訃報 エマヌエーレ・ルッツァーティ氏
Scomparso Emanuele Luzzati
朝、のそのそと起きてコンピュータを開けたら、いつも早起きのFさんからメイル。エマヌエーレ・ルッツァーティ氏が亡くなったとのこと。ルッツァーティは、クレヨンと貼り絵などを組み合わせて、ヘタウマみたいな楽しい絵を書く、ジェノヴァ出身のイラストレーター。昨年、ヴェネツィアで彼の「マルコ・ポーロ」展をやっていたのは、以前HPでも紹介した通り。
http://www.geocities.jp/vivereavenezia/luzzati.milione.htm
慌てて、ニュースをチェックしたら、確かに、去る1月26日、ジェノヴァの自宅にて息を引き取られたのだそう。享年85歳。以下の記事によると、翌日には市内のパラッツォ・ドゥカーレ(総督館)で金のグリフォ賞(Grifo d’oro)を受けることになっていた、とのこと。
http://www.exibart.com/notizia.asp?IDCategoria=204&IDNotizia=18620
グリフォとは鷲の頭に羽のついたライオンの体をもつ想像上の動物で、ジェノヴァ市のシンボル。(ちなみに、ウンブリア州ペルージャも同じ。)だから、金のグリフォ賞、といえば、ヴェネツィアでいう金獅子賞にあたり(ライオンはヴェネツィアのシンボルなので、念のため)、つまり名誉市民賞のようなものだろう。
私はいくつかの絵本に馴染みがあるが、ルッツァーティは、舞台背景・衣装などのデザインでも活躍した人。ざっと見たところ、残念ながら手元には資料がなかったが、彼の衣装デッサン画は見たことがある。デザイン、とは言っても、彼の絵はあくまでも絵本と同じヘタウマなので、パタンナーは苦労するだろうな、と余計な心配をしたものだ。それとも、その絵からいかに現実の衣装を起こすか、力の見せ所なのかもしれない。
直接お目にかかる機会はなかったが、彼の場合、きっとあの世も色にあふれた「楽園」なのに違いない。ご冥福をお祈りします。
彼の町、ジョノヴァにはもちろん、ルッツァーティ美術館がある。今度、ジェノヴァに行く機会があったら、ぜひ立ち寄ってみたいと思う。
http://www.museoluzzati.it/
30 gennaio 2007