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ヴェネツィア ときどき イタリア

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第24回 プレミオ・ヴェネツィア 国内ピアノ・コンクール

Premio Venezia XXIV edizione
20- 25 novembre 2007
Venezia

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ここで何度か紹介している、「フェニーチェ友の会」の重要な役割の1つが、年に1回行われるこのピアノ・コンクール。国籍は不問だが、確かこの1年だかにイタリア国内のコンセルヴァトーリオ(conservatorio, 音楽院)の旧コース、または新コースの3年制(大学の学部にあたる)を卒業したての人に限る、などと比較的参加条件の厳しいコンクールらしい。そしてイタリア内で数多くあるコンクールの中でも、賞金がかなり高いこと、地元中心とはいえその後1年間にいくつかの演奏会が保障されていることなど、ピアノを弾く人にとってはかなり魅力的なコンクールなのだろう。
毎年11月後半に実施されるプレミオ・ヴェネツィア、今年は11月20日(火)に始まった。
まず、テープ審査を通った32人による1次予選。主催者である「友の会」会員には、予選から最終までの入場招待券が送られてくるのだが、この日だけは非公開審査。
半分に絞られて、15人前後による2次予選が、22日(木)、23日(金)と2日にわたって行われる。これはフェニーチェ劇場内の「アポロの間」という、いつも「出会い」の講義や、室内楽のコンサートに使われている部屋。今年は行けなかったのだが、これは確か1人20分とか30分とかの持ち時間で順番に演奏していくもの。この時点では人数が多いため、わりと機械的にどんどん進む。時間オーバーだと途中で止められた奏者も見たことがある。参加者の課題などは調べたわけではないのでわからないが、確か、みな自由曲だったように思う。
24日(土)が、セミファイナル。この日は2次を通過した5人、この日からはフェニーチェの大劇場での公開演奏になる。実は、以前、2次予選をのぞきに行ったときには、まだ人数が多いせいか結構ばらつきがあるというか、若干玉石混淆みたいなところがあった。今年は、初めてこのセミファイナルを聴きに行ったのだが、さすがにあと5人となるとうまい。
最初は線のほそ~~~い、腕と指がうそのように長い女の子。
Ilaria Loatelli (Conservatorio di Verona)。
R. シューマン ソナタ 嬰ヘ短調op.11
S. プロコフィエフ トッカータ ニ短調op.11

2人めは男の子。
Riccardo Schwartz (Conservatorio di Milano)
R. シューマン アレグロ ロ短調op.8
F. ショパン バッラータ1番ト短調op.23
I. ストラヴィンスキー ペトルーシュカからの3楽章より
最初のイラリアも上手だと思ったが、彼が始まったら、うわ~、こちらのほうがやはりさらに上手(うわて)。どんな曲もどんなフレーズも余裕で弾いているようで、それから思うとイラリアは何か「いっぱいいっぱい」だったな・・・。

3人目はマッシュルームカットの男の子。
Scipione Sangiovanni (Conservatorio di Lecce)
A. ジナステラ Criollas舞曲組曲 op.15
F. ショパン ソナタ第3番 ロ短調 op.58
ショパンが異様に似合う。うまくいえないが、何か独特の「空気」を持っている。妖気といってもいいくらいの・・・。

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休憩をはさんで、本日2人めの女の子。
Viviana Lasaracina (Conservatorio di Monopoli)。
F. ショパン バッラータ1番 ト短調 op.23
F. ショパン バッラータ3番 変イ長調 op.47
S. プロコフィエフ ソナタ第7番 変ロ長調 op.83
本日初めての長調だったこともあると思うが、今までで1番「明るく元気」な印象。最初に出てきたときには胸元をずいぶん強調した衣装に少々驚いたが、そんな邪念を演奏が軽く吹き飛ばした。

最後は、Mirko Ceci (Conservatorio di Bari)。ひょろひょろ・・・とした「かまきり君」みたいな男の子。
S. ラフマニノフ 前奏曲 変ホ長調 op.23 n.6
G. Ligeti Automne à Varsovie, ピアノのためのエチュードより、第1巻 studio n.6
F. ショパン ソナタ3番 ロ短調op.58
やはり最後になるほど上手なような気がする。が、ここまで来るとこちらも目と耳が限界になってくる。最後のショパンはかなり聞き流してしまった。

今日、25日(日)がいよいよファイナル。残念ながら私は聴きに行けなかったのだが、聞いたところによると、決勝に残ったのは、やはり最後の2人、ヴィヴィアーナ・ラザラチーナと、ミルコ・チェーチ。そして、ミルコが今年の栄冠を見事に射止めたらしい。
来年のプレミオ・ヴェネツィアまでの間に、この2人についてはCDが発行される上に、ヴェネツィアでも何度か演奏を聴くチャンスがあるはず。また楽しみに待ちたい。

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25 novembre 2007
by fumieve | 2007-11-26 21:32
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