinz Mack : The Sky Over Nine Columns
Giorgio Cini Foundation
Isola San Giorgio Maggiore, Venice
3 giugno - 23 nov 2014
www.mackinvenice.com
9 giugno 2014