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ヴェネツィア ときどき イタリア

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日本の意匠

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最近、必要に迫られて着物の写真や画像などを見ていることが多いのですが、まあほんとうに、今更なのですがつくづく思うのは、日本のデザインの美しさ。着物なので特に、染色、織り、刺繍などその工芸仕事が見事なのはもちろんのことですが、それを組み合わせて出来上がるデザインがほんとうにすばらしい。

イタリアにいて、好きでイタリア美術史を勉強しているけど、イタリア美術を少しでも知ってみると、あらためて日本の美のよさがよくわかるように思います。例えば語り尽くされたことだけれども、美術の中で、写実と忠実な遠近法、光と影の効果を研究しつづけてきた西洋において、浮世絵の大胆な構図や配色、デフォルメがいかに新しかったか。
着物も同じで、細かいところまで美しいだけでなく、なにしろ、デザインがすごい。平面的、直線的な服装だからこそ、絵柄で遊んだのは、それにしても、画集などを見ていても、ページをめくるたびに、うわーっと思わず声が漏れてしまう。
(余談ですが、東洋言語学科の図書館に行くと、自習している若い学生たちに、見た目の年齢などから判断して「ひょっとして新しい講師か?」とちょっと警戒して見られているのに違いないのに、こうして1人で声を上げながら本を見ているのは、我ながらかなり怪しい。)

江戸・鎖国時代にめざましい発展を遂げる着物(小袖)も、もとはといえば、そのさまざまな技術はほとんど中国から学んだもの。でも、これはしょせん日本人の目で見ているからかもしれないけど、例えば、中国やアジアの、さまざまな織物や衣装などを見ても、美しい、豪華、目を見張る、などはいろいろあるけれども、「デザイン」でここまで洗練されたものに出会うことがあるか、というと、あんまりないような気がします。

日本のやはり「デザイン力」に感心したのは、2年前にジェノヴァで開催された日本美術展のうちの1つ、日本のポスター展。
http://www.geocities.jp/vivereavenezia/genova.giappone.htm

こういう日本のよさ、やはり失いたくないし、もっともっと世界にアピールしていいと思うのですが・・・。

8 feb 2007
by fumieve | 2007-02-09 08:05 | 学ぶ・調べる
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