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ヴェネツィア ときどき イタリア

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第52回ビエンナーレ国際美術展 受賞作品発表

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6月10日から開催中のビエンナーレ・アート展の、各種・金獅子賞が昨日、発表された。(展覧会全般については、日記7月4-6日付で紹介:http://fumiemve.exblog.jp/5875264 ほか)これまではこの賞は実質は一般公開前の内覧会の間に決定され、開幕時に発表、という形を取っていたのだが、それではあわただしくて、多くの展示作品をじっくり見る間がないということで、今回、この時期に変更された。11月21日の閉幕まであと1カ月、夏が終わって話題が他の新しい展覧会などに移っていくのを引きとめる意図もあるのだろう。

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金獅子賞:León Ferrari (アルゼンチン、1920-)
アルセナーレ会場、入ってすぐ左側の、飛行機に磔刑にされたキリストなど。
理由は「アーチスト本人の長い重要なキャリアの一例を、コンパスにして見せた。彼は、直面した政治的・社会的問題に関し、批判的実践を発展させてきた。この賞は、単に彼の倫理的な態度や政治的責任だけではなく、この60年間の間に発展させてきた、現代における美的表現の高さを評価するものである。」


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国別パビリオン 金獅子賞:ハンガリー(ジャルデイーニ内、担当アーチストはAndreas Fogararasi、在ウイーン)
建物内に作られたいくつかの黒いボックスの中に入って(座って)映像を見るというもの。
評価ポイントは「共有してきた歴史のコンテキストにおける、現代化、そのユートピアと破綻に向き合うアーチストの著しい能力」。

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金獅子賞Under 40 :Emily Solokov (ヨルダン、1970-)
ジャルディーニ内イタリア館(国際展)内。
「一般に、あるいはあるパレステイナ人の亡命というテーマに関し、単なる異国趣味ではない実際的な芸術表現のため。展示作品は、映画、ドキュメンタリー資料、物語と音楽の間の広い融合を見せている。」
・・・と言われるとものすごく難しいが、実際の作品はMaterial for filmというタイトルで、ローマで暗殺されたあるパレスティナ人について、遺品、手紙、写真、足跡(現在のローマの写真など)、音楽、映像を使って組み立てたもの。見た目の構成がとても美しく、これだけで十分1つの小さなパビリオンになりそうな感じで、受賞も納得できる。

そして、先日の映画祭でもあったのだが、ここのところ賞を奮発する傾向にあるヴェネツィアは、個人、国別それぞれに、Honorable Mention (menzione d’onore、名誉賞とでもいうのだろうか?)を発表した。

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名誉賞 個人アーチスト:Nedko Solakov(ブルガリア、1957-)
アルセナーレ会場内。壁いっぱいに落書き調に書かれたメッセージ。「今日新聞で、ロシア、ブルガリア間の論争の記事を読んだ・・・」そして、銃が、博物館のように貼り付けてある。

名誉賞国別:リトアニア
こちらは残念ながら、私も見ていないので、そのうち(閉会する前に!)見に行こうと思う。

見ての通り、名前・国を見ると欧州辺境偏向、かつ社会的テーマの強いものですが、表現としてはかなり、ソフィステイケイテドというのか、見た目がコギレイにまとまっているものがほとんど。
以前のブログでも紹介した通り、今回は全体的にもともと、洗練されて見た目にキレイなもの、という傾向が強く、MoMAやTate Modernにいるのと変わらない、というような批判も多かった。受賞作品はその中でもさらにグラフィック的に優れたものが選ばれた格好になった。個人的には好みだが、評価が分かれるだろう。

私も場外展示など、まだまだ全然見てないので、時間を作ってラスト・スパートをかけなければ。

18 ottobre 2007
by fumieve | 2007-10-19 07:33 | 見る・観る
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